ひとりで5時半。新幼稚園児は、すぐに目覚めました。夜半から降り始めた雨は、小降りになっています。なんとか、水、木、金、土、日と乗り切れそうです。
今月は、100枚を突破しませんでした。
新幼稚園児と同時に5時25分。梅雨の合間の晴れ。朝方の気温は高くなっていませんが、暑くなりそうな雰囲気です。朝方、ちびどもの部屋で妻の叫び声。行ってみると、カーテンレールを支える留め金が折れて、カーテンレールが落下していました。私の判断では、この家を建てた方が重すぎるカーテンレールを取り付けています。その重さに絶えきれず、留め金が金属疲労したものを思われます。(他にわが家の使い方にも問題がありました。)
しばらく、つっかえ棒方式で、応急処置。
カーテンレールそのものは木の棒です。物干し竿にちょうどよい長さ。物干し竿に転用しました。まるで梅雨が明けたかのような晴れになりました。気温もどんどん上昇しています。ただし、空気に湿り気があり、また近々雨を予感させます。
2限、3限、4限の授業。
新幼稚園児はたぶん5時前後。私は、5時半。曇り。朝一番で荻窪に買い出しへ。お店が開くのと同時にお店に入り、昼食を食べて帰ってきました。
ひとりで5時45分。昨夜は昼寝して夜の9時過ぎに起きてしまった新幼稚園児に付き合っていました。やはりいっしょに寝ました。晴れ。週末になると、疲れが出てきます。しかし、来週はもっとも忙しい1週間となります。この週末でほぼ準備をすませておかないと間に合いません。ひたすら、準備。
夏の暑さになりました。子どもたちの様子をみて、昼食後、妻の椅子を買うため、吉祥寺に出かけることとしました。まず、ロフトの5階。子どもたちは、ソファで遊んでいます。うーん。次の場所に出かけようと外に出た途端、新幼稚園児が座り込んでしまいました。仕方がないので、子どもたちの世話は妻に任せて、私一人で吉祥寺の家具屋さんをまわることとしました。最後に立ち寄った、パルコの隣の家具専門店南海屋にちょうどよい椅子がありました。持って帰るつもりだったので、重いのはダメです。軽くてちょうどよい値段のものがありました。
(19600円)
そのまま電車で持って帰るというとお店の人はびっくりしていましたが、ふだん持ち歩いてるカバンよりも軽いので、とくに問題はありません。妻に電話して、ひとりで先に帰ることとしました。妻と子どもたちは、2時間ほどしてから帰りました。おねえちゃんたちは帰りたがったのに、新幼稚園児がなかなか帰ってくれなかったということです。
[夏の果物]
先週の木曜日、西荻駅について、ふと梅雨時期の果実にライチがあったことを思い出しました。駅前の果物屋さんに寄ってみると、ライチがおいてあります。1パックとってレジに向かうと、八百屋のおっちゃんが、台湾のライチが大きくて美味しいのだが、もうおわっちゃたよ、店頭においてあるのがたぶん今年のライチの最後になるよ、と解説してくれました。いつも、終わってから、ライチないの?と聞くお客さんが多いのだそうです。お昼前に妻が、スーパーで「ヤマモモ」のパックを買ってきました。わー、珍しい。子供時代、裏山に生えているヤマモモの木に登って、ヤマモモを採っていました。しかし、なかなか美味しいのを見つけるのは難しかったのを覚えています。さすがに売り物だけあって、粒ぞろいです。妻はこういうのが好きなんだそうです。自然に生えている果物はだいたいこのぐらいの感じです。甘すぎない。ワー、美味しいというのは5つにひとつとかそのぐらいしかない。
たぶん、40年ぶりぐらいのヤマモモの味でした。
ひとりで5時15分。昨夜は疲れて、新幼稚園児といっしょに寝てしまいました。梅雨の晴れ間。駒場の授業は、Sさんの発表。Good ! OK でしょう。
論点は私が昔関心をもっていた少し調べたことに関わっていました。発表を聞いて、そういえば関心をもっていたのだということを思い出しました。ベイコンという思想家の独自性あるいは特異性が現れている箇所です。授業の前に、駒場の図書館で次の論文のコピーを取りました。
Warren Alexander Dym,
"Alchemy and Mining: Metallogenesis and Prospecting in Early Mining Book,"
AMBIX, 55 (2008): 232-254.
ひとりで4時半。昨夜、久しぶりに飲んだせいです。今日から、本格的に忙しい3週間が始まります。
化学史学会編集委員会宛、次の本が出版社より献本されていました。担当者のHさん、ご高配、ありがとうございます。
山口達明他編
『化学の世界への招待』
三共出版、2009
本体2400円+税
978-4-7827-0595-7
新幼稚園児が起きて、6時過ぎ。夜半から雨。本格的に降っています。昨日は時間の経過とともに気温がどんどん上がり、夜には31度まで上がっていました。ちびどもが布団に入って暑い、暑いというぐらいまでになりましたが、雨とともに、気温が下がり、涼しくなりました。天気予報の言っていたとおり、お昼になる前に雨は上がりました。
午後に会議。4限の時間帯に研究科教授会。5限の時間帯に研究院教授会。
その後、総合文化研究所で、新しく見えた前田先生の歓迎会。私が着任したときに、1年生か2年生だったということです。私もそういう年齢になってきました。
コンパはおおいに盛り上がって、10時半まで。8人ぐらいがいっしょに中央線で帰ってきました。
ひとりで5時20分。曇り。妻は PTA の仕事、朝出かけて、夕刻帰るということです。ということで、2時の幼稚園児の出迎えは、私が担当することになりました。新幼稚園児に関して出迎えははじめてです。おお、知らないママさんばかりです。新幼稚園児は、列に並んでいるときに私を見つけて、あ、パパだ、パパだとはしゃいでいました。ママ、どうしてこないの?とは聞きましたが、まったくもんだいなし。
挨拶のあとしばらく遊んでいましたが、お友達と遊びの仕方に関し意見が違った途端、もう帰る。ちょうどよい。そのまま連れ帰りました。幼稚園の先生によれば、お昼のときにすこしお腹が痛いと言って、お弁当をちゃんと食べなかったそうです。おにぎりが9割方残っています。
帰宅してしばらくしてから、小さい氷がないと怒って、しばらく泣いていましたが、ミルクを飲ませると落ち着きました。やはりお腹が空いていたようです。
ちいさいちびが3時過ぎ、おおきいちびが4時過ぎに帰宅。妻は、4時半ごろには帰ってきました。やっているのは、小学校の夏祭りの準備。なかなか手間暇かかる模様。
私は、明後日からはじめる木曜日のリレー講義3回を終えたら、ピークは過ぎます。妻は、7月18日、19日の土日の夏祭りがピークになるということです。
私の授業そのものは、7月いっぱいあります。[Bacon Today: Three kinds of Natural History]
やはり、先週の発表の後の質問で、ベイコンの有名な自然誌の3区分について、微妙な変化があることがわかりました。次のマーチャントの論文にすごい表がついています。Carolyn Merchant, ""The Violence of Impediments": Francis Bacon and the Origins of Experimentation", ISIS, 2008, 99: 731-760
Table 1. Fransic Bacon's Three States of Nature, 1605-1623, p.742
Table 2. Fransic Bacon's Three States of Nature, Parasceve, 1620, p.743
Table 3. Fransic Bacon's History of Nature, "Plan of the Work," 1620, p.744
以上のように3頁にわたり、3つの表が掲載されています。たぶん、 ISISでは相当異例の処置だと思われます。
『学問の尊厳と進歩』をはじめ、多くは、次の用語を使っています。
1.生成物誌 history of generation
2.超生成物誌 history of pretergeneration
3.技術誌 history of arts坂本賢三氏は、生成物の歴史[被造物誌]、超生成物の歴史[超自然的物誌]、技術の歴史[技術誌]としています。(p.217)
大革新の区分における説明は、次の通りです。(やはり坂本賢三氏の本,p.212より)
「われわれは単に自由で解放された自然の自然誌、たとえば天体誌、気象誌、地誌、海洋誌、鉱物誌、植物誌、動物誌のみならず、束縛され苦しめられた自然、すなわち、自然が人間の技術と援助によってその本来の状態から追いやられ圧迫され馴化されるときの自然誌も作り上げようとする。したがって機械的技術のすべての実験、自由学科の作業的部分のすべての実験、まだ本来の技術にはなっていない多くの実用的技術の一切の実験を詳しく述べる。いやそれどころか、人びとの自尊心や格好良さにかまうことなく、はるかに多くの援助と保護を後者に置く。なぜなら事物の本性は、それ本来の自由な状態におけるよりも、技術の圧迫によって正体を現わすからである。」
この箇所の特徴は、超生成物誌の説明が省略されていることです。1620年の『大革新』の最後に付された「自然誌と実験誌の準備 Parasceve」のアフォリズムには、3つの説明があります。
「自然は三つの状態で存在し、いわば三つの統治に属している。すなわち、自然は自由であって自らの通常の道に従って展開しているか、物質の歪曲と反抗および障害の暴力によって本来の状態から押しのけられているか、人間の技術と奉仕によって束縛され形成されているかのどれかである。第一の状態は事物の「種」に属し、第二は「奇形」に属し、第三は「人工物」に属している。人工物において自然は人間の軛を受け入れ人間の命令のもとにある。これらは人間なしには作られなかったであろう。しかし人間の制作と奉仕によって物体の新しい顔といわば別の宇宙つまり別の劇場が前方に認められるのである。かくして自然誌は三重になってなっている。したがって自然誌は、自然の「自由」と自然の「逸脱」と自然の「拘束」を取り扱うのであるから、われわれはそれを「生成誌」、「超生成誌」「技術誌」に属せしめると言ってよい。その最後のものを私は「機械誌」および「実験誌」と呼ぶことにしよう。しかし、私はこの三つを別々に扱うことを先にきめないでおきたい。なぜなら特定の種の奇形誌をその種自身の自然誌に結びつけていけないことがあろうか。また人工物をも、別にした方がよい場合でも適切にその種に結びつけることができる。」(同前、p.284)こうした説明を読み、よく考えると、基本は「自然誌と実験誌」の2つでよいように思われます。つまり、奇形誌(驚異的なものの自然誌)は、自然誌に入れればよく、自然誌と実験誌に並べて項を立てる必要はない、と思われます。ベイコン自身の分類の揺らぎはこの点に気付いていたことによるでしょう。
少し先には次のことばがあります。(p.286)
「上に述べた自然誌の諸部門のうち技術誌が最も有用である。というのはそれは運動している物体を明らかにし、より直接に実践に導くからである。さらにそれは通常は種々の形が外姿のもとに隠されて不明確な自然物の仮面の覆いを取り除く。・・・・・したがってこの機械的なより自由でない技術誌には最大の努力が傾注されなければならないと思われる。」→翌日。
マーチャントが表を作った目的は別ですが、こういう表はできてしまうと有用です。表1は、自然の3つの状態ということで、ベイコンの著作のなかで「自然の3つの状態」に言及のある6点が上げられています。
1.Advancement of Learning(1605),
2.Description of Intellectual Globe(1612), translated in Montagu, 1857
3.Description of Intellectual Globe(1612), translated in Rees, 1996
4.De Dignitate et Augmentis Scientiarum (1623)
5.De Dignitate et Augmentis Scientiarum (1623), translated in Shaw, 1733
6.De Dignitate et Augmentis Scientiarum (1623), translated in Spedding et al, 18751605年の表現は、もっとも簡単です。nature in course に対応して、history of Creatures, nature in erring or varying に対応して、history of Marvels, そして、nature altered or wrought に対応して、history of Artsです。
表2は、「自然の3つの状態:2」です。Parasceveにおける表現が、Spedding, 1875 in Latin; Montagu, 1857; Spedding, 1875 in English Translation; Jardin and Silverthorne, 2000; Rees and Wakely, 2004 で対照されています。
表3は、「著作の計画」(1620)における表現が、Spedding, 1875 in Latin; Show, 1733; Montagu, 1857; Spedding, 1875 in English Translation; Malherbe and Pousseau, 1986; Jardine and Silverthorne, 2000; Rees and Wakely, 2004 で対照されています。
ということです。自然誌の第2の区分、「驚異の誌」(自然の逸脱、過誤、変異)を(自然誌の第1の区分、すなわち通常の意味での「自然誌」と区別して)項として立てるかどうかは方針の問題ですが、第3の区分を「技術誌」としてしまうと、誤解が生じるように思われます。このことばを使うと人は『百科全書』におけるような「技術誌」を想像するでしょう。しかし、「技術誌」を導入する前後の文章を読んでもらえばはっきりするように、むしろ、これは一言でまとめるのであれば「実験誌」でなければなりません。人間の手(技術)によって変容させられた自然の姿を扱うものですから、まさに「実験誌」です。人間がそのときどきにもっている様々な技術そのものを記述することを目指してはいません。(付随的に、それを含むことはありえます。)
ベイコン自身の表現に由来するこの誤解は、17世紀のベイコン主義者においてすら生じているように思われます。
6時半。新幼稚園児は、6時過ぎには目覚めたようです。ちびどももすぐに起きてきました。曇り。2限、3限、4限の授業。
6月18日の韓錫政氏の韓国語の著作(『満州国建国再解析』)ですが、韓国語のできる方2名に確認しました。(おひとりは、韓国語を習得した院生、おひとりはネイティブ)。発音は、ハン・ソクジュンでよいということです。ということで、"HAN Riktyon"は何かの間違いと見るしかありません。
化学史学会編集委員会宛に次の献本が届きました。新泉社の担当編集者の方、ご高配、ありがとうございます。
西条敏美
『理系の扉を開いた日本の女性たち』
新泉社、2009
2000円+税
978-4-7877-0906-6
新幼稚園児が目覚めてしばらくしてから起床。6時25分。夜のうちから強い雨。今日はゆっくりと自宅。[Bacon Today:『学問の進歩』ラテン語版]
ベイコンの『学問の進歩』(1605)ですが、もとは英語で出版されています。しかし、1623年に大幅な拡張を施した上でラテン語で出版されます。タイトルも微妙に変化して、『学問の尊厳と進歩』(1623)とされます。邦訳は、中央公論世界の名著25は、英語版を訳しています。河出書房の世界の大思想6も、英語版を訳しています。ラテン語版からの邦訳は、どうも存在しないようです。
つらつら、もとの英語版(1605)とラテン語版(1623)を対照させつつ見ていると、ラテン語版の方をきちんとフォローする必要があることがわかってきました。
そもそも量が倍に膨れあがっているということは、量的に言えば元の英語版に新しい本が一冊付加されたに等しい。しかも、構成が明確になっています。坂本賢三氏の表現を借りれば、もとの英語版は「書き流しで章別がない」のに対して、ラテン語版は「章立ても整えられ内容も豊富になっていて、独立の書物と見た方がよい。」ラテン語版の方は、9巻、構成です。具体的には、第2巻:13章、第3巻:6章、第4巻:3章、第5巻:5章、第6巻:4章、第7巻:3章、第8巻:第3章、第9巻:1章、という形です。けっこう不揃いです。結論的に言えば、研究者であれば、ラテン語版の方をきちんとフォローしなければならない、ということになります。(全集のなかに英訳が収められています。)
実は個人的にも、金曜日の発表のあと、受けた質問を考えているうちに、やはりラテン語版の方をきちんとフォローする必要がある、ということが見えてきました。
ベイコンのソース。
ベイコンのソース(ベイコンが読んで、自分の思想形成の下敷きにした書物)についても、予見を形成しておきましょう。
『自然誌・実験誌』の序文に名前が列挙されています。古代では、ピュタゴラス、ピロラオス、クセノパネス、ヘラクレイトス、エンペドクレス、パルメニデス、アナクサゴラス、レオキッポス、デモクロトス、プラトン、アリストテレス、テオフラストス、ゼノン の名前を挙げています。(pp.2-3)。近代、すなわち、ルネッサンスでは、パトリッチ、テレジオ、ブルーノ、セヴェリヌス、ギルバート、カンパネッラの名前を挙げています。(p.4) この6者に関しては、しっかりと調べてみる価値があります。
ひとりで5時。やはりすずしい。→時間が経つにつれて、気温が上がってきました。真夏というほどではありませんが、暑くなりました。さて、昨日の駒場の発表が終わったので、今学期残るは、6月25日から3回続くリレー講義の授業と、委員会の仕事です。会議を開いた上で、教授会で決済する書類を作成しないといけません。感じとしては、休むいとまもなく、そちらにかかる、といった状況です。
[Bacon Today:訂正]
昨日の発表に関して、今朝気付いた訂正を記しておきます。レジメの最初のページに、ベイコンは管見の範囲では「仮説」という言葉を使っていないようだと記しましたが、使っていました。ただし、限定された使用だとは言えると思います。
最も使用が目立つのは、「天の理論 Thema Coeli」です。基本的に天文学者の理論を「仮説」と呼んでいます。
Works, Vol.4, pp.776, 778, 779
Works, Vol.5, pp. 557 et al. (in English Translation)"Descrptio Globi Intelectualis" でも使っています。
Works, Vol. 4, p.748ラテン語版『学問の進歩』(『学問の尊厳と進歩』第3巻第4章)でも「天文学の仮説」というフレイズで使っています。
Works, Vol.1, p.348
Works, Vol.4, p.552
ひとりで5時10分。まだすずしい。3限に駒場の授業。私が話します。テーマは、「ベイコンを読むボイル:ロバート・ボイルのベイコン主義」。関心のある方は、飛び込みで聞きに来てもらってかまいません。
[重い]
2年生のちいさいちびがときにとても疲れています。昨夜も、8時過ぎてから、疲れた顔と行動をしていました。そういうときにはおとなしく早めに寝てくれればよいのですが、そういうときには言うことを聞いてはくれません。8時40分ぐらいからソファーに横になってテレビを見ていたのですが、そろそろ寝させないとと思い、見ると、そのままの格好で寝入っています。おねえちゃんには自分で寝る準備をさせてから、えいやと、抱っこして、ちびどもの部屋に連れていきました。おもい!5月末あたりから、実は、こういうことが続いています。たぶん、これが3度目か4度目。4年生のおおきいちびはさすがにこういうことはありません。あったとして、抱っこして運ぶのはもう無理です。
ちいさいちびに関しても、来年はもう無理だと予想されます。
ちなみに、新幼稚園児は、最近リズムがだいたい固まってきました。7時から8時の間に自分でもうねると言って、寝室に向かいます。そして、8時前にはだいたい寝入ります。起きてくるのは、6時過ぎ。幼稚園児にはちょうどよいリズムです。
ひとりで5時5分前。すずしい。3限、4限、5限の授業。
大学に次の本が届いていました。ご高配いただいた大野誠さん、ありがとうございます。
大野誠編
『近代イギリスと公共圏』
昭和堂、2009また、卒業生の赤塚氏の御尽力で、韓錫政氏の韓国語の著作をゲットすることができました。ご尽力に感謝します。なお、上記のワールドキャットのサイトでは、著者の表記は、Sok-chong Han です。ウェブで検索をかけると、"HAN Riktyon" と表記と"ハン サクジュン" の両方の表記があります。いずれ韓国語に詳しい方に、この辺りの事情を聞いてみます。
生協で次の本を購入しました。
子安宣邦
『「近代の超克」とは何か』
青土社、2008
ひとりで5時。すずしい。[Bacon Today: Bushell]
金曜日の授業の用意をしています。落ちている箇所はいっぱいありますが、一応幹の部分は出来たと思います。後は、時間が許す範囲で、詰められる箇所は詰めておくことです。作業の途中で、不思議な人物に遭遇しました。トーマス・ブッシェル(Thomas Bushell, 1594-1674) という人物です。ベイコンの弟子で、ベイコン失墜後、しばらくしてからウエールズの王立鉱山のマスター(監督?)に任命され、貨幣鋳造所の設立を認められています。
ハートリッブ・サークルで、有名なブッシェルが話題になっていました。ハートリッブは直接会ってもいます。
話題になっていた書物、An Extract of his late Abridgement of the Lord Chancellor Bacon's Philosophical Theory on Mineral Prosecutions(London, 1660)をイーボよりダウンロードして、見てみました。
ブッシェルのいろんな書き物を集めた本でした。 表題の書き物の他に、Testimony of the Miners of Mendyp; Charles I. ; Letter of Invitation ; Certificate from Miners, late of the Mine Royal; Cardigan Judged; the Miner's Contemplative Prayer in his Solitary Delves; An Abridgement of my Lord Bacon's Atalantis ; the Hermit's Speech, in verse; Hermit's Contemplations upon the Rock, in verse, Mr. Bushell Presenting the Rock by an Echo to the Queen; Sonnet sung to the King and Queen, etc. を含みます。ベイコンの『ニューアトランティス』の抄録というは、たった8頁にまとめられています。その次のページには、ブッシェル氏の金メダルの刻印の図が載っています。表にはベイコンの肖像。Bushell, Thomas
An Extract of his late Abridgement of the Lord Chancellor Bacon's Philosophical Theory on Mineral Prosecutions
London, 1660Bushell, Thomas
Mr. Bushell's Minerall Overtures
London, 1659Bushell, Thomas
A Table setting forth the The Maner of that great Philosopher the Lord Chancelor Bacons Searching for Mettals by making Addits through the lowest Level of Hills or Mountains, and conveyning Aire into the innermost parts of their Center by Pipe and Bellows, etc.
London, 16562番目のものは、7頁のパンフレットです。3番目は、1枚の紙です。
ひとりで4時55分。雨はとりあえず上がっていますが、雲のたちこめる空。空気もひんやりしています。昼間、雨は一応上がっていました。4時過ぎに雷が遠くで鳴り、その後弱い雨が降り始めました。
ちびどもが出た後、新幼稚園児が出る前という早い時間に、次の本が biblio.com から届きました。
MANZO, SILVIA
ENTRE EL ATOMISMO Y LA ALQUIMIA. LA TEORIA DE LA MATERIA DE FRANCIS BACON
Buenos Aires, 2006
なんと言っても出版地がブエノスアイレスの本なんて、入手するのははじめてです。しかもスペイン語。今週の金曜日の授業ですが、なんと予想外のことに、非常に古典的な「仮説」の問題に遭遇してしまいました。理論の理論、理論の認識論的位置付けの問題です。解決済みかと思っていましたが、どうもそういうわけではないかもしれません。
初期ボイルの草稿に、「よい仮説の要件」というのがあります。ずいぶん昔にウェストフォールが活字化しています(Westfall, "Unpublished Boyle papers relating to scientific method," Annals of Science, 12(1956): 63-73, 103-17 on 111-7)。短いものなので、丸々引用してみます。The Requisites of a good Hypothesis are:
That It be Intelligible.
That It neither Assume nor Suppose anything Impossible, unintelligible, or demonstrably False.
That It be consistent with Itself.
That It be lit and sufficient to Explicate the Phaenomena, especially the chief.
That It be, at least, consistent, with the rest of the Phaenomena It particularly relates to, and do not contradict any other known Phaenomena of nature, or manifest Physical Truth.
The Qualities and Conditions of an Excellent Hypothesis are:
That It be not Precarious, but have sufficient Grounds In the nature of the Thing Itself or at least be well recommended by some Auxiliary Proofs.
That It be the Simplest of all the good ones we are able to frame, at least containing nothing that is superfluous or Impertinent.
That It be the only Hypothesis that can Explicate the Phaenomena; or at least, that do's Explicate them so well.
That it enable a skilful Naturailst to foretell future Phaenomena by the Congruity or Incongruity to it; and especially the event of such Experlm'ts as are aptly devis'd to examine It, as Things that ought, or ought not, to be consequent to It.ウェストフォールの推定では、1653年の執筆です。短いものなので、いろんな論集に採録されています。たぶん、院生時代に全訳を作成しています。(全訳というほどの長さでもないのですが・・・。)
1)理解できること.
2)不可能なこと、理解できないこと、あるいは明らかに誤りであることを主張もせず前提もしていないこと.
3)それ自身首尾一貫していること.
4)現象、とくに中心的現象を説明するのに十分であること.
5)それが特に関連している他の現象とすくなくとも合致すること、そして、他の既知の自然現象や明白な自然学の真理と矛盾しないこと.
すぐれた仮説の性質と条件
1)根拠の不確かなものではなく、事物そのものの本性に十分な根拠を有すること、あるいは少なくとも何からの補助的証明により十分推奨されること
2)我々が形成しうるよい仮説のなかでもっとも単純なものであること、すくなくとも余計なものや不適切なものをひとつも含まないこと
3)当該の現象を説明しうる唯一の仮説であること、あるいはすくなくとも非常によく説明しうること
4)有能は自然学者であれば、その仮説に対する一致度、不一致度によって未来の現象を予知しうるようになること、とくにその仮説の結果として生じること、生じないことなど、それを検査するために考案された実験の結果を予知しうること
1653年という執筆年代推定が正しければ、ボイルが科学者になってまだ4年目の草稿です。何かもととなったものがあるはずです。今回突き止めることができるかどうかはわかりませんが、そもそも科学理論が仮説である、仮説でしかあり得ないという見方をボイルは誰から引き継いだのでしょうか? ベイコンではありえません。ともあれ、先行研究をもう一度見直してみる必要があります。
個人的な見通しとしては、17世紀中葉の後に学会(王立協会とフランスの王立科学アカデミー)設立に繋がった科学者グループではないかと思っています。
ひとりで5時15分。昨日夜になって強く降り始めた雨ですが、一応止んでいます。しかし、晴れたわけではなく、こうしたどんよりした天候がしばらく続くようです。2限、3限、4限の授業。
昨日と同様に夜になってから強い雨が降り始めました。夜降ってくれた方がもちろんありがたい。ちびどもの小学校では、水泳が始まっていますが、しばらくは泳げる天候にはならないようです。子どもたちは残念かもしれませんが、親の立場からすれば、その方がありがたい。水泳は、7月に入ってからで十分な気がします。
ひとりで4時5分。鳥たちがにぎやかに鳴いています。まさに薄明。午前中は家族総出で掃除。ちびどもには自分たちの部屋の片づけと掃除をさせました。新幼稚園児は、3人のなかでは一番片づけや掃除が好きな模様。長くはやりませんが、喜んで雑巾掛けをやっていました。
掃除が終了後、妻が子どもたちを井の頭公園に連れていってくれました。私はその間、金曜日の授業の準備に時間を割くことができました。ボイルがオルデンバーグに宛てて書いた1666年の手紙が全文訳出する価値があると判断し、訳出に専念しました。不明な個所が何カ所か残りました。ボイルの時代にはまだ正書法が確立していません。amis →amiss ぐらいは問題ないのですが、すぐには推測のつかない単語にもときに遭遇します。 たとえば、"statera" →ラテン語の辞書を引き、天秤であることが判明しました。この時代の英語を読むためには、ラテン語の辞書も欠かせません。
ひとりで5時15分。疲れのせいで、昨夜、ちびどもよりも先に就寝したせいです。新幼稚園児の参観日。月曜日は振替休日となります。
ちびどもはピアノがあるので、ピアノが終わってから参観に向かうこととなります。妻は、お弁当を食べるところまで見てから、連れ帰ります。→ちびどもをピアノの練習から連れ帰ってから、幼稚園に向かいました。ちびどもは久しぶりの幼稚園です。お母さんお父さんが大勢来ていました。ちびどもは新幼稚園児の近くで10分ほどいてから、隣の準備室(父兄待機室)に戻り、黒板にお絵かきをして遊び始めました。私は20分ほどで退散するつもりだったのですが、ちびどもがいるというので、12時近くまで滞在し、それから昼食を取るために駅に向かいました。天丼屋にしました。
その後、二人ともお友達の誕生日のプレゼントを買うんだというので、吉祥寺のユザワヤまで。ママに、ひとり6百円と言われています。キャラクター付きの文具や小物のコーナーでずいぶん悩んでいました。ちいさいちびは自分のものであれば、1分で決めるタイプだったのですが、今回は、いつもまったく決まらずにはやく決めろと言われ続けてきたおおきいちびより悩んでいました。悩み始めた大いなる原因は、余ったお金で自分のものを買ってもよいと気付いたからです。それで悩みのランクが一段アップしました。
レジに並ばせているときに、ママからおおきいちびの携帯に電話。新幼稚園児も行きたいと言っているそうです。諦めて、電車に乗せることとしました。改札のところで落ちあい、相談の結果、東急に向かうこととしました。昼食を食べていない妻がお弁当を食べているあいだ、うまくつないで、そのままバスで帰ると新幼稚園児も納得するのではないかと考えたのです。うまい具合に、東急の地下1階に休憩所があり、お弁当を食べることができます。すぐわきにアイスクリーム屋さんがあり、子どもたちはアイスクリーム、妻は弁当を食べました。
新幼稚園児に帰ると言うと嫌だと答えます。乗り物は好きなので、バスに乗ろうとだけ言ってバスに乗り込みました。幼稚園に自転車を残しています。バス停で降りてから、私がひとりで自転車を取りに行き、残り4人は角のところで待つこととなりました。新幼稚園児は、公園に行くと言っていますが、ともかく一度おうちに連れ帰ることとしました。喉が渇いていて、お茶なら飲むであろうという予測によります。案の定、玄関のところでお茶を飲むところまではOKさせました。
遅れてちびどもが帰ってきて、いっしょに居間に入りました。休めるかと思い、ソファでうとうとしていると、やっぱり公園に行く、パパと二人で行くと言います。仕方ありません。もしかしたら自転車の後ろで昼寝するかと思い、ちょっと遠くまで行くこととしました。遠回りをして、原っぱ公園へ。何と、元気。しばらく原っぱ公園をうろうろしました。遊具のあるところに、子どもたちがいっぱいいます。勝手に交じってしばらく遊んでから、帰る、と自分から言います。助かる、と思いきや、おむすびを食べると言うので、一番近いコンビニに入りました。おむすびひとつ、ジュース1本、おやつ一袋を買いました。ほんとうにお腹が空いていたようです。おむすびはほぼ1個食べきりました。おやつは家に帰ってからおねえちゃんたちといっしょに食べると言います。
元気なまま、帰宅。夕食もお代わりをするほどよく食べました。このまま、ご飯をよく食べるようになってくれると親としてはありがたい。今でもミルクはずいぶん飲みます。ミルクは買いだしだけでもけっこうな労働になります。
新幼稚園児が起きて、5時45分。残り全員が目覚めました。快晴。どうも今日だけ快晴ということのようです。[Bacon Today]
3限の駒場の授業では、Kn君に「テレジオとベイコン」ということで発表をしてもらいました。さすが、Kn君です。欧米のベイコン研究でも(管見では)まったく触れられていないベイコンのある側面に光を当ててくれました。ベイコンの思考の特質、ベイコン思想の特異性が浮き彫りになってきたと思います。私にとっても、意外でした。ベイコンは、なるほど、両面において半パラケルスス派です。来週は、私が「ベイコンを読むボイル」でお話をします。さて、どこまで準備ができるでしょうか?
ひとりで6時過ぎ。夜降っていた雨は、ほぼ上がっています。昨夜の天気予報では、通勤通学時に強く降るということでしたが、予報よりもはやく雲が動いたのでしょう。
と思ったら、雨はすぐに降り始めました。一時止んでいただけでした。
新幼稚園児を送っていった妻が帰宅する頃にはほぼ止んでいました。お昼には完全に上がりそうです。月曜日に生じた事件の余波が続いています。もうしばらく、ほとんど余裕がありません。
3限、4限、5限の授業。
帰宅すると、次の2冊が届いていました。
李 彩華・鈴木正
『アジアと日本:平和思想としてのアジア主義』
農文協、2007Sven Saaler and J. Victor Koschmann, eds.,
Pan-asianism in Modern Japanese History: Colonialism, Regionalism and Borders
Routledge, 2007
かぞくそろって6時前。6時前ならOKです。5時前は早すぎます。曇り。気象庁はそろそろ梅雨入りを発表するということですが、まだ雨は降っていません。朝の間に、7月3日〜5日と大阪大学で行われる化学史学会年会に参加するため、新幹線と宿の予約をすませました。ともにネット。新幹線は、カードをタッチするだけで終わりのようです。宿は、大阪から一駅という場所を選びました。
会議の日。とりあえず、判明している範囲で4つあります。最初は12時20分。
→最初の会議は、私が司会役。30分で終わらせました。
大学院企画運営室会議:1時〜2時
学部教授会:2時50分〜3時50分
研究院教授会:4時〜6時半
会議が長引き、疲れました。[Bacon Today]
Several Editions of Francis Bacon's Historia naturalis et experimentalis ad condendam philosophiam (1622) before 1670
Bacon, Francis
Historia naturalis et experimentalis ad condendam philosophiam: siue, phaenomena uniuersi
Londini : In Officina Io. Haviland, 1622.Bacon, Francis
Operum moralium et civilium tomus
Londini : Excusum typis Edwardi Griffini [, John Haviland, Bernard Norton, and John Bill]; prostant ad Insignia Regia in Coemeterio D. Pauli, apud Richardum Whitakerum [and John Norton], 1638.Bacon, Francis
Historia naturalis & experimentalis de ventis.
Lugd. Bat. 1648Bacon, Francis
Historia naturalis & experimentalis de ventis.
Amst. 1662
Several Editions of Francis Bacon's Novum Organum (1620) before 1670
Bacon, Francis
Instauratio magna
Londini : Apud [Bonham Norton and] Ioannem Billium typographum regium, Anno 1620.Bacon, Francis
Historia naturalis et experimentalis de ventis, etc.
(Historia naturalis et experimentalis de forma calidi.-De motus, sive virtutis activae variis speciebus. [Both extracted from book 2 of the “Novum Organum.”]
Lugd. Batav. : Apud Franciscos Hegerum et Hackium, 1638, 1648Bacon, Francis
Novum organum scientiarum
Lugd. Bat= Leiden. : Apud Adrianum Wijngaerde et Franciscum Moiardum, 1645.Bacon, Francis
Novum organum scientiarum
Leiden, 1650.Bacon, Francis
Novum organum scientiarum
2nd edition, Amsterdam, 1660
Several Editions of Francis Bacon's Advancement of learning (1605) before 1670
Bacon, Francis
Advancement of learning
London, 1605Bacon, Francis
De dignitate & augmentis sceintiarum
London, 1623Bacon, Francis
The two bookes of Sr. Francis Bacon. Of the proficience and aduancement of learning, diuine and humane
London, 1629Bacon, Francis
The two bookes of Sr Francis Bacon, of the proficience and advancement of learning, divine and humane
Oxford, 1633Bacon, Francis
Instaur[ationis] mag[nae] p[ars] I. Of the advancement and proficience of learning of the partitions of sciences, IX bookes. Written in Latin ,Interpreted by Gilbert Wats.
Oxford : printed by Leon: Lichfield, for Rob: Young & Ed: Forrest, 1640.Bacon, Francis
De augmentis scientiarum lib. IX.
Amstelaedami : Sumptibus Joannis Ravelsteinij, 1662.
Several Editions of Francis Bacon's Sylva Sylvarum (1627) before 1670
Bacon, Francis
Sylua syluarum: or A naturall historie
1st edition, London, 1627Bacon, Francis
Sylua syluarum: or A naturall historie
2nd edition, 1628 [i.e. 1629]Bacon, Francis
New Atlantis : A VVorke unfinished.
3rd edition, London, 1631Bacon, Francis
Sylua syluarum: or, A naturall historie
4th edition, London, 1635Bacon, Francis
Sylua syluarum: or, A naturall historie
5th edition, 1639Bacon, Francis
Sylva sylvarum (New Atlantis) ... : Whereunto is newly added the History Naturall and Experimentall of Life and Death ..
6th edition, 1651Bacon, Francis
Sylva sylvarum (New Atlantis) ... Whereunto is newly added the History Naturall and Experimentall of Life and Death ...
7th edition, 1658Bacon, Francis
Sylva sylvarum (New Atlantis) ... Whereunto is newly added the History Naturall and Experimentall of Life and Death ...
8th edition, 1664Bacon, Francis
Sylva sylvarum (New Atlantis) ... Whereunto is newly added the History Naturall and Experimentall of Life and Death ...
9th and the last edition, 1670Bacon, Francis
Sylva Sylvarum, nive : Historia Naturalis in decem Centurias distributa, Anglice olim conscripta. In which is added: An Epitomy of another peice of his Lordship's Works entitled Novum Organum : (being translated for the clearer understanding of this his Natural History) never before published in English
10th edition, 1676
ひとりで5時5分前。梅雨入り前のせいでしょう、涼しい。朝の1限に、リレー講義の1回だけの講義。今回は、すこしですが、「天然の美」に触れます。
→ちいさいちびが出かけたあと、家を出ました。新幼稚園児もいっしょに行くと言いましたが、うまくごまかしてもらい、でかけることができました。8時半武蔵境発の電車に間に合いました。けっこう学生達が乗っています。部屋には5分前に入って、いろいろ準備をしていると、ちょうど9時になりました。関心をもってくれた学生もいたようです。そのままとって返しました。セイユウでお弁当を買ってから帰宅。妻は、一生懸命、掃除と洗濯をしていました。
昼食後休んでいると、『化学史研究』の最新号が届きました。編集委員会保持用のものです。目次は次です。
『化学史研究』第36巻第2号(2009)目次 [解説]島原健三「元素発見年表に見られる不一致とその原因(上)」第36巻(2009): 61-76
[広場]大西寛「小川のトリアニト中のニッポニウム発見に関する一考察」第36巻(2009): 77-78
[紹介]内田正夫「アントニオ・ネリ『ラルテ・ヴェトラリア:17 世紀初頭のガラス製造術』」第36巻(2009): 79-80
[紹介]坂本邦暢「N. Siraisi, History, Medicine and the Tradition of Renaissance Learning」第36巻(2009): 80-82
[紹介]渡辺慶昭「 Arthur Travis, "Mauve and Its Anniversaries," Bull.Hist.Chem.」第36巻(2009): 82-83
[紹介]山口真「『化学者たちの感動の瞬間』 」第36巻(2009): 83-85
[紹介]梶雅範「落合洋文『実験室の幸福論 悩み多き大学院生への助言』」第36巻(2009): 85-86
[紹介]古谷伸太郎「中島秀人『日本の科学/技術はどこへいくのか』」第36巻(2009): 86-88
[紹介]園部利彦「馬路泰蔵・馬路明子『床下から見た白川郷 焔硝生産と食文化から』」第36巻(2009): 60
[紹介]猪野修治「『産学連携の祖 浅田常三郎評伝』」第36巻(2009): 88-89
[紹介]山田俊弘「金凡性『明治・大正の日本の地震学―「ローカル・サイエンス」を超えて』」第36巻(2009): 90-93
[紹介]渡辺慶昭「Arthur Greenberg, From Alchemy to Chemistry in Picture and Story」第36巻(2009): 93
[雑報]渡辺慶昭「第236回アメリカ化学会年会史部門の動向」第36巻(2009): 94-96
[年会特集]第36巻(2009): 97-119
雑誌に付随して仕事が発生します。私のところから、献本をしてもらった出版社に雑誌を送る作業と、年会準備委員会に必要冊数を送る仕事が必要になります。妻が新幼稚園児を迎えに行っている間に、処理しました。
昨日昼寝のままずっと寝てしまった新幼稚園児が起きて、4時半。早すぎます。曇り。もうすぐ梅雨入りです。たぶん。2限、3限、4限の授業。
ある事件が発生して、てんやわんや。
やはり新幼稚園児が起きて、5時前後。私は、ワールドカップ予選を見たあと、すこし仕事をしていたので、6時過ぎ。風邪がすっかりよくなった新幼稚園児は、元気いっぱいです。
昨日お昼寝から(一度目覚めてぐずりましたが結局)そのまま寝続けた新幼稚園児が5時前に起きました。私は、5時過ぎに起こされました。雨。明日には止むそうですが、典型的な走り梅雨かと思います。
家族の体調もあり、今日はお休みの日とします。子どもたちがゆっくりと休んでくれればよいのですが。子どもたちはだいたい回復しました。とくに新幼稚園児はよく寝たせいもあり、元気。おおきいちびは鼻づまりが残っています。ちいさいちびは咳が残っています。私にはひどり肩凝り&背中凝り。そして、妻は、風邪でダウン。昨日から風邪の顔になっていました。これで、新幼稚園児の機嫌が悪いと最悪ですが、うまいぐあいに元気になって機嫌はよい。まあ、なんとかなるでしょう。
新幼稚園児は夜中に何度も咳をして目覚めました。ちいさいちびの風邪をもらったようです。5時。
新幼稚園児だけではなく、家族全員が風邪をもらったようです。おおきいちびも妻も咳をしています。私は、咳はほとんどありませんが、頭痛。仕事ができないほどではありませんが、いくらか支障はあります。
→今日休むといろいろ支障が出てくるので、全員出動しました。私もたまっていた仕事を全部ではありませんが、8割方は処理しました。処理し終わったころには、頭痛はほぼ消えていました。これで午後の駒場の授業にはふだん通りに行けます。
新幼稚園児に起こされて、5時半。昨夜いつもより遅かったので、まだ眠い。曇り。しばらく曇りが続く模様。3限、4限、5限の授業。
昨日昼寝のままずっと寝てしまった新幼稚園児は、5時頃。私は、5時半。新幼稚園児は頑張りすぎて疲れたようです。会議の日ですが、まだ本日開催の会議の通知がありません。ありがたい。自分の仕事をできるだけ進めておこうと思います。来週から忙しくなります。
[本日のGbook]
Gassendi, Pierre
Epistolica exercitatio
Paris, 1630Gassendi, Pierre
De vita et moribvs Epicvri libri octo
Lyon, 1647Gassendi, Pierre
Exercitationes paradoxicae adversus Aristoteleos
1649Gassendi, Pierre
Opera Omnia
Lyon, 1658Gassendi, Pierre
Viri illustris Nicolai Claudii Fabricii de Peiresc...Vita
1655Gassendi, Pierre
Abregé de la philosophie de Gassendi
1684Sprat, Thomas
The History of the Royal Society of London
London, 1722Sprat, Thomas
The History of the Royal Society of London
London, 1734
新幼稚園児、おおきいちびに続き、6時10分。ちいさいちびは再び熱。37度6分まで上がったということです。快晴。
→割とすぐに熱は下がりました。咳が残っています。妻は、PTAの仕事で出かけたままです。ひとりで、マンガを読んだり、ゲームをしたり、横になったり、お絵かきをしたり。[本日のベイコン]
机に座って、本棚を見回していると、ロッシの『魔術から科学へ』(サイマル出版、1970)が目にとまりました。引っ張りだして、ざっと見てみました。丁寧に書き込みがしています。書き込みを中心にいくらか読みました。
もとのタイトルは、Francesco Bacone: Dalla magia alla scienzaです。邦訳で、ベイコンの名前が落とされたのは、今の観点からすれば、かなり残念です。
部分的にですが、読み直してみて、ベイコンについて日本語で1冊をということであれば、今でも、これを挙げるべきだと言う確信を得ました。それだけレベルの高い記述となっています。原著は1957年です。その後、数多くのベイコン研究が出現しましたが、レベル的にはむしろ退化したものが多いといわざるを得ません。ベイコンならば、まずはロッシ、です。今回の発表では、ボイルがベイコンを利用する初期の例をすべて明らかにしたいと思っています。新しいボイル著作集の編者は、『空気のバネ』(1660)(NewRBW,1,p.285)でボイルが高地の冷に触れる部分で、この話はアリストテレスの『気象論』に由来するが、ここは明らかに(evidently)フランシス・ベイコンの『ノーヴム・オルガヌム』のiv. 12 part 2を通してボイルはこの話を知ったであろう、と記しています。
本文は、次です。
「アリストテレスに基づき、高山について語るあるものは、オリンポス山の山頂に登る者は、湿った海綿を持参しないと生き続けることができない、湿った海綿のおかげで呼吸には薄すぎる空気のなかで呼吸を確保することができる、と伝えている。」
だいたい、『ノーヴム・オルガヌム』iv. 12 part 2という表記がわからないのですが、これは第2巻の12節であることを見つけました。最初の4はわかりません。(ベイコン全集では、第1巻pp.239-240、邦訳では305頁)。
この編者の注記を読んだ最初、私は、編者が無根拠に「明らかにベイコンによって」と記していると判断しました。直前にアコスタからの引用があり、やはり高山での呼吸の話を引用しています。アコスタは、基本的にアリストテレスを参照していますから、ここもアコスタからの可能性の方が高いと考えたのです。
しかし、ボイルの引用するアコスタの周辺にオリンポスのことは出てきません。
もう一度ボイルの引用する前後を読み直してみました。ボイルは、すこし後に、「前と同じ著者は、アリストテレスに基づいて、オリンポス山の頂上では、空気の動きがまったくなく、埃に記した文字が何年間も崩れることなく読めるまま残ると伝えている。」と記しています。ベイコンの記述は次です。
「なお、むかしの人びとによって確認されたところによると、オリンポスの山頂では、空気がきわめて稀薄であるため、そこに登る人びとは、酢と水にひたした海綿を携帯して、ときどきそれを口や鼻にあてなければならなかったのであって、それというのは、空気が稀薄で、呼吸をつづけるのに足りなかったからである。また、その山頂では、空気が非常に静穏で、雨も雪も風もないので、そこでいけにえを捧げた人びとは、ユピテルの祭壇のうえでいけにえの灰に指で書いた文字が、翌年までそのまま乱されずに残っているのを認めたほどだと語られている。そして、こんにちではも、テネリッフの絶頂に登る人ぼとは、昼間にではなく夜間に登高するのであって、日の出の直後には、いそいで下山するように、案内人から警告されせきたてられる。(思うに)空気が稀薄なために、息が切れて窒息するおそれがあるからである。」
少し違う文脈ですが、テネリッフの話は、オリンポスの山頂の空気の稀薄さと灰のなかの文字の間で言及されています。これだけ材料が揃うと、確かに、ボイルはこの話をベイコンから知ったと言える可能性を高く評価してよい。しかし、問題は2点残ります。ひとつは、ベイコンがこの箇所ではアリストテレスの名前をまったく挙げていないということです。「むかしの人びと」としか言っていません。第2点、そうであれば、どうしてボイルはそもそもベイコンの名前を挙げずに、「アリストテレスに基づき、高山について語るあるもの」なんていうもってまわった表現を取ったのか、という点です。
ここでボイルがベイコンではなく、別の著者によった可能性を考えておく必要が残ります。つまり、確率は高いが、確定はできない、と結論づける必要があるでしょう。
なお、脱線ですが、新しいボイル著作集の編者のひとりは、ベイコンにかなり精通しているようです。ボイルがベイコンのベの字も挙げていない箇所にも、ここはベイコンのどこどこによるであろうという推測を書き記してくれています。これは、あたっていてもあたっていなくても、私のような研究をしていると大変に助かります。ともあれ、確認してみる価値があり、その確認作業のあいだに新しく見えてくることがあるからです。
[本日のGbook]
Seneca, Lucius Annaeus
Seneca opera omnia
Amsterdam, 1672Riccioli, Giovanni Battista (1598 - 1671)
Almagestum novum astronomiam veterem novamque complectens observationibus aliorum, et propriis novisque theorematibus, problematibus, ac tabulis promotam, in tres tomos distributam
Bologna, 1651
GALLICARiccioli, Giovanni Battista (1598 - 1671)
Astronomiae reformatae tomi duo
Bologna, 1655
GALLICA
ひとりで5時5分。おお、もう6月です。ちいさいちびは休ませました。熱は下がってきましたが、咳がひどくなっています。苦しそうに咳をします。様子を見て、明日は行かせるつもりです。
2限、3限、4限の授業。
2限の「科学技術と社会」では、炭疽菌の話をしました。実は、2001年の炭疽菌テロは去年幕が引かれています。容疑者とされた陸軍感染症医学研究所の炭疽菌専門家ブルース・アイバンス博士が2008年7月29日に自殺してしまったからです。そのときの新聞は、「炭疽菌 謎残る幕引き」とタイトルを打っています。まさに。状況証拠だけ、動機も不明のままの幕引きです。帰宅すると著者の武田裕紀(たけだ・ひろき)氏より次の本が届いていました。武田さん、ご高配、ありがとうございます。
武田裕紀
『デカルトの運動論:数学・自然学・形而上学』
昭和堂、2009武田さんの博士論文 Du mouvement dans la physique cartésienne, 2000 の日本語化ですが、2009年版にアップデートされたとあります。
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