ひとりで7時半。昨夜はちびが大暴れ。鼻がつまってよくねむれなかったせいです。午前1時に大泣きしたときには、私が抱っこして、居間で少し遊んでやりました。気分が落ち着くと寝ましたが、その後も何度か大泣き。→妻の説明によると、おねえちゃんの風邪がうつったということです。おねえちゃんは、一昨日あたりに、体が冷えて、鼻水を出すようになっていました。[ワークショップ作業の継続]
昨日、研究室より持ち帰った本は次の4冊です。
Roy Porter,
Disease,Medicine and Society in England 1550-1860,
The Economic History Society,1987.
Stephen Hales,
Vetetable Staticks,
London:MacDonald,1961(1727)
Massimo Luigi Bianchi,
Signatura Rerum:segni magia e conoscenza da Paracelso A Leibniz,
Edizioni dell'Ateneo,Roma,1987
Peter Morys,
Medizin und Pharmazie in der Kosmologie Leonnard Thurneissers zum Thurn(1531-1596),
Husum,Mathiesen,1982
今年の試験結果の講評の続き
総合科目III「科学技術と社会」
90点以上:西方麻衣子、東内岳裕、鈴木崇之、一橋直樹、山谷直詩、金谷梓、佐々木幹人、塚田真裕、
ちいさいちびといっしょに、7時。よく晴れて強い風が吹いています。→とうとう来ました、花粉症。今年は、あらかじめ、医者にかかって予防しようと思っていたのですが、間に合わず、先に花粉が来ました。昨夜の夕食会で、ごくわずかですが、アルコールを摂取したため、午前2時に目が覚めて、コンピュータに向かっています。昨日は、1年生から3年生の成績表をすべて提出してきました。本日3時から予定している卒論発表会を行えば、それで、平成14年度の授業関係の仕事は終わりということになります。→卒論発表会は、3時から。たぶん、夕方までとなるでしょう。→6時半ぐらいに終了。その後、打ち上げコンパ。お酒を飲まなかった人の方が多かったので、食事会でしょうか。吉祥寺のベトナム料理屋に行きました。すごく寒い風が吹いて、みんな震えていました。
一昨日、同僚の先生と雑談をしていて、給料はいつから減ったのかという話題になりました。もちろん、1月から減っていますが、そのときは正確な数字を言うことができませんでした。ということで、ネットで調べてみると、行政職で平均2.03%(月額7770円)、期末・勤勉手当の0.05月分減額を合わせて、1年では2.3%の減となるとありました。1948年にはじまった人事院勧告史上はじめての月額の基本給(俸給表)の引き下げ、とあります。デフレスパイラルへの決定的あとおし、になる可能性が大と言えるでしょう。
[ワークショップ作業の継続]
昨日、研究室より持ち帰った本は次の2冊です。
*Wolf-Dieter Mueller-Jahnke,
Astrologisch-Magische Theorie und Praxis in der Heilkunde der Fruehen Neuzeit,
Stuttgart:Franz Steiner,1985
*Vittorio Gabrielli,
Sir kenelm Digby,
Roma, 1957
今年の試験結果の講評を開始します。
科学思想史(講義)から。
100点:宮崎里紗(F3);岩崎正太(Cz3);荒井尚彦(T3);
90点以上:宮崎彩子 (S4);大山美樹(R4);袴田祐介(93,Cz4);高木振一郎(93,L4)
加藤厚(92,E3);櫻田祐子(F2);鎌田瑞穂(93;I2);
栗田紅(93,R3);高橋敬明(92,C3);栗山恩(A3);三原飛雄馬(92,Pr3)
85点以上:田代陽子(D3);會田志歩(86,Po2);平林紘明(R3);小峰香織(86,Ph2)
逆井かほり(Ph2);石山倫子(87,U3);関章江(Tr3)
佐々木芙美子(88,D4);志田恭子(88,S4);黒木直人(C4)
伊藤あい(I3);木下祐子(R3)
宮崎里紗(F3):なんと言っても、「万年筆の歴史」というタイトルのレポートが優秀。ワープロで11枚、恐らく400字詰め原稿用紙換算40枚〜50枚の力作です。とてもよく調べていますし、文章もしっかりしています。自由レポートとして文句なし、です。試験解答の「映像の方向性」という文章も、非常に教えられることの多かった優秀な内容です。
岩崎正太(Cz3):自由科目として、ゼミに参加してくれている学生。答案は、シベルブシュ『鉄道旅行の歴史』(法政大学出版局、1982)に基づき、鉄道の出現がもたらした変容について述べています。研究の場合、いかにすぐれた先行研究に出会うかというのが大きなポイントになります。『鉄道旅行の歴史』を選び、しっかり内容を把握した時点で優は約束された、と言えます。自由レポートの「SF的クローン人間について」もよく書けています。
荒井尚彦(T3):答案は、DTM ( Desk Top Music )すなわち、パソコン上での音楽製作について。これはしっかり調べて、きちんと書かれた答案です。自由レポートは、「インターネットの歴史と将来」。今、焦点の問題となっているセキュリテイの問題についてインターネットをフルに活用して、しっかり書かれています。
袴田祐介(Cz4):答案は、映画と写真という映像についての、しっかりとした批評文。我々がとくに写真を考えるときに重要なのは、いかに我々の頭にしみついている「写真がリアルである」という思いこみから抜け出すことができるか、ということですが、このもっとも重要なポイントにおいて、高い批評性に基づくよい文章を書いてくれています。
高木振一郎(L4):答案は、「自動車の発展とその貢献」。その出発点から、現在のハイブリッドカーまでの歴史をしっかりと押さえています。自由レポートは、「ITS技術の発展とプローブカー」。新しい技術を駆使したプローブカー構想について、しっかりと技術的内容をまとめています。
栗山恩(A3):答案は、「イブン・スィーナー」について。イスラム医学の双璧のひとり、イブン・スィーナーの医学について、非常よく調べてきっちりとまとめています。せっかく外語ですから、この種の人物を取り上げたもらえるのがうれしい。心身医学に関する紹介は、とても勉強になりました。
櫻田祐子(F2):答案は、アップルコンピュータとビル・アメリオ。自由レポートは、「映画はいかにして芸術へと変化したのか」。映画興行のはじまりの時期に、どういう映画がどういうふうに放映されたかについて、面白い材料を紹介しています。このレポートの発展性を評価しました。
三原飛雄馬(Pr3):「日本におけるサイバーパンクとは何を意味するか?」というタイトルのもと、1)日本におけるサイバーパンクの影響、2)サイバーパンク運動とサイバーパンクスタイル、3)サイバーパンクスタイルの特徴という3節構成で、びっしり4頁を埋める力作です。日本の状況が、本場アメリカと比べてよくわかります。
加藤厚(E3):近代の視覚文化という設問を選び、1昨年の「9.11事件」を扱っています。映像メディアを通してのみ、戦争や大事件といった事柄を知る、現在のあり方(知のメディア的あり方と呼べよう)について、優れた批判的思考を展開しています。
高橋敬明(C3):中国を2ヶ月にわたり旅行した体験に基づき、中国のさまざまな土地のサウンドスケープについて、述べています。特に、少数民族との交流の部分は印象的でした。
栗田紅(R3):「職人」という立場、そして現代日本での(「職人」と切り離された)「芸術」の必要性について、述べています。栗田氏は、「職人」を「芸術家」と「職工」の中間に位置づけ、これを東洋に特徴的な存在と考えています。この見通しにたって、古くからの問題、art の二重性、つまり技術と芸術の重なりと相克の問題を、よく考えています。
石山倫子(U3):「環境問題と情報技術のかかわりについて」論述しています。たとえば、シリコン半導体の生産が実は非常にエネルギーと水を要するものである点など、情報化がさらなる大きな環境負荷をもたらしていることを拠点にして、環境問題と情報技術の関連について現実の企業の取り組みを含め、考察している。
関章江(Tr3):製茶法について、その出発点からはじめ、その文化史的意義をサーベイしています。よくまとまっています。
會田志歩(Po2):燃料電池について、述べています。アポロ11号が月で使用した電源が燃料電池であったこと、現在のスペースシャトルが使っているのも燃料電池であることをイントロにして、燃料電池の歴史・現状・展望をまとめています。自由レポートは、「バイオテクノロジーと同一化」の問題を扱っています。
志田恭子(S4):今回の試験で、4番目の設問「英語またはその他の外国語による学術書を1冊読み、その書物についてエッセイ・レビューを書き上げなさい。」を選択した学生は2名でした。予想しやすいことですが、この課題にしっかり取り組めば、まず、優は約束されたようなものです。私としては、学部の段階で、こういう作業がみんなできるようになればいいなと思っています。志田さんの取り上げたのは、「アメリカ合衆国におけるプエルトリコ移民のアイデンティテイとその音楽」について書かれた英語の書物です。
佐々木芙美子(D4):設問3「今世紀に活躍した、あるいは今活躍している思想史の研究者のうちから、特に関心を持った人物を1名取り上げ、その人の研究業績を可能な限りリストアップした上で、その人の研究のもつ意味を自由に述べよ。」を選び、丸山真男を取り上げています。この設問もできるだけ多くの学生に選択してもらいたい問題です。こういう作業を一度やってもらえると、大学での学習に見通しパースペクティブが持てるようになります。
黒木直人(C4):「近代の音声文化」の一例として、「ラジオ体操」を取り上げ、考察してます。ラジオ体操は、日本独自のものと思われていますが、その起源を、アメリカ・メトロポリタン社の「ラジオ体操」にもつものであること、日本でラジオ体操がスタートした1920年代は公衆衛生運動の時代であったこと、日本における時間概念の変容にかんけいすること、がしっかりと書かれています。
宮崎彩子 (S4):「電話の成り立ちと、それが人間の思想の与えた影響」というテーマで、電話の起源の問題を扱っています。電話が、1880年代以降、有線ラジオ的に娯楽メディアとして利用されていたこと、またITにおけるグローバリゼーションのはしりと位置づけられること等、電話という技術における、起源の忘却をうまくまとめています。
小峰香織(Ph2):ウォルト・ディズニーを技術者としてとらえ、とくに1964年に開催されたニューヨーク万国博を転回点として、記述しています。
逆井かほり(Ph2):「20世紀に活躍した思想家、マーシャル・マクルーハンについて記述し、彼の研究業績をリストアップし、その意義を述べて」います。
田代陽子(D3):問い4を選択し、村上陽一郎を取り上げています。村上氏の直区をジャンルごとに分類し、その特徴を押さえた上で、とくに聖俗革命論について述べています。ゼミの学生です。このテーマで卒論を執筆予定ということです。 伊藤あい(I3):ジェットコースターの進化について、の楽しい文章です。私のあまり知らない分野ですが、楽しく読みました。
木下祐子(R3):コンスタンチン・メーリンコフというロシアの今ではあまり知られていない建築家を取り上げています。ロシア・アバンギャルドの時代に、いわば一匹狼として活躍した建築家の仕事を紹介しています。
平林紘明(R3):武器の一つとしての「日本刀」の特徴について、歴史を辿り、考察しています。
さすがに少し疲れました。講評は、以上で、400字詰め原稿用紙換算で約9枚に達しています。
ひとりで6時50分。→昨夜のうちに、アクセスカウンターが5万を通過していました。夕方から会議が2つ。
[ちびのことば]
ちいさいちびは、そろそろ1歳と5ヶ月。お姉ちゃんと比べるとゆっくりですが、いろいろ言葉を発しつつあります。一番よく使うのは、「ほしい」「ほしい」です。「ミルクほしい?」とこちらが聞くと、「ほしい」「ほしい」と答えます。それでけではなく、おねえちゃんが使っているものは何でもよいものだと思うようで、それも、「ほしい」「ほしい」と言います。次に多く使うのは、「て」「て」です。どこかに行きたいときに、「手」を引っ張っていけ、という意味です。あるいは、手を下さい、ということでしょうか。あとは、「わん」「わん」。「にゃー」「にゃー」。犬とネコですね。縫いぐるみの中では、「キティ」と「ゾウ」です。「ゾウ」の縫いぐるみが結構お気に入りです。「ババール」も好きで、「ババー」「ババー」ぐらいに発音します。ほかに、「アンパン」。もちろん、「あんぱんまん」のことです。
「あった」はごく初期から使っています。
「おとうさん」「おかあさん」は、我々はほぼわかりますが、発音ははっきりしません。慣れていなければ、どちらを呼んでいるのかわからないと思います。我々にわかるのは、遊ぶときには「おとうさん」、眠いときには「おあかさん」という役割分担があるせいでもあります。例によって、私の方が、やりたいということは割を何でもやらせるので、遊びたいときには「おとうさん」を呼ぶことが多い。そのせいで、電話が壊れつつあります。「0」を押しても、ほとんど反応しません。妻は押し方を見出したようですが、私はまだよくわからず、「0」からはじまる電話はあきらめています。
ビデオも壊しそうな勢いです。ああ、やめてくれー。
話が脱線しました。「ちぇちぇ」もよく使います。わかる方にはわかると思いますが、「おねえちゃん」の意味です。自分が先に目覚め、おねえちゃんがまだ寝ているときには、起きていっしょに遊ぼうという意味で、よく「ちぇちぇ」、「ちぇちぇ」といいます。
おもしろいのは、「よいしょ」。階段を上がるときなど、一歩ごとに「よいしょ」「よいしょ」と言って上がります。実際の発音は、「よいしょ」と「おいちょ」の間ぐらいです。2月の上旬に買ってきた、森岡正博『生命観を問いなおす―エコロジーから脳死まで』(ちくま新書、1994)を昨日から、今日にかけて読了しました。リサイクル文明の逆説の部分は少し甘い(現代システムのシステム性、つまり、システムの外部の不在を具体的につかまえ切れていない)と思いましたが、第5章「専門の囲いの中で―脳死身体の実験利用の現実」、と、第6章「反脳死論を解読する」は、重要です。第5章では、アメリカにおいてすでに1980年代はじめから脳死患者を人体実験に使うことが行われていたという事実が指摘されています。第6章では、梅原猛の反脳死論に対して、分析・批判をくわえています。脳死臓器移植問題に対する日本の国民感情を解釈する上でのポイントとなる箇所は、1988年に朝日新聞が行った世論調査の次の数字です。
脳死を人の死とすることに賛成 43%
脳死を人の死とすることに反対 42%
脳死からの臓器移植に賛成 74%
つまり、脳死を死とすることに反対の人が賛成する人とほぼ同じく4割強いるのに、脳死臓器移植に対しては、反対がたった13%で4分の3の人が賛成しているということです。この数字は、脳死を死とすることに反対だが、脳死からの臓器移植には賛成だという方がかなりいるということを示しています。私も、昨年末より、本格的に脳死臓器移植の問題をリサーチしはじめる前は、ぼんやりとそう考えていたと思います。この考え方は、かなり早い時期から、たとえば中島みちさん(『見えない死』)や生命倫理研究会が出していた考え方だということです。
森岡氏は、梅原氏の反脳死論の、強い反脳死論と、菩薩行という仏教思想による臓器移植賛成の考え方に、内部矛盾を見出しています。
結論部で、森岡氏は次のように述べています。
「現代の危機を生みだしたのは、ほかならぬ私たち自身のなかにひそむ「生命の欲望」なのだ」。・・・その点に目を閉ざしたまま、人間と自然が一体になる思想だとか、生きとし生けるものと共存する哲学などを提唱しても、とても空しい。大学に出る前に駅前の本屋さんで次の本を買いました。
坪田一男『移植医療の最新科学』講談社ブルーバックス、2000
入試の日。一人で6時。昨夜は疲れていつもより早く寝たせいです。お昼までは、入試業務。午後は、会議。→間に少し時間があったので、外大総合文化コース の改訂作業中をほぼ終了することができました。これで、やっと2003年です。
[ワークショップ作業の継続]
大学の研究室に置いてある本と、アパートの本の入れ替えを少しずつ行います。まず、今日は、次の3冊を持って帰りました。
*Hans Kangro,
Joachim Jungius' Experimente und Gedanken zur Begrundungder Chemie als Wissenschaft,
Wiesbaden,1968.
*Joachim Jungius
Praelectiones Physicae
Goettingen, 1982
* Walter Pagel
New Light on William Harvey,
Basel,1976
昨夜はちびがよく寝てくれて、今朝は一人で7時20分。小雨が降っている中、ゴミを3袋出しました。→昨日作成した郵便物を朝一番で出してきました。切手代合計990円。土曜日の持ち帰った宿題をやっと処理しました。ともあれ、ほっとします。
明日は入試。天気は回復するようなので、安心です。
ちびが泣いて5時。昨夜も、抱っこしているとすぐ寝るが、布団におくとすぐ起きるの繰り返しで、妻は数時間格闘しました。5時に起きたときも同じ状態で、抱っこしたまま寝ることにしました。ラッコが餌のかわりにちびを載せている状態を想像してもらえばよいでしょう。少し背中が痛かったのですが、泣いて怒られるよりはずっとましなので、そのままで7時まで。ちびは目が覚めると途端ににこっとして遊び始めました。その落差は2重人格かと思うほどです。昨夜から今朝にかけて、昨日お昼の編集委員会の宿題をこなしています。郵便物を6つ作ったあたりでばてたので、残りは夕方か明日に処理します。
[ワークショップ作業の継続]
昨日買った生化学の教科書は実は、三省堂の化学のコーナーで見つけた数少ない生化学分野の書物でした。あとで、生化学は、化学ではなく、生物学のコーナーにいっぱいあることがわかりましたが、最も基本的な(すなわち必要最小限のことしか書かれていない)教科書もあってよいだろうと考えて、私の学生時代に学んだレニンジャーやその後継の大きな教科書ではなく、まず小さなものを買ったのです。分厚いのも、最近の基本は何か調べた上で、そのうちに購入します。
日本語で読める生化学史の書物としては、下にあげている、J.S.フールトン『生化学史―分子と生命』(共立出版、1978)がもっとも詳細にして正確な書物のようです。もちろん、大きな大学図書館にはおいてありますが、私の便により、日本の高分子化学史の第一人者である古川安化学史研究編集長にお借りすることにしました。(昨日の編集委員会の折り借りて来ました。>古川編集長、ありがとうございます。非常に役に立っています。)お借りするときに古川編集長と話したことですが、現在東京農工大におられる鬼頭さんが現役の科学史家からのリタイアを表明されたあと、日本人で生化学史をしっかりやっておられる方の名前を思い浮かべることができませんでした。『生物学史研究』でも最近生化学史関係の記事を見かけた記憶がありません。ウェブで検索をかけてみると、1980年、その鬼頭さんが生物学史分科会例会(4月26日)で、「現代生化学史におけるコロイド化学の役割」という興味深い発表をされていますが、他に検索にかかったものはありませんでした。
せっかくだからと思い、アメリカのアマゾンで、"History of Biochemistry"と入力して検索をかけてみると、90点の著作がぞろぞろと出てきました。上記のフルートンの原著は版元品切れのようですが、役に立ちそうな本はかなりありました。
今朝はゆっくりめで、7時半。朝方一度起きたちいさいちびも8時限在まだ寝ています。どうせすぐに目覚めるでしょう。12時〜2時。編集委員会で神保町へ。終了後、三省堂によって、次の3冊を買ってきました。
中西崇『家族と財産を守る完全防犯マニュアル』平凡社新書、2002
猪飼篤『(化学入門コース8)生化学』岩波書店、1996
『天文年鑑2003』誠文堂新光社、2002
猪飼篤『生化学』をざっと読みました。典型的な教科書です。私には、もっとふくらみをもたして書いた方が理解しやすいように思われます。こういう切りつめた化学構造式だけが目立つ書き方をすると、学生は、その反応を覚えるように誘導されます。もう少し意味や概念を説明することばがほしいように私には思われます。[ワークショップ作業の継続]
昨夜、川喜田愛郎氏の『近代医学の史的基盤』を読んでいました。生化学史のアウトラインを押さえておきたいと思ってのことです。どうしても一般の科学史書は、物理学等の数理科学主体になって、生物学史、化学史の部分は弱くなりがちです。「生物学」そのものは19世紀の成立ですから、それ以前の生命現象や生体研究は、基本的には医学の枠のなかで行われています。そういうわけで、医学史のなかに知りたい情報が含まれている可能性が高いと言えるわけです。
また、最近は生物学と言えば、遺伝、遺伝子、DNAにばかり注目が集まっていますが、生体のなかのエネルギー代謝も、実はかなり面白いテーマで、正確なプロセスが分かったのは、20世紀に入ってずいぶん経ってからのことです。→おそらくそれはどうも20世紀の半ばと言ってよいようです。はじめて酵素(平均して10万程度の分子量のタンパク質)の立体構造が解明されたのは、やっと1966年のことのようです。(リゾチームの3次元構造がフィリップスたちによって解明された。)
ひとりで7時。ちいさいちびは30分以内に目覚め、声をあげるでしょう。月曜日に読み始めた、中島みち『患者革命:納得の医療 納得の死』(岩波アクティブ新書、2002)を読了しました。多くを教えてくれる本です。その中で一番大切なのは、我々の無知、死についての我々の無知を教えてくれる点です。もちろん、その無知とは、誰もが知り得ない自分の死、のことというより、身近な者の死、その死にゆくプロセスのことです。
中島みちさんは、「死ぬ権利」という考え方に反対しています。私はまだうまく表現できませんが、生と死に特有の非対称性に位置づけるとき「権利」は生の側でのみ意味を持ち得るとでもいえばよいでしょうか。「自己決定権」に関しても、それが「死の自己決定権」というふうに言われると、私には釈然としないものが強く残っています。そのあたりの機微に届くことばを中島さんは探っています。[ワークショップ作業の継続]
パーゲルに続き、プリンシーペの著作・論文のリストを作成しました。たぶん9割はカバーできていると思います。また、恐らく8割は読んでいると思います。
ちびが夜中に魔人化して、妻は6時前。私は7時前。私が起きて妻とバトンタッチ。外語大においても、学生による授業評価がスタートしています。今年は、専修科目と地域科目のすべてに関して授業評価を行うということで、木曜日3限の「科学思想史(講義)」は、これにあたっていました。昨日、その、コメントシートの部分だけが手元に返ってきていました。私は大学院時代の末期に予備校体験(物理を教えていました)があるので、一般の先生方よりは評価に慣れているはずです。ですが、評価は、やはり、少しどきどきします。他の先生方には、いちいち評価を気にしていてははじまらない、気楽に臨めばよい、とえらそうにアドバイスしていますが、自分への評価について、気にしないというのはとても難しい。
直すべき点としては、文字をもう少しきれいな文字で書いてほしい、というのとテーマとして新しい時代を取り上げてほしいというのがありました。両方ともいつも頭の片隅にはおいています。文字は、もともと上手下手がある領域なので、まあ、精一杯丁寧に書くしかないですね。古いテーマ、新しいテーマということに関しては、学生諸君の時代認識をもう少し広げたいという気持ちがあって、意識的に古い時代にウェイトを置いていますが、学生諸君の答案を読んでいると、学生諸君の意識では19世紀でも「中世」ということのようです。学生諸君の「中世」は、自分たちの所属している時代からはつながりを感じることができない古い時代ということのようです。世界史は全員勉強しているはずですが、まあ、高校の世界史の授業を受けても、歴史感覚・時代感覚が養われないのは仕方ないのかもしれません。
小谷真理さんによれば、今の学生諸君にとって、1980年以降のみが自分たちの実感の届く時間で、それ以前は一括して、昔、あるいは大昔、という感覚だそうです。そう思って話した方が通じるでしょう。[UFOキャッチャー]
生物史学会の年会費を払いに外に出たついでに、UFOキャッチャーにチャレンジしました。ぷーさん柄のお茶漬け3点セットというのにねらいをつけ、何とか1100円でひとつゲットしました。ちびのうどん茶碗にぴったりです。→ちびは気に入って、自分で一生懸命洗い、夕食から使用していました。こうして、ちびの食器が増えていきます。
ちびといっしょに6時50分。昨日3時間も昼寝したちびは、スーパー・ハイパー元気です。
妻がやっと本格的に復活してくれました。ありがたい。[ワークショップ作業の継続]
3月のワークショップの準備に戻れます。資料探しから再開。→パーゲルの著作と論文を集めてみました。パーゲルの著作は6冊購入しています。手元で見つかったのは、4冊。ハーヴィーに関するものはたぶん大学の研究室だと思いますが、Variorum Reprintの1冊が見つからないのは不審です。また本格的調査が必要かもしれません。
私の持っているものだけですので、全く不十分ですが、パーゲルの著作・論文のリストを作成しました。おいおい拡張していきます。
ひとりで6時半。ちいさいちびは、昨夜は10時まで寝なかったので、朝は少し遅くまで寝てくれるでしょう。→あにはからんや、7時に起きてしまいました。寝てくれている間に仕事をしようとおもった思惑は見事にはずれました。→と思ったら、11時頃大泣きをします。不正確な発音ですが、イタイ、イタイ、というので、足に何か刺さったかと思い、足裏を見てみると何かが刺さったようなあとがあります。懐中電灯とルーペでよく見てみましたが、傷はあるけど、とげのようなものはどう見てもありません。とそのうちに寝てしまいました。布団においたあと、妻と二人でしげしげと見ましたが、何かが刺さっているわけではない、という結論に達しました。睡眠不足だったようです。2時まで3時間寝ました。1時間で起きてしまうこともあるちびなので、その間にかなり仕事を進めることができました。本日の仕事は、もちろん採点。明日提出締切の4年生はそもそも10人も受験していなかったのですぐすみました。1年生から3年生も、日が暮れるころまでに終了しました。もう一度確認して、明日締切のものは明日提出します。残りは、もう少し時間をおいてから提出します。
(5)問中、3番の脳死臓器移植問題、4番の生殖医療問題を選択する学生が多くなるだろうと予想してはいましたが、3番と4番あわせて8割近くになるとまでは思いませんでした。5番目のアメリカの科学技術のあり方の特殊性を扱った学生はいませんでした。アメリカのあり方を対自化することは、いまとても重要なことなので、残念です。
ですが、全体としては、よい結果だったと思います。詳しくは追ってまたこのページに記します。
ちびによって7時15分。昨日は少し疲れたようです。→妻は8割の回復。休みながらであれば、なんとかふつうにこなせるようです。→体力は回復していないようで、夕方ダウン。2限の試験。これで授業の試験は最後。残るは入試のみ。→4年生の成績提出締切が明後日ですので、一服したらすぐ採点に取りかかります。
電車のなかで、中島みち『患者革命:納得の医療 納得の死』(岩波アクティブ新書、2002)を読み始めました。とてもよい本です。生命倫理の本は、どうしても身に滲みない抽象的な論も展開せざるを得ない点があるようですが、この本は、まったく身に滲みます。自分のこととして問題を引き受けて30年考え続けたことを文章化されていますから、ともかくよくわかります。私も、授業では「インフォームド・コンセント」の話をしましたが、自分や家族が患者として医療を受けている現実とはやはりかなり乖離していると感じます。「インフォームド・コンセント」は日本ではまだ十分に定着していない、ということなのかもしれませんが、そういうことばではおさまならない日本の医療現場を感じ取ります。そういう違和感に対して、届く言葉が、ここにあります。
ちびが魔人化して、6時。頭を肩の上に載せる立て抱っこをしてやると一応寝ましたが、体勢を変えたり、布団におこうとすると途端にぎゃー。仕方がないので、椅子に座って少しずつちびの姿勢をずらし、座ったままでもそれほど負担とはならない向きを捜しました。結局ちびは7時半には目が覚めましたが、立て抱っこは腕でちびの体重を支えるので、肱の前後の筋肉がジイーンとしていました。とほほ。
[シーシー、エブリホエア]
8時過ぎて、しっかり目が覚めてきたようなので、おしめを代えてやろうと思い、脱がしてやりました。すると、お尻丸出しのまま、逃亡。いつもそうですが食卓の周りを一周してきます。今朝は、食卓のところで何だかにこにこしています。何かと思ったら、しーしー。こっちで少ししーしーしてにこにこ、あちらで少ししーしーしてにこにこ。数カ所でしーしーしました。前向きに考えれば、自分でシーシーのコントロールができるようになってきたということでしょう。おしめをとってもらったら気持ちよくなってシーシーするのでしょうが、・・・。妻は風邪気味のまま。薬と朝食のパンが切れたので、ちいさいちびの昼寝の時間に、大きいちびと雨のなか、買い出しに行きました。駅の西友に行って、まず薬を買って、ちびはアイスクリームを食べて、それから買い物をして帰ってくるという決まり道です。
[自分で子守歌]
妻の体調が回復しないので、ほぼ昨夜の同じ経過を辿りました。おねえちゃんと妻が寝たあと、ちびの面倒を見ていましたが、布団の上で寝付く練習もしなければいけないと思い、私も横になって子守歌を歌いながら、背中をとんとんしてやりました。あっちにころころ、こっちにころころ1カ所に落ち着くことなく動き回ります。少し落ち着いたかと思ったら、私の子守歌をまねて上手に歌います。これには、思わず笑ってしまいました。隣で寝ていたはずの妻もいっしょに笑っていました。おねえちゃんの時もこういうことが何度かありましたが、自分で子守歌を歌われると、それまでどれほど寝かせつけるのに苦労していても笑ってしまいます。
結局、布団の上で自分では寝そうになかったので、やはり居間で少し遊んでやり、ミルクを欲しがったときに、ミルクを飲ませたあと抱っこして寝かせつけました。
ひとりで7時。たぶん、今日中に「科学思想史」の採点は終了できるでしょう。採点、採点、採点です。→転記はまだですが、採点作業そのものは予定通り、土曜日中に終わることができました。採点の中休みに、税務署から「お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね」という書類が郵送されてきました。一昨年家を買ったときに、こういう書類が来るという情報は読んで知っていましたが、1年以上経ってから来るとは思いませんでした。もちろん、そのときの登記簿や売買契約書等はちゃんと保存してありますから、それらを引き出して、必要事項を記入しました。税務署も「忘れた頃にやってくる」ものなのでしょうか。
妻が軽い風邪気味。夕食後ぱたんと寝てしまいました。お姉ちゃんは、おかあちゃんといっしょに寝ると言って実際寝ましたが、ちっこいほうはまだ元気なので、つきあって遊んでやりました。9時前になって騒ぐので、お腹が空いたなと思ってミルクを作ってやると飲みながら目が半分になりました。ミルク終了後、抱っこして5分で寝てくれました。いつもこのようだとほんとうにありがたいのですが。
ひとりで6時45分。ちいさいちびは昨夜はよく寝てくれました。午前中に、臨時の会議。→会議は定時(10時)に始まり、定時(11時50分)に終了しました。おかげで私は1時には家で昼食を終えることができました。その後は→採点→採点→採点→採点→採点→採点。と思ったら、ちいさいちびがお隣さんのリフォーム工事の物音で、昼寝に入ってから1時間で目覚めたため、あと1時間強抱っこしていました。布団におくと泣いて怒る状態になったことがわかったので、仕方なしにずっと抱っこしていました。たったの11キロといえば11キロですが、ちびを起こさないように、気持ちよく寝続けさせるように抱っこする体勢は、結構難しく、途中で腰がかなり痛くなりました。抱っこしたままソファーに座れる姿勢を見つけだしてやっと楽になりましたが、疲れました。買い物に出ていた妻とお姉ちゃんが、ちょうど1時間抱っこしたあとに帰ってきたので、少しして妻にかわってもらいました。
採点は、ちびどもが就寝したあと、再開しました。4年生と3年生の分は終了しました。あとで、優秀答案へのコメントはここに公開しますが、個性的な答案が例年より多く、読んでいて楽しい時間が相当割合あります。一般的に採点には特有の苦しさがつきまといますが、その苦しさよりも、すごいぞ、とか、そういう見方があったのか、とか、それは全然知らなかったとか、いう内容が与えてくれる“快感”の方がまさっています。個性的なもののなかには、世間一般には評価されづらいものもありますが、そういう個性的な人間の存在が文化の活性を支えています。画一化への力がときに静かな暴力として働く日本社会において、個性的であるがゆえに苦しむこともあると思いますが、負けないでいてほしいと思います。簡単に見つかるかどうかはわかりませんが、そうした個性を生かす方法、そうした個性を評価してくれる人は必ず存在します。
最近の学力低下論の大合唱や、大学改革への国家的圧力に欠けるのは、こうした個性に対する感性です。
妻とちびに続いて、6時45分。昨夜疲れ果てて帰ってきて、夕食をとり、風呂に入り一服していたら、どうも下のトイレの水の流れが悪い。大きいちびが、トイレットペーパーを大量にトイレに入れてしまったようです。トイレットペーパーは水に溶けるので大丈夫だと思っていたのですが、それにも限度があるようです。100%つまったわけではなく、いつもの10分の1程度の速度でしか水が流れ出しません。いろいろ試しましたが、一向に改善せず。仕方がないので、今朝までは待って、それから判断することにしました。
何もしないで、事態が改善するわけはなく、朝は昨夜と同じ状況でした。素人が下手に手を出して事態を悪化させると取り返しがつかないと考えて、民間の業者に修理(修理というよりは修復でしょうか)を依頼しました。試験があるので、結果を確かめずに家を出ましたが、妻に聞いた話では圧力ポンプ3回で無事すっきりしたようです。何がつまっていたかは結局よくわかりませんでした。修復代8000円。本日は修士論文の面接審査が4件、「科学思想史」の試験が1つ。一日中大学にいて、試験を担当していることになります。→本日のすべての試験が無事終了しました。
ちびが起きて、6時45分。理由はわかりませんが、ちびは昨夜もなかなかうるさく、しっかり眠ってくれませんでした。[総合雑誌]
2003年3月号としては、4冊の総合雑誌を買っています。『論座』『現代』『文芸春秋』『中央公論』です。採点の合間にすこしずつ読んでいます。
中公では、東浩紀「情報自由論:データの権力、暗号の倫理」の連載(8)。これは、プライバシーの概念の変化を扱っています。今、プライバシーの概念はかなり難しいところにさしかかっています。&宮崎哲弥・官僚研究会「【連載】出でよ平成革新官僚(6)農林水産省」を興味深く読みました。
『現代』では、魚住昭「野中広務研究」がおもしろい記事でした。午前中に歯医者。午後は、大学院の会議(教授会)。→開始が1時間15分遅れて5時15分。終了は、6時半過ぎ。ただ待っている1時間あまりの時間、控え室で少しの間本当に寝てしまいました。前の会議がもめたせいで、これほど遅れたわけですが、とほほのほ、です。
ひとりで6時45分。起床して居間に降りると、ずっと前に起きていた小さいちびは妻に抱っこされて眠りにつくところでした。採点に着手します。1週間ぐらいには採点に追われることになります。→「表象文化とグローバリゼーション」の私の担当分の採点は終了しました。
木曜日に修論の面接が4件、ならびに「科学思想史」の試験があります。月曜日(17日)に「科学技術と社会」の試験があり、私の授業の試験はそれで終わりますが、4年生の採点締切がなんと恐ろしいことに19日なので、ともあれ、4年生の採点を優先して行うことになります。おやつのあと、近所の本屋で次の本を買ってきました。
中島みち『患者革命:納得の医療 納得の死』岩波アクティブ新書、2002
金城清子『生殖革命と人権:産むことに自由はあるのか』中公新書、1996
ついでに『文春』と『中公』の最新号(2003年3月号)を買ってきました。『中公』は、論争「クローン人間:挑戦を受ける生命観・倫理観」という特集を組んでいます。特集は次の5つの論考・記事からなります。
中野不二男「無謀な“見切り発車”を許してはならない」
加藤尚武「日本のクローン法は欠陥品である」
池田清彦「クローン人間作って、何が悪い」
根津八紘「不妊治療のためなら推進すべきだ」
緑ゆうこ「<ドリーを生んだイギリスでは>生殖クローンより怪しい研究が進んでいる」
根津八紘医師は確信犯ですから、不妊治療のためならクローンベビーOKというのは予想できたことです。また、体外受精を認めていて、クローンベビーを認めないのはおかしいという意見はありえる意見だと思っていましたが、池田さんがその意見をはっきりと述べています。ヒト・クローンに関しては、賛成するはっきりとした意見とその理由が明示されない限り、情緒的反応に支配される恐れが強かったので、こういう意見が出てくることで、きちんとして議論を進めていくことができるでしょう。
私が一番最後で、7時。昨夜、ちびどもが寝たあと、ひとりで『ロード・オブ・ザ・リング』(指輪物語)のDVDを見てしまったせいです。大きいちびは怖がるので、ずっと大きくなるまで見せられない映画です。映画では話が終わっていないので、原作を読みたくなりますが、本当に春休みになるまで手をつけるわけにはいきません。午前中にひとつ会議。
ちいさいちびを寝付かせるのはいつも大変なのですが、今日は、お風呂に入ったあと、ちょっと暴れるのでミルクを飲ませてやると、飲んでいる最中に寝入りました。おねえちゃんはそうして眠っていましたが、小さいちびの場合、私がミルクをあげていてというのでははじめてです。暖かくなったのがよいのか、お外で遊んで疲れたのか、ともあれ、せめて半分くらいはそういう仕方で寝てくれるようになるとこちらはずいぶん助かります。
なお、体重は、おねえちゃんが約17キロ、ちいさいちびが約11キロです。重くなったものです。
平和な朝。そろって6時半。小さいちびも、泣かずに起きました。昨日そとで思い切り騒いだせいかもしれません。小さいちびは、これ以上続けて騒がれたらちょっともたないという時点で、ちゃんと寝てくれています。
天気予報によれば、最高気温17度。4月上旬の暖かさになるとのこと。夜中中、大きいちびが何度も布団を蹴飛ばしていました。夜も厳しい寒さはありませんでした。残っていた修論2点を読み通しました。これで、今年度の卒論、修論はすべて読み終えたことになります。最後の修論が、150頁程度のもので、長めの新書1冊分の量があり、読み応えがありました。すなわち、読み通すのが少し大変でした。内容的には相当しっかりしたものだったので、安心して読めたのですが、あまり長いのは単純にしんどい。
私の大学院時代の先輩・後輩にも、400字詰め原稿用紙で、600枚とか700枚とか書いたひともいますから、たまにそういう量を書くひとが現れる、ということでしょうか。しかし、そういうひとがほとんど、ドイツ哲学系というのは、少し気になる点です。
大学の大きな業務として残っているのは、あと試験関係です。おやつのあと、吉祥寺に出て次の3冊の本を買ってきました。
ノルベルト・ボルツ『世界コミュニケーション』村上淳一訳、東京大学出版会、2002
森岡正博『生命観を問いなおす―エコロジーから脳死まで』ちくま新書、1994
広井良典『遺伝子の技術、遺伝子の思想:医療の変容と高齢化社会』中公新書、1996[おとーち、そんなもの、買ってきてはいけないぜ]
本を買ったあと、『トイストーリー2』と『ロード・オブ・ザ・リング』という2点のDVDを買いました。『トイストーリー』は、最近ちびが繰り返し繰り返し見ているビデオで、2(続編)を見たくなって買ったものです。『ロード・オブ・リング』は指輪物語のアニメ化。これはちびに見せようというのではなく、私が見ようと思って買ったものです。うちに帰り着いて、すぐに、『トイストーリー2』をDVDプレーヤーに入れてかけると、見慣れていないものには拒否感を示すおおきいちびが、「おとーち、そんなもの、買ってきてはいけないぜ!」等々、耳の側でずっと文句を言っていました。半ば泣きべそをかいたような感じで、DVDが終了するまで文句を言っていましたが、ビデオの『トイストーリー』をかけてやるとうってかわって、元気な顔になり、走り回っていました。
『トイストーリー2』も1に劣らず、なかなか面白い映画です。ちびも春が終わる頃までには慣れているのではないかと思います。
ちびが魔人化して、6時半。まあ、でも、6時半なら大丈夫です。大きいちびの3歳の誕生日。→大きいちびが「キティちゃんのとこ」に行きたいというので、一時過ぎに家族揃って吉祥寺の東急へ。ちいさいちびは私が担当、お姉ちゃんは妻が担当という形で別々に遊ばせていましたが、たぶん暑かったのと眠かったせいでしょう、ちいさいちびが大声で泣き始めました。急いで家に帰ることにしましたが、電車のなかでもずっと泣き続け、駅からの帰り道、抱っこ役を妻に代わり、数分後に妻の腕のなかで寝てくれました。泣くときは、ほんとうに遠慮なしに泣くちびです。
最近はずっと夜から朝にかけて泣いているので、こっちは慣れていますが、電車のなかの他の乗客はかなり不思議な顔で、あるいは不審そうな目つきで見ていました。[作業の継続]
最近続けている作業の継続として、辞書・辞典類を調べています。『西洋思想大事典』の「生物学的概念」( BY D.M.Balme)はとてもよく書けていました。これを読みつつ、来年度の授業でははじめて、生命概念の歴史を話そうと思うようになりました。生物学の歴史ではなく、生命観の歴史です。生命の見方に広がりを与えたいというのがその主旨です。
夜中中ちいさいちびが騒いで、大変でした。私は6時半に起きましたが、何時に目覚めたのかは不明です。→妻によれば、11時半から騒ぎ出し、断続的に私が布団から出た6時半まで続いたのだそうです。鼻がつまって息が苦しいので、布団の上で、連続1時間と寝ません。残りの時間は、私か妻かが抱っこ、ということになります。歯医者の日。夜の6時10分から教授会。何を考えているのでしょうか。→平均値より数名少ない出席者でしたが、教授会は無事行われました。終了は、8時50分。多磨駅8時59分の電車で帰ることが出来ました。ぱっと見た感じでは、この時間の電車に間にあった同僚は5名でした。私は10時には夕ご飯も、入浴もすませていましたが、遠い方であれば、たぶん帰り着くのが11時過ぎでしょう。
大学の図書館で、久しぶりに調べものをしました。3月の慶応のワークショップにあわせて、一応「醗酵」の概念史を古代から20世紀までの科学史を通して押さえておこうと思ってのことです。邦語の著作としては、次の2冊を捜しましたが、予想通り、外大の図書館にはありませんでした。
J.ニーダム『生化学の歴史』みすず書房、1978
J.S.フールトン『生化学史―分子と生命』共立出版、1978
そもそも生化学の本は、2冊しかおいてありませんでした。文化系の単科大学ですからしかたないのかもしれません。
なお、パストゥール以降のことであれば、ウェブでも基本的な情報は得られます。
日本の著名な生物史家、鈴木善次氏による「科学の歩みところどころ」
ライフサイエンスと人間
小泉武夫『発酵 ミクロの巨人たちの神秘』中公新書(1990) に基づく醗酵の基本
ひとりで6時半。ちいさいちびは、夜中いちどもどしましたが、思ったより騒がず、助かりました。→7時半頃にちいさいちびは目覚めましたが、かなりよくなっているようです。→と思ったら、9時過ぎに妻が、両足の靴下部分に広範囲のかぶれか湿疹を発見しました。仕方がないのでまたお医者さんへ。→ジンマシンということです。まあ、一安心です。本日は、5限に試験。→1時間半早く大学に着きました。仕事を少し進めるつもりだったのですが、机のうえに積み重なっている紙を処理していたら、あっというまに、1時間半は過ぎてしまいました。部屋のなかからかなり苦労して、C.U.M.スミス『生命観の歴史』(上下、八杉龍一訳、岩波書店、1981)を探し出し、持って帰れたことだけが収穫でしょうか。
ひとりで5時。今朝もちびは魔人化せずにいてくれる模様。昨夜から、つんどくにしてあった『世界』2002年3月号、特集「生命科学の最先端」を読み始めました。かなり細かい特殊な問題を扱っています。
[幼稚園説明会]
おおきいちびの入園のための説明会が午前中にありました。ちいさいちびを散歩させようとおもってついていきましたが、大きいちびは案の定、見知らぬひとの群のなかで相当不安になったようで、お母さん達が隣の部屋で分かれて説明を聞く間、クラスの友達となるちびどもと遊ぶのに耐えられなくなりました。ということで、ちいさいちびと外で遊んでいた私たちが呼び戻され、小さいちびを身近に座らせたまま、幼稚園の先生達とちびどもの最初のクラスにつきあっていました。
[ちびまた風邪]
そのとき、体が熱いな、と思っていたのですが、家に帰ってきて、昼寝をしたあとのちびの体温をはかると38度5分になっていました。朝から調子が悪いなと思っていたら、熱が出ていたわけです。インフルエンザが怖いので、妻が一番近所の小児科医に連れていきました。診断は、ただの風邪ということです。妻によれば、お医者さんがダウンしそうな雰囲気だったようです。忙しすぎるのでしょう。
寝る前に、以前のように、一度もどしました。ちいさいちびは風邪を引くともどすようです。ちょうど私が抱っこして廊下に出ていたときなので、被害は小さくてすみました。布団の上でもどされると、処理が大変です。一度ならばまだしも、それが複数回になると本当に大変になります。
今朝はちびが魔人化せず、6時10分。一昨日ほどではありませんが、昨日よりかなり寒く感じます。「科学技術と社会」の授業への補足コメント。
本日の新聞に、国内でBSE発症の7頭目の牛も、これまでと同じ代用乳を飲んでいたことが判明したとあります。具体的に、科学飼料研究所高崎工場の「ミルフードAスーパー」と名前が挙がっています。
昨日の授業では、ヒト・クローンに関して、生まれたあとの問題を指摘しました。クローン技術(胚移植技術がその核心)によって生まれてきたとはいえ、生まれるのは人間の子どもです。人格もありますし、人権もある。プライバシーもあります。仮に、本当に誕生したとして、一人の人間の子どもをマスメディアの好奇心の餌食としてよいわけはありません。本当の当事者以外には、その子がヒト・クローンである事実は隠されると考えるべきでしょう。それは、今体外受精で誕生した子が(恐らくほとんどの場合)その事実を知らないまま育てられているということに準じるでしょう。その子が、クローンであるかどうかの検証を行うとしたら、現在の脳死・臓器移植に関してコーディネーターが果たしているのと同様の機関あるいは人物が、間に入って、クローンベービーの家庭と検査機関の両方に対して情報を秘匿した上で、細胞を受け渡しする、という方法をとることになるでしょう。クローン羊ドリーのときのような、取材陣が殺到する大騒ぎはあり得ないし、あってはいけないと考えるべきです。
『クローン人間』(光文社新書、2003)を著した粥川準二氏は、卵採取の問題点を指摘しています。卵採取のためには排卵誘発剤を使いますが、それが女性の体に与える影響(副作用と呼ぶのでしょうか)は決して無視できる種類のものではない、ということです。また、クローン胚が卵割を開始したら、誰か女性の子宮に移植されて、あとはふつうの妊娠過程を経て、子どもは誕生します。その女性の体が被る影響(クローン胚の場合、流産率の高さや、通常の場合よりも胎児が大きく育ちすぎる傾向が指摘されています)も無視できるものではありません。
一言でいえば、人間が生み、人間が生まれるということが忘れられていると言えます。アマゾンに発注していた次の本が届きました。
Laura J. Rosenthal,
Playwrights and Plagiarists in Early Modern England: Gender, Authorship, Literary Property,
Ithaca: Cornell University Press, 1996
2003年度後期に開講する 「思想史特殊研究演習1」のシラバスを追加アップしました。事務には期限内に提出してあったのですが、こちらの更新作業をさぼっていました。
ちびが小魔人化して、4時45分。たぶん、最低気温が昨日より数度高いでしょう。凍り付く寒さは少し緩んでいました。ありがたい。2002年度の最後の授業の日。2限の「科学技術と社会」では、6月にチャレンジャー号の事故について講義しているので、今日は、コロンビア号の事故をイントロで話したうえで、クローン問題についてポイントを絞って話します。
その後は、たまっている仕事を処理してきたいと思っています。夕方の6時から歯医者。5時ぐらいまで忘れていました。→帰ってきたあと、まだ麻酔と軽いショックが残っているし、ここ何日かの疲れも残っていて、ぐったりしていました。大きいちびと妻をあとに残し、ちいさいちびの次に就寝しました。
ちいさいちびが魔人化して、6時半。抱っこしてやるとすぐに寝ましたが、布団におこうとするとすぐに起きて、足をキックして抗議するので、抱っこしたまま(他に出来ることもないので)テレビを見ていました。テレビでは、スペースシャトルコロンビアの事故(着陸予定時間約15分前に爆発し、分裂飛散、乗務員7名全員死亡)を報道していました。1986年1月28日のチャレンジャーの事故以来、17年ぶりの事故と言うことになります。チャレンジャーの事故は、レーガン大統領の年頭教書演説の日にあわせ「宇宙の女性高校教師」がお茶の間に授業を中継しようと、この時期が選ばれ起きた事故でしたが、今回は、ブッシュ大統領の年頭教書演説(やはり1月28日)の直後(4日後)ということになります。
今年度の「科学技術と社会」の授業で、チャレンジャーの事故は取り上げています。その際、スペースシャトルのリスクを専門家の算定によれば、「100回に1回は、破滅的な事故が起こり得る」と紹介しましたが、最初の打ち上げから数えて113回目だったようです。リスク予想通りという悲しい結末です。ブッシュ大統領の追悼演説は、リスクを承知で宇宙開発の大義に殉じた飛行士の勇気を称える、趣旨のものとなっていました。レーガン大統領は、4回のフライトの成功で「シャトルが今や実用可能になった」と宣言し、その次のフライトが事故につながったわけですが、今回のブッシュ大統領の演説は、宇宙開発のリスクを認めており、その点ではオープンになったと言ってよいと思われます。
事故原因は調査を待たなければなりませんが、大統領年頭教書演説の4日後、さらに、英米の新聞がアメリカのイラク攻撃が3月を予定していると報道した直後という、何とも微妙な時期に起きた事故だと言えます。
テレビの報道では、乗組員がみんな私と同じ世代であることが、印象に残りました。船長は45歳。もっとも宇宙旅行の体験が長いというインド系の女性飛行士が42歳。最年長48歳、最年少41歳、平均年齢43.7歳。そういう年齢なんだという思いを強くしました。
ちびは、8時ごろに腕の中で目覚め、人が違ったかのようににこにこして遊び始めました。実に、起きているときと寝ているときでは別人のようなちびです。
[UFOキャッチャー]
ノートを買いに出たついでに、久しぶりにUFOキャッチャーにチャレンジしました。最初の400円は調子が悪かったのですが、最後に500円玉で6回というのにチャレンジしました。キャッチするのは、もっとも普通の本の大きさとほぼ同じぐらいの、キティちゃんの旅行トランク型システム手帳。うまく、2つゲット出来ました。ちびどもがケンカしないためには、取ってくるなら2つとってくるように妻には指令を受けていたので、ちょうどよかった。前から見たときに、奥行きの動きに対しては少し手前と感じるあたりで止めるとちょうど重心の位置にアームが降りる、という意識が強く働きすぎ、ちょうどよい位置に行く前にボタンを離してしまうせいです。こういう調子の悪くなり方は、慣れたときに生じるタイプです。ちょっとしたことでもとに戻りますが、これまでうまくいっていたコントロールがうまくいかなくなると、歯痒い感覚を覚えます。スポーツ選手なら、よく体験している感覚なのではと想像します。
ひとりで6時半。何日かぶりによく眠ることが出来ました。昨日、有楽町に出かける電車のなかで、1週間前に購入した、粥川準二『クローン人間』(光文社新書、2003)を読み始めました。私が考えていたより、やっかいで複雑な問題が潜んでいることがわかりました。→午前中に読み終わりました。粥川氏はウェブサイトをもっています。
粥川準二氏ウェブサイト
(ただし、粥川準二氏によるクローン問題に関するリンク集は作成途中でした。)
私にとくに参考になったのは、1)フィンレージの会(不妊に悩み人々の自助グループ)の意見、感じ方。2)堂前氏、市野川氏、小松氏等この分野の研究へのインタービューの部分。(彼らの論文、著作は読んでいますが、インタビューでは主張や意見のもっとも大切な部分がとてもわかりやすい形で出てきます。門外漢にはそれがありがたい。)
最相葉月氏によるLife Scinece Information
1月30日に、国内発のES細胞の作成を開始した京都大再生医科学研究所がネット上で研究過程を公開し始めるようです。
ES細胞研究の必要性を訴える京都大学再生医科学研究所教授中辻憲夫の声(朝日新聞)
ES細胞研究の開始には、慎重な審議が必要だという金沢大学病院講師打出喜義の声(朝日新聞)
昨日の大佛次郎賞・朝日賞の授与式の様子が、今朝の朝日新聞(31面、38面)に出ていました。31面に掲載されているスピーチのまとめは、達者ではありますが、核心をうまく伝えるものにはなっていません。
贈呈式速報
贈呈式文化欄記事
なお、大佛次郎賞に関しては、私の大学・大学院時代の1学年先輩の中島秀人氏が、1997年『ロバート・フック:ニュートンに消された男』(朝日新聞社)で取られています。[おれがついているぜ]
ちびのためにかなり前に買ってきた『トイ・ストーリー』をはじめて通しで見ました。買ってきた当初は、おおきいちびの琴線に触れなかったようですが、2〜3日前から面白いと思うようになったようです。イントロの歌も気に入ったようで、まねてけっこう上手に歌います。通しで見ると、大人が見てもおもしろいCGアニメです。ピクサーとディズニーが組んで作るものは、どれも非常に良く出来ています。ちびどもは一度気に入ると繰り返し繰り返しかけるので、こちらもストーリーの些細な細部を覚えてしまいます。
たぶん、ビデオテープがよぼよぼになり、うまくうつらなくなるまで、使われるでしょう。ものとしては、本当の寿命を迎えることができるわけです。