ひとりで6時。ちびどもが興奮してあまりよく寝ないのではということを心配したのですが、まずまず普通に寝ていました。→ちびどもは7時前。予想通り、2つめの科研費の申請書類はぎりぎりです。→かなり苦労しています。昨年度のものとじっくりと比較してみました。より細かくなっていました。新しく設けられた項目もあります。
今月は、ここまで400字詰め原稿用紙に換算して、79枚。忙しかったわりにはまずまずです。→10月は、結局83枚。
[Alsted 爆弾]
科研費の申請書類に手こずっていて、集中しないといけないのですが、つい1ページできると息抜きをしたくなり、ぐんぐんとばしている桑木野幸司氏のサイトを見てみました。ピサ大学中央図書館「サピエンツァ」で1649年版のアルシュテットの百科全書の実物を手にとり、驚愕したというニュース!がでていました。私は、実物を見たことがないので、実見記がとても参考になりました。
これは、私も実物を見ないといけないなと思い、ウェブキャットで検索をかけてみました。原典は(当然)ありませんでしたが、復刻はありました。
OLMSによる、Clavis artis Lullianae1609『ルルスの術の鍵』の復刻
Frommann-HolzboogによるEncyclopaedia,Herborn,1630 初版の復刻
Broudeによる、Templum musicumの復刻
という具合に、百科全書を含み、3点の復刻版が日本の図書館にも所蔵されていました。さらに、驚いたことに、「ヨハン・ハインリッヒ・アルシュテート協会」というものがあり、そこが、1990年にアルシュテートゆかりのヘルボルンで国際シンポジウムを開催しています。その記録が、Alstediana : Forschungen zur Mentalitats und Wissenschaftsgeschichte der fruhen Neuzeit ; Bd. 1= State, science and modernization in England : from the Renaissance to the modern times : Herborn Symposion 1990として、1994年にOLMSから出版されています。
日本国内における所在がわかったので、おいおい見に行きますが、まだ入手できるようであれば、入手することも検討します。それにしても、びっくりしています。
→もうすこしウェブで検索をかけてみました。上記の国際シンポジウムの編集者、ユルゲン・クラインが本や論文を少し書いています。
Jürgen Klein/Johannes Kramer (Hrsg.), J.H.Alsted, Herborns calvinistische Theologie und Wissenschaft im Spiegel der englischen Kulturreform des früen 17. Jahrhunderts (Frankfurt/M - Bern - New York ミ Paris: Verlag Peter Lang, 1988)
Jürgen Klein, "Herborn und England im Siebzehnten Jahrhundert: Wissenschaftstheorie - Calvinistische Theologie - Revolution zum Millenium",
in: J.Klein/J.Kramer(Hrsgg.), J.H.Alsted, Herborns Calvinistische Theologie und Wissenschaft im Spiegel der englischen Kulturreform des früen 17. Jahrhunderts (Frankfurt- Bern.- New York- Paris: Verlag Peter Lang, 1988), AEGK, Bd.16, S.73 - 146
Eckhard Bernstein, "Johann Heinrich Alsted", Renaissance Quarterly LIII (4) Winter 2000, 1233-34.
ところで、Encyclopaediaの訳語ですが、けっこう困っています。百科全書とすると、ディドロー&ダランベールの百科全書のイメージが強くなりすぎる気がします。百科事典とすると、一般的には事物や事柄についての事典というイメージになると思います。西周の使った百学連環(上記の桑木野氏もこの語を好んでいます)がちょうどよいように思いますが、Encyclopaediaの訳語としてどのくらいの方がわかってくれるのか、自信がありません。現在の百科事典とは異なるというニュアンスを伝える上で、西周の使った言葉はちょうどよい距離を作り出してくれるのかもしれません。どなたか意見があれば、お教え下さい。ひよって、カタカナで(しかも英語読みで)エンサイクロペディアとするのも一計です。
なお、私はまだ「ヨハン・ハインリッヒ・アルシュテート協会」の実態をキャッチできていません。これも知っている方がいたら、教えを請います。
いろいろ考え事をしていたせいで、4時。[太陽大爆発]
<AHREF="http://www.asahi.com/science/update/1029/003.html">太陽の大爆発、25年で最大級という記事が昨日出ていました。磁気嵐によるいろんなトラブルを心配しています。思わぬところがトラブルになる可能性があります。それこそ、危機管理能力が問われる場面も出てくるのではないでしょうか。
毎日の記事
フレアにより、北海道でオーロラが見えたと言うニュース
オーロラなら、見たいですね。[Alsted]
本日、日本語のサイトで ALSTED を検索してみました。このページがトップに出てきました。それも、ちょっと早すぎではないかと、驚きました。本日大学で授業をしている間に、台北から妻の母と妹が我が家にやってきます。ちびどもはとても喜んでいます。→5限の授業を終え、うちに帰り着くと、ちびどもは狂喜乱舞していました。遊んでもらえると、ほんとうに楽しいようです。私は、朝の4時がきいて、少し眠い。
ひとりで5時半。2番目の科研費の申請書類にかかります。→木曜日、金曜日いっぱいかかりそうです。[Alsted]
桑木野幸司氏のサイトで、Alsted に対する言及がありました。邦語では、パオロ・ロッシ『普遍の鍵』(国書刊行会 1984)がもしかしたら唯一まとまった記述のある書物かもしれません。第6章「百科全書思想と汎智論」の第1節が「普遍記憶術体系―ハインリッヒ・アルシュテート」pp.242-245 です。ということで、本棚から引き出して読んでみました。もちろん、有益な情報がありましたが、私が知りたかったこと、その『百科全書』の具体的な様子はほとんど触れられていませんでした。ただし、『百科全書』と言っても、我々のイメージする百科事典等のようにこの世に存在する事物を説明するためのものではなく、「知の樹」のイメージが示すように様々な学問を一貫した原理(一般概念や一般原理、さらには共通概念や共通原理)で整理し提示することを目的にした書物です。個別の学問分野においては、学説史の整理が行われていることになります。(あるいは、先端的見解や知識の集成という観を呈することもあるわけです。)
ウェブでは、アルステッドとしか検索しなかったので、ドイツ語発音のアルシュテートでも検索してみました。予想通り、ロッシのこの本を紹介したサイトhttp://www1.doshisha.ac.jp/~ksuzuki/lecture/Rossi.htmlひとつだけが検索にかかりました。
私の手元にある本では、ハーウッドの研究書が当然のことながらアルシュテートに触れています。しかし、ざっと見たところ、2次文献としては次の2つしかあげていないようです。
Percival R. Cole, A Neglected Educator: Johann Heinrich Alsted (Sydney, 1910)
Debora K. Shuger, Sacred Rhetoric: The Christian Grand Style in the English Renaissance (Princeton, 1988), ch.2
ハーウッドが研究していた時点(本は1991年出版)では、アルシュテートの研究がどれだけ散発的だったかわかります。(ハーウッドは、ロッシもオングも引用していません。たぶん視野に入らなかったのでしょう。)3つの会議をこなし、9時に帰宅。ちびどもはすやすやと寝ていました。
ちびどもは5時過ぎ。私は、6時。ちいさいちびの風邪は、ほぼなおったようです。→なおったら、やんちゃるもんちゃも完全に復活です。朝方、メールの返事を書いていたら、パソコンをつないでいるコンセントのスイッチをいきなり切られてしまいました。あちゃー。9割方書いていたメールの返事がパーです。さて、今日中に、科研費の申請書類を一本仕上げます。→細部のチェックは残っていますが、一応仕上げました。昨年の申請書類一式が結局見つからなかったので、ほとんど新しく作文し直しました。自分のためにはなりましたが、これで通る書類になったのかどうかはわかりません。
昨夜食べた何かがよくなかったようで、私は、軽い腹痛に発汗。ちいさいちびは、日が変わったあたりから、2度、大量にもどしました。本人はお腹が痛いと言っていますが、ともかく寝付いたと思ってもすぐに目が覚めて、我々は結局何時に目が覚めたのかわからないまま朝を迎えました。→ちびは、風邪でした。仕事から帰ってくると、食べるものも食べず、ミルクも飲まず、ぐったりしていました。ちなみに、私も、ごく軽く風邪気味。 →はやめに就寝しました。布団に入って、いつ寝たのか全く記憶がないので、ことんと寝てしまったようです。[イングランドのルネサンス庭園 ]
大学生協で次の本が出版されているのを見ました。
ロイ・ストロング『イングランドのルネサンス庭園』円月 勝博, 桑木野 幸司訳、ありな書房、2003年10月、¥7,200
BHメイトの 桑木野幸司氏の訳書です。値段は少々高いのですが、とても立派な本です。充実した訳者解説がついています。
ちびが起きて、6時前。忙しかった昨日ですが、編集委員会がすっきり終わったので、6時15分には家に帰り着きました。おおきいちびは遊び疲れて寝ていました。ちいさいちびは、半覚醒半睡眠状態だったのですが、30分ほどで寝てしまいました。
[アルステッド ii ]
昨日のアルステッドの続きです。グーグルで「アルステッド」として検索してみました。別のアルステッドはかかりましたが、17世紀初頭に活躍したプロテスタント神学者としてのアルステッドに触れたものはグーグルにはひっかっかていませんでした。
アルステッドが有名なのは、第1に、その百科事典Encyclopaedia(Herborm,1630)によります。
次いで、コメニウスの師としての側面でしょうか。Herborn でコメニウスの先生であり、教育改革に向けた汎知的な著作を発表している。
Clavis artis Lullianae (Strassburg, 1609)
Systema mnemonicum duplex (Frankfurt, 1610)
こうした著作に示されているように、アルステッドは、この時代の重要なキリスト教徒のヘブライストであり、ルルス主義者であり、カバリストであった。
神学者としても、百科事典的な仕事、Triumphus bibliorum (Frankfurt, 1625)(聖書に関する百科事典的著作)を出すが、何と言っても時代の宗教文化に多大な影響を与えたのが、Diatribe milleannis apocalypticis (Frankfurt, 1627)、つまり、千年王国論のビジョンであった。
ということで、若いボイルがアルステッドをぱくった著作を著したとしても、何の不思議もありません。さらに、若いボイルの接したハートリッブ・サークルがそもそもアルステッド的な知的・宗教的サークルであり、アルステッドの影響は文化の基礎に及んでいると言えます。
→アルステッドに関して、ICUの那須敬氏からコメントを頂きました。ありがとうございます。アルステッドに関して、最近2冊の本を出したHoward Hotson氏を博士論文のときからご存じということでした。
Howard Hotson, Johann Heinrich Alsted, 1588-1638: Between Renaissance,Reformation, and Universal Reform,Oxford: Oxford University Press, 2000.
Howard Hotson, Paradise Postponed: Johann Heinrich Alsted and the Birth ofCalvinist Millenarianism,Dordrecht: Kluwer,2001.
→科研費の申請書類があるので、後回しにしようと思ったのですが、気になるので、同じく那須氏から教えてもらった次の論文を読みました。
Howard Hotson, "Philosophical pedagogy in reformed central Europe between Ramus and Comenius: a survey of the continental background of the 'Three Foreigners'',
in Mark Greengrass, Michael Leslie and Timothy Raylor (eds.), Samuel Hartlib and Universal Reformation: Studies in Intellectual Communication (Cambridge, 1994), pp. 29-50.
このハートリッブとその周辺に関する論文集は、ほぼ半分近く読んでいました。しかし、このHotson 氏の論文は見逃していました。論文の題名にアルステッドの名前は出ていませんが、実は、Hotson氏の博士論文、"Johann Heinrich Alsted: encyclopaedism, millenarianism, and the second reformation in Germany" (Oxford, 1991) の一部と呼べるものでした。びっくりしました。ハートリッブ、デュアリ、コメニウスが故郷(中部ヨーロッパ)でどういう知的世界に属していたのかが、明確に述べられています。「ラムスの方法」→「ケッカーマンの方法的スコラ主義」→「アルステッドのエンシクロパエデイア」という中心的ラインがはっきりとわかります。
5時。今日は忙しい一日になります。武田徹氏が日本TV虚偽視聴率を報じ、論じています。どういうテレビ番組か、どういう内容だったのかは正確にはわかりませんが、日テレのディレクターが視聴率調査の対象になっているたった4軒の家を買収することで、視聴率に有意の差が出ることを立証した、というもののようです。関東全体で600軒のモニターしかなく、たった4軒の買収で大きく変動する、そういう数字でしかなかったという分析です。もっと詳しい情報が知りたいものですが、そういうものだろうと思います。→と思ったら、新聞報道がありました。
日テレプロデューサーが視聴率買収
特集:日テレ視聴率操作
読売新聞の報道
ウェブの毎日新聞ではトップ記事
報道記事によれば、上記の私の理解は、少し違っていたようです。自分の作った番組の視聴率を上げるために、興信所を使い、モニターの家庭を割り出して、4軒を買収した、けしからん、という内容になっていました。
いずれにせよ、かなりの議論を呼び、武田氏のような分析も出てくると思われます。→この件に関して、日大の加藤氏からコメントを頂きました。ビデオリサーチ社の誤差に関する見解を教えて頂きました。ありがとうございます。
ちなみに、話題としては全く関係ありませんが、次の記事は面白い。
13歳中学生、バイアグラ試す 「効き目」出て病院へ (イギリス南部の男子中学校の話で、生徒6人が病院に運ばれ、「効き目が消えるまで監視された」のだそうです。)
[アルステッド ]
ICUの那須敬氏が Johann Heirich Alsted (1588-1638)に言及しているのが頭の片隅にあり、最近、 ピサ大生の桑木野幸司氏の留学日記がやはりアルステッドに言及していたことから、一度しっかりとアルステッドを調べてみないといけないと思っていたことを思い出しました。きっかけは、ボイルが科学者になる前に執筆した『倫理原論 Ethical Elements』はそのかなりの内容をアルステッドによっているというハーウッドの研究成果です。
(John T. Harwood, The Early Essays and Ethics of Robert Boyle,
Carbondale:SouthernIllinois U.Pr.,1991)
ともあれ、一番基本的なものは、買っておこうと思い、amazon で検索をかけてみると、内容がアルステッドを含むものもリストに出るようになっていました。(全部で38点。)これは、ある観点からは非常に便利です。たとえば、私の持っている本では、The Cambridge Companion to Newtonの351頁にアルステッドへの言及があるとあります。ということで、351頁を見ると、Alan Gabbey の「ニュートン、能動性原理、と機械論哲学」の注で、アルステッドの神学書を引用しています。アルステッドによれば神の働きは、フィジカルでもメタフィジカルでもなく、ハイパーフィジカルだ、ということです。
ちいさいちびが4時に目覚め、6時まで起きていました。そのせいで、私は8時。明日は、編集委員会の前に校務があるので、今日の午前中に編集委員会の準備をすませます。
年末調整の季節となったようです。銀行や保険会社から証明書が送られてくるようになりました。
杉並区から、住民基本台帳の住民票コードが送られてきました。
本日の新聞の夕刊が、2003年度の経済財政白書が「高齢化と人口減に警鐘」を鳴らしたと報じています。一つの国の経済活動にとって、人口はもっとも基礎的な変数です。いろんな側面で、人口減のもたらす影響を研究しておく必要があります。この白書は、やっと、という感じです。
明日、次の情報を学長室サイトに掲載します。
情報処理センター長が、平成15年度工業標準化事業功労者に対する経済産業大臣表彰を受けたこと。(表彰式。平成15年10月14日(火曜日)午後9時半より東京都千代田区大手町1-8-3JAビルにて挙行。)
6時。少し仕事をする時間がとれるかと思ったら、おおきいちびがすぐに起きてきて、もくろみがはずれました。こういうのは仕方ありません。
仕事を終え、7時過ぎにうちに帰り着くと、ちびどもは寝ていました。幼稚園のお友達が数人遊びに来て、昼寝もせずに喜んで遊んでいたのだそうです。ということで、夕方すぐに寝てしまったよし。そろそろ提出締切が近づいてきたので、諦めて、科研費の申請書類作りに着手しました。2つ作らないといけないので、たぶん、これでぎりぎりです。
本年度に修士論文や、卒業論文を執筆する学生諸君へ!
これからの時期が重要です。まわりの雑音を排し、しっかり論文に集中する時間をできるだけながく確保して下さい。卒業論文においては、最低1ヶ月の集中する時間がほしい。東浩紀氏のはてな日記がなかなかすごいことになっています。そして、そのすごいことを東氏自身が自己分析しています。ネット上の日記と掲示板のシステムの生態の1例&分析を東氏自身が提供してくれていることになります。
朝方、日本のアマゾンより次の3冊が届きました。
ウルリヒ・ベック『危険社会―新しい近代への道』東廉・伊藤美登里訳、法政大学出版局、1998
仲正 昌樹『「不自由」論―「何でも自己決定」の限界』ちくま新書、2003
長山 靖生『若者はなぜ「決められない」か』ちくま新書、2003
ちいさいちびが4時に目覚めて、おとなしくしていたのですが、なかなか寝付けない様子でした。ミルクを飲んだり、抱っこをしてもらって、やっと5時20分に寝付きました。ということで、私は、5時20分。→夜半から雨。6時頃から雨足が強くなりました。これはけっこう降りそうです。ガリレオ計画について、読売新聞の社説が取り上げていました。アメリカのペンタゴンが運用しているGPSに対抗するものとして、EUがすすめているGPS衛星プロジェクトです。金額としては、4千億円から5千億円を見込み、2008年運用開始を目指しているとあります。民間コードを無料で開放しているペンタゴンの方針が、どういうふうになるのかわからないので、判断が難しいのですが、無料で開放を続けてくれるのであれば、それを利用し続ければよい、という考えは当然あると思われます。(日本以外のアジアの国で、そもそもカーナビがどの程度普及しているのか、まったく知らないことに気がつきました。どなたか、情報があれば、教えていただければと思います。→GPSを利用して、経度、緯度の情報を得るのは簡単です。カーナビのポイントは、地図ソフトにあり、アジアだけではなく、世界でどのくらい地図ソフトが整備されているのか、ということです。)
会議と会議のあいまに少し時間があったので、久しぶりに大学生協によって、次のものを買いました。
『週刊 東洋経済』2003年秋季号:本当に強い大学
『サイゾー』2003年11月号
種田明『世界史リブレット81 近代技術と社会』山川出版社、2003
朝日新聞教育取材班『大学激動』朝日文庫、2003
実質的には、どれも雑誌と言ってよいと思います。→『週刊 東洋経済』は、主要な大学を網羅している関係上仕方ないのかもしれないのですが、こちらの見たいと思っていた情報はなし。期待はずれの内容でした。
風邪のせいで、ちいさいちびは夜中中、何度も何度も暴れました。そして、朝は5時半。起きてしまえばいたって元気なのですが、それでなくてもやんちゃるもんちゃの盛りなのに、その度合いがマキシマムを超える勢いです。まいります。→比喩的な意味ではなく、頭が痛くなりました。睡眠不足の兆候です。ちびは、おえねちゃんが幼稚園に行く前に、一度昼寝。昼寝のあとは、機嫌はよくなりました。しかし、こちらの頭痛は、ひどくなり、昼食後、ひとやすみしました。
頭痛が去らないので、ちびを連れて、幼稚園のお迎えに行きました。ちいさいちびは、最近なかよくしてもらっているRSちゃんを見つけると、大喜びで、くっつきむしをしていました。おねえちゃんは、YKちゃんといっしょに砂でままごとをしていました。たぶん、2〜3回目の出迎えですが、幼稚園の様子がかなりよくわかるようになりました。[スプーンの行方 ]
我が家のスプーンがかなり数少なくなっています。私が愛用していたものも2本ほど見つかりません。どうせ、ちびどもが遊びでどこかにしまったに違いないということは分かっていたのですが、ちびどもに聞いても場所は分かりません。昼間小さいちびがポット(魔法瓶)で遊んでいて、助けを呼んでいます。何かと思って、ポットの中を見ると、なくなったスプーンが4本ありました。やられた!です。全く想像も出来なかった場所にしまっていました。科学技術振興機構によるREAD(研究開発総合ディレクトリ)の更新の文書が来ていました。ウェブでも、更新作業ができるとありましたが、アクセスしてみるとあまりに面倒なので、紙媒体に新しい研究業績だけ追加して終了としました。あっちでも、こっちでも、フォームの微妙に異なる、しかし実質的内容の同じ作業をさせられるのは、正直、面倒です。
おそらく、今日中に、66666アクセスを通過します。この件に関して詳しくは、Link Freeのページをご覧下さい。→午後8時半には通り過ぎていました。
ちいさいちびが起きて、6時半。リズムとしては、7時まで寝ていたかった。
天気が下り坂かと思いましたが、持ち直して晴れてきました。私はわりと研究室の窓を開けておくことが多いのですが、今日は開け放しにしておくと、少し寒く感じました。夕方の8時過ぎに、ネットの調子が悪くなりました。速度が異常に低下しています。使用量が急上昇という事態も考えられますが、それよりたぶん、J-COMのサーバーの調子がまた悪くなったのだと思います。ftp で30Kのファイルをアップロードするのが、タイムアップで完了しなかったり、通常では信じられない遅さです。こういうときは、待つしかありません。→翌朝には回復していましたが、回復にどの程度時間がかかったのかはわかりません。サーバーの調子の悪い間、このページが外からも見えなかった可能性があります。
夜中はわりとましかと思っていたら、ちいさいちびは、朝方もどしました。6時45分。ミルクの飲み過ぎも原因です。おねえちゃんの七五三の撮影。→9時半から2時間かかるということで、9時前に家を出て、荻窪タウンセブンの撮影スタジオに向かいました。ちょうど9時半に着きましたが、すごい人出。こんなに大勢来ているとは思いもよりませんでした。服を借りて、着付けもやってもらって、姉妹そろって撮影。ちびは、撮影の順番がこないので、まだ、まだ、と繰り返していました。結局、終了は12時過ぎ。近くのそば屋さんで昼食を食べて帰ってきましたが、帰り着いたときはぐったり。
家族揃って7時過ぎ。ちいさいちびは、風邪のせいで、昨夜何度も起きて泣いていました。こちらは疲れますが、起きてしまえばちびはいたって元気。科研費の書類ですが、去年作成した文書も見つからず、なんとなく気乗りせず、一服中。→結局、今日は集中力が回復せず、一日中ぼんやりしていました。
新聞の小さな記事より
イバン・ゲティングさん(アメリカの科学者でGPSの考案者)が11日、91歳で死去したとの記事がありました。第2次世界大戦中は、ドイツのV1ロケットを補足するレーダーの開発にあたったとあります。
すこしゆっくり寝て、7時前。ちびどもは6時過ぎから起きて遊んでいました。
ちいさいちびが風邪気味。夕刻6時過ぎにはじまった会議を終えて帰ってくると、ちいさいちびは妻に抱っこしてもらったままでした。鼻がつまっているのでおくとすぐ起きるということでした。私が下で少し作業をしていると、2階で声。予想通り、もどしていました。ちいさいちびは風邪を引くと、ちょっとした咳でもどすようになるので、夜がけっこう大変です。[中国、有人宇宙飛行船 ii ]
中国の有人宇宙船の打ち上げですが、違和感を拭えない方も、なんで今頃というとても不思議な感覚をいだいている方も少なくないと思われます。現時点で、ポイントをまとめておきましょう。
1.事実の確認
中国発の有人宇宙船「神舟5号」は、現地時間2003年10月15日9時(日本時間10時)、中国北部の酒泉衛星発射センターから長征2Fロケットで打ち上げられた。高度343キロの円軌道を14周してから、16日朝、無事内モンゴルの着陸予定地に戻ってきた。有人宇宙飛行船としては、1961年4月旧ソビエトのボストーク1号(有名なガガーリンの「地球は青かった」)の成功、同年5月のアメリカの成功に次ぐ、国としては第3番目の成功。実に42年ぶりの、有人宇宙飛行という分野への新規参入。
2.技術基盤
中国の宇宙開発そのものは、旧ソビエトの技術の導入にはじまるが、中ソ対立により1960年ソ連の技術陣は中国を撤退。その後は、中国の独自開発。基盤は、ミサイル技術。たとえば、長征2Fの燃料は、ソユーズの液体酸素とケロシンという組合せではなく、四酸化二窒素とヒドラジンという組合せ。この2つは、自己着火生があり、シンプルなロケット・エンジンに向く。しかし、その燃焼によって生じるガスは毒性が強く、最近はあまり使用されない傾向にある。(日本、ヨーロッパ、アメリカのものには使われていない。)四酸化二窒素とヒドラジンという組合せが活用されたのは、弾道ミサイル。長征シリーズも、1965年に開発された中国のICBM、東風5号を原型としている。
3.特徴
スペースシャトルのような新技術ではなく、旧技術ではあるが、ロシアのソユーズやプロトンのように、安定性と信頼性が高い。
具体的には、長征2号は、36回中、32回成功(成功率にして89%)。商用打ち上げの分野においても実績を積んでいる。
(以上、とくに参照したもの。立花隆「日本、無人技術で頂点狙え」『朝日新聞』本日朝刊、15頁&中野不二男「ニュースの科学方程式23」『中央公論』2003年11月号、256-261頁)
ひとりで6時。このぐらいがちょうどよい。早すぎるのも、遅すぎるのもリズムが乱れます。一応、夏休みの宿題は終えたので、次は、いろんな書類作成。気を付けていないと提出しなければならないのを忘れてしまうぐらい、いろいろ来ています。大きいのは、科研費の申請書類。
学期が始めると、通常の業務や会議以外にもいろんな仕事が舞い込んできます。明日は、夕方の6時過ぎから会議。そして、来週の土曜日は、ほぼ終日拘束されることとなりました。仕方ありませんが、とほほ。
ちいさいちびが5時半。仕方なしに、こちらは、6時。→ちいさいちびは明らかに寝不足で、目の下があかくなっています。おねえちゃんが幼稚園に行く前に、妻が寝かせ付けました。午後は、会議。1時から1つ、4時から1つ。
本日午前中に、アマゾンより次の本が届きました。
Jerry Stannard, Herbs and Herbalism in the Middle Ages and Renaissance (Variorum Collected Studies Series.),Ashgate, 1999
全部で17点の論文が収められています。著者ジェリーの写真が初めにありますが、白ひげのごついおっちゃんが映っています。ひとのよさそうな雰囲気です。[中国、有人宇宙飛行船 i ]
帰宅して夕刊を見ると、中国が有人宇宙飛行に成功したというニュースが紙面の大部分を占めています。
神舟5号 成功
第1声
成功の背景
毎日新聞のニュース
前もって有人宇宙船を打ち上げるだろうという観測は、いろんなところに出ていたので、あ、今日だったのか、という感じです。しかし、ソビエト、アメリカに次いで、今頃世界で第3番目の有人宇宙船を打ち上げた中国というのも、何だかな、というところです。21世紀の冷戦の一方の極をになおうというのでしょうか? 中国らしいと言えば中国らしいのですが、アメリカといい、中国といい、大国の大国主義は、世界に不和と不安を高めるだけのもののような気がします。
7時50分。昨夜、ちいさいちびが午前2時頃目覚めて、1時間半近く眠らず、ぐずっていたせいです。あまり大きな声で泣くので、普段は少々のことでは起きないおねえちゃんも一度目が覚めました。妻が1時間あまり、私が30分ほど抱っこしてやりました。
今日はちびの幼稚園の芋掘り会。ちびどもはピクニック、ピクニックと喜んで出かけました。上井草に、サツマイモを掘らせてくれるその種の農場があるようです。[両足で地団駄 ]
小雨の降り始めるなか、2時前に帰ってきました。ちいさいちびは、お友達と別れたのがどうも悔しかったようです、帰り着いて大暴れ。いつも地団駄踏んで怒る子ですが、今回は両足で地団駄踏んでいました。すなわち、ジャンプして怒っていました。気持ちが収まるのを待って妻が抱っこをして、2階に行って、やっと少し落ち着き、そのまま昼寝。疲れていて眠いのに、遊びたい気持ちが強かったのだと思います。
おねえちゃんに話を聞くと、芋掘りはたいへん面白かったようです。ちびどもが疲れ果てて、昼寝している間に、近所の本屋さんに出かけて、『中公』と『文春』を買ってきました。よくわかりませんが、気合いが殺がれていて、手元に積み上げている総合雑誌を読んでいました。最近はほとんど読まない河合隼雄氏の『論座』における連載「大人の友情(4)」を読んでみました。内容は、言ってしまえば、まったく常識的なことなのですが、話の動かし方が絶妙です。そこいらが、河合さんの持ち分なのだと再認識しました。
ちびどもはたぶん6時。わたくしは、6時40分。一転して、快晴。→と思ったら、風が強く、晴れているのに雨の降る不安定な天候に。そして、お昼過ぎから、本格的な雨降り。しかも、かなり強い雨。地下鉄東西線が一時止まるほど短時間に強い雨が降りました。[湯〜トピア ]
ちびがずっと温泉、温泉と言っているので、ちびたちがお昼寝から目覚め、短時間の集中豪雨が止んでから、荻窪のユートピアにはじめて出かけました。定価2200円の入場券が近くのコンビニで1890円で売っているので、途中でそれを買って、荻窪まで電車で一駅出かけました。ちびどもはただでした。予想よりずっと多くの人が来ていました。お湯そのものは、露天があるのと、湯温が40度を割っているのがよかった。(東京の普通の銭湯のように熱いと、ちびどもはまったく入らないので。)
お風呂のあとは、早めの夕食。食べる場所は、ゆったりしていて、使いやすい、味もまずまずのところでした。
多くの人がユートピアが用意してくれた浴衣(ようのジンベエみたいな服)で食事に来ているのを見て、妻は、こういうのは実に日本的な風景だと感想をもらしていました。
24時間営業なので、騒ぐのではなく、リラックスするというコンセプトの飲み会や慰労会に使うのは悪くないと思います。[呉智英『犬儒派だもの』 ]
先月頭に買って、手近な棚に積んであった、呉智英『犬儒派だもの』(双葉社、2003)を作業のあいまにちょびちょび読んでいます。何と言っても、水木しげるのエピソードが傑作です。読んでいて、おもわず、我々が心の底にもっている緊張がほぐれる、そういうタイプの人のようです。いわゆる天然系ですが、どうも男性にだけ受ける天然系のようです。でも、水木しげるは、ほんとうに、おもしろい。
今朝は、おねえちゃんが6時に起きました。残りのわれわれは、6時半。昨夜眠りにつくあたりから雨が降り始めました。久しぶりに本格的は雨降り。→午前中には雨は上がりました。ちゃんとお昼寝をしたら、お外でご飯を食べるというちびとの約束により、5時前に吉祥寺に出て、駅ビルの地下で夕食。その後、少し時間があったので、駅ビルの地下を荻窪方向へ歩いて、SHINSEIDOでちびがみたいというピノキオのDVDを買ってやりました。古いディズニー映画。1940年に「星に願いを」でアカデミー賞最優秀主題歌賞と最優秀作曲賞をとった作品です。長編アニメーションとしては、「白雪姫」に次ぐディズニー2作目とあります。物語の野生とでも言うのでしょう、最近のもののようにお行儀よくしていないところが面白い。ちびどもは、部分部分を喜んで見ています。
第2作が第1作よりもつまらなくなるというのは、一般的傾向だと思いますが、我が家で意見の一致を見ているのは、ピーターパン。第1作は、よく考えると変な話がどんどん展開して、話の展開には納得できないけど、最後まで面白く見ることが出来ました。しかし、第2作は、話に整合性はあるのですが、面白くない。明らかに野性味が失われています。物語の野生 wild 、自然 natural というのは、あるのではないでしょうか。最近あまり話題にならない、政治的正しさ、が物語(の野生や自然)を殺すものであることは、物語を守るものにははっきりしていると思われます。一種の自然保護が必要なのでは、と考えます。
ちいさいちびが起きて、家族全員、6時前。→私は最近朝が早いので、この時間でも問題ありませんが、おおきいちびには早すぎたようです。朝方遊ばせて、早めに昼寝をさせることとしました。昨日の朝からはじめたエッセイですが、半分には達しました。一応ドラフトのようなものはあったのですが、主要な部分は、いちから作文し直しています。
朝方、日垣隆氏の公式サイトを見ていたら、いきなりインターネットとの接続が切れました。どうしたのだろうと思って、ケーブル・モデムを見ると、ケーブルの部分のランプが点滅しています。機器のマニュアルを見ると、ケーブルテレビ側からの信号が弱いとあります。そうだとすればこちらでできることはなく、ずっと待っていました。そろそろ電話しようと思ったら、点滅が終了。再度、インターネットに繋がるようになりました。サーバーの調子が一時的に悪かったのでしょうか。
ルーマニア対日本の国際親善試合を見ました。1対1の引き分け。前半にムトーが得点を決め、後半に再度柳沢が得点を決めました。雰囲気は、練習試合のようでした。日本チームの何人かは明らかに体調がよくなかった感じです。
[カード v ]
前日にCF. としたものについて。
Guajacum = 癒瘡木 [植物]ユウソウボク。ハマビシ科ユソウボク属の総称。熱帯アメリカ産
Lignum vitae グアヤク材
癒瘡木油:潜血検出用試薬、または、リウマチ、皮膚病、梅毒、結核などの治療薬
6時前。風邪はやっとなおったようです。疲れはすこし残っていますが、睡眠の重力にぐいと引っ張られることはなくなりました。今朝から、夏休みの宿題の最後の課題に取り組み始めています。来週水曜日までに仕上げるつもりにしています。もちろん、論文をたった数日で仕上げることはできませんから、エッセイです。目処としては、20枚前後を書く予定です。この夏休み、複数の原稿を書いてみて、月刊誌に連載しているひとたちのしんどさの一端がわかりました。マラソンを走りきったわけではないのに、何だかぜいぜいします。→これが仮にうまく終わったら、次は、科研費の申請書類です。去年落ちたので、上からは是非取れと圧力をかけられています。
机にずっと向かって執筆作業に取り組んでいると、どうしても、息抜きがしたくなります。粥川準二氏日記サイトからはじめて、石猿日記にいたり、そこから、武田徹氏のページに辿り着きました。
[カード iv ]
コンピュータを本格的に使用する前は、カードを大いに活用していました。下に記した文献カードの他に、アイディアを記すにも、グロッサリー作成にもカードを活用しました。古い化学文献を読むのに、グロッサリーは絶対的に必要で、その当時ウェブで検索をすればつかえるものが見つかるという時代ではなかったので、いちいちカードに取っています。History of Ideas の研究にとっては、研究対象の思想家がどういう用語を使っているのかが本質的になる場面は多くあります。その場合にも、もちろん、カードを取っています。(グロッサリー系のカードは、辞書を作成する人々の作るものに同種のものだと思われます。)
これも1点だけ例を示しましょう。
Lignum Nephriticum = 癒腎木 CF.癒瘡木 『光学』(島尾訳)p.364,n.421
メキシコ特有の芳香性の灌木。16世紀にスペイン領メキシコからヨーロッパへもたらされた。
その浸出液は、腎臓と肝臓の病気に効くと信じられたので、リグヌム・ネフリティクム(腎臓病の木)と呼ばれた。
ボイル邦訳,p.86 訳注,p.185 「この木片を水にとかすと青色のフロレッセンスを発する黄色液となるが、これが腎臓病の治療薬に使われた。ボイルはこれを最初にアルカリ指示薬(青のフロレッセンスが消える)として使用した。」
5時。日本対チュニジアの前半途中から見ることが出来ました。柳沢が30分過ぎに先制点。→後半は、どちらにも点が入らず、結局、1対0で日本の勝ち。昨日はばてました。教授会は、6時15分ぐらいまでだったのですが、5時半過ぎからエネルギー切れ。自宅に帰ってきて、風呂に入り、夕ご飯をたべて、ばたんきゅう。
今日はすこしましになりました。7時過ぎに自宅に帰り着いて、疲れてはいますが、昨日のようなことはありません。
東浩紀氏のはてな日記からはじめて、ニュースな本棚「気になる!若手論壇人」というなんだかなというページにつき、そこからサイトー商会に行き着きました。そこから、検索によって日垣隆氏の公式サイト&山形浩生氏のサイトを見つけました。ともに充実していて、面白い。
[カード iii ]
過去のカードをよく見ると、卒業論文のときからカードを取り始めていることがわかりました。卒業論文のときには、読んだ論文(そのときには何と100%英語の論文だけを読んでいました)と洋書だけをカードに取っていました。数で言えば、100点程度とった記憶が甦りました。どんな分野であれ、100点程度しっかり読めば、1段上に上がれるように思います。卒論の題目は「マートン・テーゼ論争の分析」というもので、科学史の世界では有名はマートン・テーゼを巡る論争史を分析したものです。よく考えて選んだテーマというわけではなかったのですが、有名な論争史の分析は、知的訓練として非常に有効でした。その時代のカードをこれもランダムに一つ示しましょう。この論文は、卒論のテーマに直接関わるものではなかったので、この程度です。この程度でもカードに取っておくと、自分のためにはあとになって役に立ちます。(この時代のものは、まだコピーを取った日付も、読んだ日付も記していません。そこまで気が回らなかったのでしょう。)
The Decline and Fall of Restoration Science 'Espinasse, Margaret Past and Present,No.14(1958),347-368. 王立協会における科学と産業の結びつきは、17世紀後半には徐々に小さくなっていった。
科学は産業界との結びつき―功利的側面、実用的関心を失っていき、純粋科学と応用科学のあいだに分離が生じた。
そして、科学は以前の熱(活性)を失った。17世紀の終わりは、英国科学の不振の時代であり、科学の組織には目立った低下があった。
卒論レベルでは、カードを使った方が勉強になるような気がします。パソコンへの入力はあとからでよいような。
ひとりで5時45分。昨日の昼過ぎから悪化した頭痛は、相変わらず。なかなか辛いものがあります。頭が痛くても目は覚めるので、ぼちぼち仕事をこなしています。[カード ii]
研究者仲間や後輩諸子には、役に立つ点もあるかもしれないと考えて、カードの実例をすこし示しましょう。例はランダムにとります。欄外には、コピーを取った日付(90/12/7)と読んでノートを取った日付(90/12/7)を記しています。この表は、ほぼカードの物理的状態に近いものです。
An Evaluation of the Classical Candle-Mouse Experiment Cohen, Leonard A. J.Hist.Med.,11(1956),127-132 「火のついたろうそくとネズミを別々に容器に入れて、真空ポンプを作動させる。だいたい日が消えると同時に、ネズミが死ぬ→燃焼と呼吸は同一実体に依拠する。」 という古い説明(ボイルの古典的実験とその結論として)は間違い。
ボイル自身後に実験しなおしているように、ネズミは炎が消えたあともずいぶん長く生きる。
p.130 コーエン自身が1リットル容器で行った実験では、ローソクは平均19分で消えるがネズミはだいたい2時間は生きている。
[ローソクが消えたときの酸素濃度14.80%--ネズミが死んだときに酸素濃度3.5%]
p.131 ボイルの実験をややこしくしたのは、彼が真空ポンプの作動中にこの実験を行ったこと。このときには確かに炎が消えるのとネズミが死ぬのはほぼ同時。しかし、真空ポンプにかけないでふつうに実験すれば、最低で数倍の差が出る。
p.129 ボイルは後に可能な解釈を3通り出している。
この論文は、些細といえば些細な論点を扱っていますが、こういう科学的事実の提示は、直接自分の書く論文には引用しなくても、知っていて悪くないことがらです。
ひとりで6時半。体調はましにはなりましたが、朝起きても軽く頭痛が残っています。この頭痛は、疲れが抜けていないしるしです。→時間がたつにつれ、頭痛がひどくなってきます。[カード i ]
大学院に入った頃から、カードシステムを利用しています。とくに、論文は、しっかりカードを取っておかないと、いざというときにつかえないでの、コピーを取った時点で、しっかりカードをつけ、読んだあとで、そのカードにノートを取っています。
コンピュータを本格的に利用するようになってから、どうするのか、迷っていました。過去のカードを全部入力できると、カードからおさらばできますが、全部入力はあまりに大変な作業で、さすがに着手もしませんでした。1994年機会を得て、ロンドンに留学したとき、所持論文・所持洋書のカードは持っていき、2〜3日集中して、書誌情報だけは全部入力しました。それ以降は、原則、ともかく、入手したときに、普段使っているエディターで入力する作業だけは行っています。
大学院入学が1981年ですから、約15年間はずっとカードシステムでやってきたことになります。その結果、我が家の本棚に3段分、研究室の本棚に2段分のカードのストックが出来ています。
先日、来年度の授業の準備のために、ノートを取っているカードをざっと見ていました。記憶にははっきりしているのに、どうしても見つからないカードが出てきました。ノートを取ったカードは全部自宅に集めたはずなのですが、2000年に大学の引っ越し、2001年に我が家の引っ越しがあり、整理が行き届いていないことを考えれば、大学においてあるに違いないということで、昨日、大学の研究室を捜しました。すぐに見つかりました。
検索ということで言えば、コンピュータの方が圧倒的に便利です。また、原典からのしっかりとした翻訳をファイルに入力しておけば、論文執筆のときに、ほとんどそのままコピーペーストでつかえたりして便利です。
しかし、一種の記憶術ということで言えば、紙に記したカードの方が実は便利です。形式的には私の場合、B6のカードをカードバインダーにとじています。そのバインダーを本棚から引っ張り出して、過去にカードにとったノートをどんどん読んでいくのは、一種のブレインストーミングとなります。
もちろん、コンピュータを使った場合も、紙に打ち出して、バインダーにファイルしていますが、普通のA4用紙だと紙が弱くて、長く使っていると破れてきます。もちろん、少し丈夫な紙にプリントすれば済む話ですが、いちいち日常使ってる紙と違う紙をプリンターに入れるのが面倒で、結局、プリンターに入っている紙をそのまま使うことになります。
結局、物理的形態としては、古いB6のカードシステムが一番便利ということになると思います。
もちろん、もうB6カードに手書きノートという時代に戻ることはできないので、今後はずっとふたつのシステムが併存することになります。[総合雑誌]
昼食後、近所の本屋さんで、次の4冊の雑誌を買ってきました。
『論座』2003年11月号
『現代』2003年11月号
『小説新潮』2003年10月号
『つくる―The Tsukuru 創』2003年11月号
ふだんほとんど手に取ることのない『小説新潮』は、山本夏彦一周忌記念特集を読みたくて、買ってきました。学生時代は、彼のエッセイを愛読していました。週刊誌に連載をはじめた頃から買って読むことはあまりなくなりましたが、それ以前のものはたぶん全部持っていたはずです。パソコンはもちろん、カードに記録を取り始める以前の愛読書なので、記録はありません。行方もわかりません。
ちびどもが起きて、6時。まあ、ぼちぼちです。→3コマの授業を終え、帰ってきました。風邪あけの体にはすこししんどかった。なんとかできますが、途中で、エネルギー切れを感知しました。週末、風邪のあいまに、論文の完成作業を少しづつ進めました。注の書式も、よく見ると細かい点がけっこうばらばらで、手元にある ISISにあわせて統一しました。また、注の指示する箇所がずれているのも見つかりました。
そして、英語のサマリー。こっちは、作文途中です。→03.10.8 Native Checkを受けていないので、どうもいまいちですが、あまりもたもたしている余裕はないので、一応完了として、全体を完成させようと思います。→完成させて、提出しました。夏休みの宿題は、あとひとつ。来週中に完成させようと思います。大学に着くと、ハンターさんが次の別刷り (offprint) を送ってくれていました。こういうのはほんとうに助かります。
Michael Hunter & Lawrence M. Principe ,"The Lost Papers of Robert Boyle",Annals of Science,60(2003),pp.269-311.
なお、pp.282-311 はリストです。
同じく、BJHS の最新号が届いていました。こちらの目次は、北大科学史MLに投稿しました。後ほど、 科学史の部屋にも掲載します。
7時。調子はまだまだ。腰痛に肩痛。
ここ数日、朝窓の雨戸をあけると、金木犀の香りが部屋のなかに入ってきます。道を歩いていても、金木犀の香りが舞っているようですし、黄色い花が満開(?)の木もよく見かけます。調子はまだまだですが、明日は授業があるので、最近の宇宙関係のニュースをフォローしました。毎日インターラクティブの宇宙・天文ニュースに、基本情報が1999年以来月ごとにまとまっていて、とても便利です。
そこから1点のみ。日本がはじめて人工衛星の打ち上げに成功したのは、1970年です。スプートニック1号から遅れること13年です。そのとき打ち上げられた衛星は、手で持つことのできるちいさな「おおすみ」でした。その「おおすみ」は33年間宇宙空間にあったあと、今年になって、成仏した、というニュースが出ていました。ちいさいちびの2歳の誕生日。小さいちびは、最近、おねえちゃんの幼稚園で、おねえちゃんのクラスの子によく遊んでもらっているようです。ちびはちびどうしということで、おねえちゃんのクラスの弟・妹たちに、少し仲間が出来たようです。一歳年上で仲良くしてもらっている子がいるということですが、夏休み前は頭半分小さかったちびが夏休みがあけてみると、ほとんど同じ背になっていたということです。重くなったのは実感していたのですが、身長は、あまり気付きませんでした。
6時15分。昨日と似たような感じです。回復にはもう少し時間がかかるようです。→寝たり、起きたり。1時間仕事をすると、1時間休むという感じです。集中力は1時間しか持続しません。→夜になると、肩もかなり痛くなってきました。
6時。少し頭が痛い。→頭痛がなおらないので、吉祥寺の井の頭公園の運動場の近くで行われるちびの運動会には行かずに、休んでいることにしました。→疲れは、翌日出てきたようでダウン。いつもの10倍程度の重力を感じます。
昨日は、12時半〜2時、4時半〜6時と、2つの会議に出席して帰ってくると、よれよれでした。ともかく、体が重く、すぐに疲れます。崩れるように8時過ぎに布団に着きました。→汗をかいて、夜中の1時過ぎに目覚めました。下着とパジャマを着替えて、でも、少し目が覚めたので、こうして机に向かっています。じゃっかんこなすべき仕事をこなして、また寝ます。おおきいちびといっしょに、6時50分。朝方に、もう一度休みます。それで、午後ずっと続く授業はなんとかやれると思います。→初日は何とか無事に終了しました。疲れは残っていますが、昨日よりは楽です。さて、明日は、おねえちゃんの幼稚園の運動会。いつもより1時間近く朝が早くなります。
粥川準二氏の日記サイトで、松沢呉一氏による出版不況についての記事を読みました。雑誌がどんどん減っていくのは寂しいのですが、読みたい雑誌があまり出ていないのも事実です。本日のゼミの時に学生に聞いてみましたが、20歳ぐらいの世代に共通する文化(サブカルチャー)というものがなかなか成り立たない時代になってきたようです。ドラエモンは子どものときほぼみんな見ていたり、映画の『マトリックス』もみんな見ているようですが、共通に読んでいる小説というのもありませんでしたし、割と多数が読んでいる雑誌というのも見つかりませんでした。音楽が一番共通項として存在するようですが、それも、かなり分かれていました。一度、きちんとした調査をしないといけないかな、と思います。
6時。風邪のせいで、不思議な夢を見ました。45歳になりました。午後から会議が2つ。会議ではじまるよりも、授業ではじまる方がよいのですが、まあ、仕方ありません。
[ラヴジョイ『人間本性考』]
昨夜、論文の完成作業とか、授業の準備とか、他にやるべきことが多くあったのですが、風邪のときは集中力が持続せず、つい、机の上を片づけていて目に付いた(8月20日に新宿紀伊国屋で購入した)次の本を読み始めました。
アーサー・O.ラヴジョイ『人間本性考』鈴木信雄・市川義章・佐々木光俊訳、名古屋大学出版会、1998
第1章は「自己省察する動物」と名付けられています。近代的自己とは、自己意識する自己である、というそういう見方の起源を扱ったものだと予想していました。しかし、違いました。
驚きました。盲点をつかれた、と言えばよいのでしょうか、私もこの時代の子であることをはっきりと意識させられました。時代の共有した気分・暗黙の価値観を照らし出してくれる点で、思想史は価値がありますが、まさにそうした思想史の優れた仕事です。
「精神は常に心情に欺かれるものである」(ラ・ロシュフーコー)
「人間本性は、行動を惹起する動機をありのままに表明することはない」
「殆どの人間は、意志に仕えさせるべく理性を差し出す」(ハリファックス卿)
マールブランシュが平明な言葉で次のように語っています。
「先ず情念が想像力に作用し、ついで、想像力が情念に汚されながら、理性を稼働させ事物の姿を描く。だが、理性が描く事物は、事物本来の姿ではなく、現在の情念の影響の下で描かれるため、理性は情念が欲する判断を下すことが可能になるのである。」
一言でまとめれば、人間の理性の働きを支配しているのは、(そもそも)汚れた心である。つまり、17世紀・18世紀においては、人間本性に対して、基本的に悲観的な見方(汚れたものと見る、あるいは堕落したものと見る立場)が支配的だったのである。
行動としては、「人間は人間に対して狼である homo homini lupus」。人間ほど、同じ種に対して、野蛮で破壊的なものはない。
我々の時代は、基本的には進化論的な見方が支配的であり、人間本性に対しては楽観的な見方が基調になっています。戦争の悲惨に対して、20世紀においても、「人間は人間に対して狼である」ということは言われましたが、それが人間本性に由来するという見方ではなかったと思われます。
もう1点、私が17世紀・18世紀の見方に賛同して、現代の見方に賛同しない点があります。それは、プライド(高慢さ)に対するものです。現代の日本では、「プライドを持て」という言葉が、「プライドを捨てろ」という言葉よりずっと多く口にされると思います。しかし、ラヴジョイをそのまま引用すれば、「無数の人々は、あらゆる時代を通じて、自分自身を高く評価しようとする人間の性向の中に、すなわち普通「高慢さ(pride)」と呼ばれている人間の性向の中に、人間が帯びている主要な愚劣さや根元的な罪、さらには最も憂慮されるべき人間の危険性をはっきりと認めて」きたのである。
他人に対してであれば、このことは、よくわかると思います。プライドばかり高くて、まったくつかえない、困った人は誰のまわりにもいるのではないかと思います。今の日本社会には、古い時代のように、プライドが人間の悪の主要な源泉であるという認識はないと思われます。私が違和感をずっと感じているのは、この点です。一言でいえば、甘い、あるいは甘やかしている、と言えるのではないでしょうか。
月が変わったのをきっかけに、去年の同じ頃の日記を読み返してみました。去年も誕生日前後は風邪を引いていたな、という曖昧な記憶があったのですが、その通りでした。去年の方が重症でした。この時期は、季節の変わり目で、夏休み以来の仕事の疲れが出てくるのだと解釈しています。→一昨年のも読んでみました。そう、一昨年は、したのちびが生まれたのでした。その前の年も読みました。2000年の夏は大学の引っ越しでした。