ちびどもは7時過ぎ。私は7時半。秋晴れ。快晴。
最近プロ野球は見ないのですが、昨夜、阪神優勝のシーンは見ていました。見ていたのは優勝のシーン10分だけです。[鉱山のパラケルスス]
昨日読んだ旅行記に次のようにあります。
「私はここで次のように教えられた。パラケルススは、かなりの期間この地に住んで、ここに実験室を建て、ヴィトリオル、アンチモン、シナバー、銅、銀、金について実験を行った。そして、トランシルヴァニアに出立する際に、金細工師たる主人に対して、一片の銅を銀に変成してみせた。」
この地とは、Newheusel です。現在でもハンガリーにこの地名の町があります。手元の辞書では、読み方はわかりません。
ちょっと気になったので、この情報を確かめようと、手元になるパラケルスス伝をひっくり返してみました。ハンガリーの首府、プレスブルクを訪れていることは、種村氏(77頁)が書いていましたが、どの鉱山でどういうことをしたのかまでは書かれていませんでした。
ということで、ウェブで調べてみました。上記の件はまだ解決がついていませんが、次の論文に出会いました。
Vladimir Karpenko and John A. Norris, "Vitriol in the History of Chemistry", Chem. Listy 96(2002), pp.997-1005.
これは、こういう論文はあるだろうという論文です。1点だけ紹介しましょう。16世紀、17世紀の文献で、「マーカサイト」とあればそれは「パイライト」と同義語です。
まず、現在の意味から。パイライトは、黄鉄鉱です。FeS2。比重は、4.95 - 5.10。似たものに、カルコパイライト=黄銅鉱があります。CuFeS2。比重は、4.1 - 4.3。
マーカサイトは、白鉄鉱。組成は黄鉄鉱にほぼ同じで、FeS2。比重は、4.85 - 4.90。450度に熱すると黄鉄鉱にかわる。
ということで、現在でも、パイライトとマーカサイトはほぼ同じものです。(化学組成が同じで、結晶形態がいくらか違う。)
しかし、古くはマーカサイトは分類上もうすこし上位の概念です。(たとえば、種ではなく類、のように。)ボイルでは、「植物、動物、マーカサイト、石、金属」あるいは「金属、マーカサイト、石、あらゆる種類の植物体、動物体、そしてガラスそのもの」というふうに並べています。
レムリは、「マルカサイトは金属の排泄物、もしくは金属成分の浸み込んだ土に他ならない。」と言っている。
いろんな鉱物の比重を扱った著作で、ボイルは、次のように述べている。
「そして、私は思い出しました。経験豊かなケントマンが出版した、ミスニア(マイセン)のフォッシルのカタログには、パイライトの項目あるいはタイトルのもとに、いろんな種類のマーカサイトを取り上げています。銅を含むもの、銀を含むもの、金を含むもの、金と銀の両方を含むものです。」
その直前で、マーカサイトには鉄、銅、銀、金、水銀の粒子を含むものがあり、ゆるやかな意味では金属体の一種と言えないこともないが、厳密には、金属鉱石ではない、とあります。つまり、レムリの定義にほぼ等しい。
別の箇所では、マーカサイトは、「ヴィトリオルのペアレント、あるいは子宮」だと言っています。
ところで、この「マーカサイト」をどう訳せばよいのでしょうか? 簡単にはこういうふうにカタカナで表記しておけばよいのですが、ボイルを読む限りでは、内容的には、イオウを多く含む金属光沢のある石ぐらいでしょうか。訳語としては、硫化鉱物?
とくにボイルの目を引いたのは、白鉄鉱が空気中の水分と反応して、硫酸鉄(水溶性)にかわることです。だから、ヴィトリオル(礬類)の母胎。今日は、明日の理事会&編集委員会の準備。といってすぐにすみました。前回の編集委員会から投稿がほとんどなかったせいです。委員会としては、前の日、準備に追われるぐらいがよい。
週明けからいよいよ後期の授業が始まります。夏休み明けといって、もうすっかり秋です。こちらは、いろいろ準備が必要となります。
46歳最後の日。つまり、明日47歳になります。ちびどもは、とにもかくにもケーキが楽しみ。明日私は午後でかけますから、一日早めにケーキ。この子達はほんとうによく食べます。
ちびどもといっしょに7時15分。おおきいちびはおそらく30分ほど前に目覚めていました。今日は晴れて、久しぶりに25度近くまで気温が上がるようです。電車のなかで、『PC MODE』2005年11月号を読みました。「グーグル検索技100」という特集が目的でした。100のうち、フレイズ検索 " " が収穫でした。
ちびどもといっしょに家をでて、大学へ。まず相互貸借で届いていた次の書物を図書館で受け取りました。
Margaret Canney and David Knott (compiled),
Catalogue of the Goldsmiths' Library of Economic Literature
Vol. 1: Printed books to 1800
London : Cambridge University Press for the University of London Libary, 1970
予想通り、浩瀚な書物。各年度毎に、このコレクションの分類方針、すなわち、
1.一般
2.農業;漁業、鉱業、測量 、不動産関係書も含む。
3.穀物条例;農業、財政、商業上の書籍 など。
4.人口;
5.取引および製品;実用書、一般科学技術書 を含む。
6.商業
7. 植民地
8.財政
9.運輸
10.社会 情勢
11.奴 隷制
12.政治
13.社会学
14.その他
に従って配置されています。仕方のないことですが、かなり見づらい。このカタログをみて、目的の本を探すのは、探す本の書誌情報がわかっているときには難しくありませんが、辞書的に使うにはやっかいです。(索引も第1巻にはありません。)直接サイト検索をするのが最良のようです。このカタログを半分ぐらい見た後、昨日プリントした、Dr. Merin's Journey to the Mines of Hungary in Collection of Voyages and Travels,Vol.4, pp.762-766. を持って食堂へ。たった5ページのものなので、食事の前後で読んでしまいました。思ったより、面白いものでした。
著者は、1615年にパリを発って、1616年3月にパリに帰還しています。当時のハンガリーは、旅行するにはとても危険な場所だったようです。すごい用心をしています。ちょっと今では想像できないぐらいの僻地、辺境の地であったようです。
冒頭にパラケルススの言葉を引用しています。「鉱山は、哲学者にとって最良の学校である。」
クレムニッツ、シェムニッツの鉱山を訪れて、煙突のような坑道に鉱夫といっしょに入っています。今読んでもその労働条件の悪さが伝わってくる、すごい環境で鉱夫は仕事をしています。鉱山の悪気(毒を含んだ発散気)のせいで、鉱夫は早死にする。15歳で子どもをもつ、とあります。
なお、この当時のハンガリーの首府は、旅行記には、Polineum (Presburgb) とあります。調べてみると、現在は、Bratislava = Pressburg (in German), Pozsony (in Hungarian) という名前で、スロバキア共和国の首都。ハンガリーとの国境にある町です。
カタカナでは、ブラティスラヴァ、プレスブルク、ポジョニ。
ついでに、ギリシャ語では Istropolis (イストロポリス)、ラテン語では Posonium (ポソニウム)。他に、歴史的には次の語形があります。Poson, Brezesburg, Bosenburg, Brecesburg, Brezisburg, Bresburc, Preslawaspurch, Prespurch, Bosan, Preburch, Bosania, Bresbruch, Prespuerch, Brespurg, Posonia, Possen, Bosonium, Brezburc, Brisburc and so on.[MOME ix]
上のゴールド・スミス図書館のカタログで気付いた次の2点を大学でダウンロード。
Pettus, John, Sir.
Fodinae Regales. Or the history, laws and places of the chief mines and mineral works in England, Wales, and the English pale in Ireland. As also of the mint and money. With a clavis explaining some difficult words relating to mines, &c.
London, 1670
The Practical distiller: or, a brief treatise of practical distillation. In which the doctrine of fermentation is methodically explainユd in a new method. With the description of a new engine-still, engraved on a copper-plate; which, for its dispatch of business, is preferable to any other. To which is added, by way of appendix, a treatise of making artificial wines from several fruits of the British production, interspersユd with many useful reflections and observations.
London, 1718.
以下はダウンロードしたまま、情報の記載を忘れていたものです。
Linden, Diederick Wessel.
Three letters on mining and smelting; in which a method is laid down, whereby these useful sciences may be greatly improved.
London, 1750.
ついでにガリカからのも。
Roberval, Gilles Personne de (1602-1675)
Aristarchi Samii de Mundi systemate, partibus et motibus ejusdem libellus adjectae sunt Ae. P. de Roberval...
Parisiis : A. Berthier, 1644
Roberval, Gilles Personne de (1602-1675)
Divers ouvrages de M. de Roberval
Paris : [Impr. Royale], 1693.
Roberval, Gilles Personne de (1602-1675)
De mundi-systemate
apud Marin Mersenne, Novarum observationum physico-mathématicarum. Tomus III
Paris : A. Bertier, 1647
Roberval, Gilles Personne de (1602-1675)
Traié de mé chanique des poids soustenus par des puissances sur les plans inclinez à l'horizon : des puissances qui soustiennent un poids suspendu à deux chordes
Paris : R. Charlemagne, 1636 Pascal, Blaise (1623-1662).
Récit de la grande expérience de l'équilibre des liqueurs
Paris : C. Savreux, 1648
Pascal, Blaise (1623-1662).
Traitez de l'équilibre des liqueurs et de la pesanteur de la masse de l'air contenant l'explication des causes de divers effets de la nature qui n'avoient pas esté bien connus jusques ici, & particulièrement de ceux que l'on avoit attribuez à l'horreur du vuide
Paris : chez Guillaume Desprez, 1663
ちいさいちびは6時過ぎ。私は7時半。今日も気温は20度前後で推移するようです。[旅行記集成]
9月23日に記した次の2点の旅行記ですが、もともとのヒートンの表記がひっかかります。つまり、巻数を間違えて転記しているように思われます。たいしたことではないのですが、調べてみました。
Dr. Merin's Journey to the Mines of Hungary in Dr. Hayley's Collection of Voyages and Travels.Vol.2.
Ovalle's Description of Chili in the same Collection. Vol. 4.
13554冊を含むデジタル・ライブラリーEarly Canadiana Onlineに、もとの旅行記集成がありました。各巻700頁を超える6巻本の大きな旅行記集成です。パーチャスに収録されたものは、再録はされていないようです。
巻数ですが、正確には、次の通りでした。
Dr. Merin's Journey to the Mines of Hungary in Collection of Voyages and Travels,Vol.4, pp.762-766.
Ovalle's Description of Chili in the same Collection, Vol. 3, pp.1-146.
なお、第2巻には、ボイルが愛用した『キャプテン・ジェームズによる、北西航路を求める危険で不思議な旅』が採録されています。タイトルはフルには次の通り。
Awnsham Churchill (d. 1728), John Churchill( fl. 1695) eds.
A Collection of voyages and travels: some now first printed from original manuscripts, others now first published in English : in six volumes with a general preface giving an account of the progress of navigation from its first beginning.
London : 1732.なお、Early Canadiana Online は、1万3千冊を超える大きなデジタル・ライブラリーです。しかし、科学史・技術史に関係するものはそれほどありませんでした。(いくらかはあります。)
検索方法はいろいろありますが、 主題別が探しやすいように思います。
Geography et al. には、他に、パーチャスの旅行記集成が2種類採録されています。画像のトップページが背表紙。それから、表表紙、裏表紙、と続いています。文字の印刷されていない白い紙まで画像としてアップされています。物理的状態がよくわかります。
ちいさいちびといっしょに6時。最低気温が20度を下回ってきました。[歯痛]
歯痛がひどくなってきました。自分では虫歯の感覚ではないのですが、まあ、歯医者さんに診てもらえばわかるだろうと、午後3時に予約して、歯医者さんに行ってきました。左下の親不知のあとが腫れていました。やはり虫歯ではなく、歯茎の細菌感染。
虫歯ではないのでリラックスしていたら、治療の一発目が思わず声を出すほど痛い。瞬間涙目になっていました。その後はそれほど痛くなかったのですが、近くの薬局で薬をもらって帰ってくると激痛。何もできません。痛みの激しいとき用ということで鎮痛剤をくれていましたが、それを飲んで布団のなかにもぐりました。30分ほどで薬が効いたのでしょうか、寝入っていました。
虫歯ではありませんが、激痛は虫歯のときと同じです。ちょっとぜいぜいしてしまいました。
お風呂にはいったときに口のなかを見てみました。化膿した部位を切っていました。痛いわけです。[MOME viii]
ウェブで検索していると、イギリス政治史料(18世紀以前) と所蔵機関というページにであいました。EEBO についても、 Goldsmith-Kress Library についても、まとまった紹介があります。文献名;資料形態;所蔵機関;資料解説からなっています。
(オンライン化については触れられていません。)
なお、この検索の際に、マイクロのデジタル化を業務とする会社の案内に遭遇し、読んでみました。実は、マイクロフィルムそのものは使い勝手がよくない。それを、画像でコンピュータで取り込んで、tiff やpdf ではきだしておくと、非常に使いやすいもののになります。日本では2000年前後から本格的に業務化されてきたようです。
値段がでていなかったので、どの程度費用がかかるのか、はっきりとしたことはまだわかりませんが、見積もりをとって値段が妥当であれば、利用してみようと思っています。マンハイム大学のカメナから、ツヴィンガーの『普遍医学要諦』をダウンロードしました。
Zwinger, Theodor (1658-1724)
Compendium Medicinae Universae
Basel, 1724
第1巻は次のような構成です。
Praeliminaria, Prolegomena
EPITOME INSTITUTIONUM MEDICARUM:
PHYSIOLOGIA
PATHOLOGIA
SEMEIOTICA
HYGIEINE
THERAPEUTICA
PYROTECHNIA RATIONALIS, SIVE COLLEGIUM CHYMICUM
SCHRODERUS DILUCIDATUS: SEU Commentarius in IO. SCHRODERI Pharmacopoeam Medico-Chymicam:
SECTIO I. De PHYTOLOGIA, Seu Regno Vegetabili.
SECTIO II. De Zoologia seu Regno Animali.
SECTIO III. De Regno minerali.
並んでいる次のものもダウンロードしておきました。
Blanckaert, Steven (1650-1702)
Lexicon medicum
Halae Magdeburgicae: Apud Io. Gottl. Bierwirth, 1748
ちびどもは6時45分。私は7時15分。快晴。今朝から、左右ともに奥歯またはその周辺の歯茎が痛い。昨夜はちびといっしょに寝てしまったので、疲労があるのかも知れません。
保険証の更新のために、ちびどもといっしょに家をでて、大学へ。図書館で何点か調べものをしたほかは、研究室で昨日ダウンロードしたスウェーデンボルグの『鉱物全書』を部分的にプリントアウトして、構成をチェックしていました。3巻を1冊に綴じて、全部で1500頁を超える浩瀚な書物です。なかみを手で調べてみないと、様子がつかめません。鉱物博物誌あるいは、鉱物に関する学説集成として使える書物だといういうことがわかりました。とくに、第2巻は鉄、第3巻は銅、というふうに対象鉱物・金属をしぼっているのがよい。
[MOME vii]
私の環境では必ずしもうまくいかないこともあるのですが、The Making of the Modern Economy List Finding のページがありました。Goldsmiths'-Kress Library of Economic Literature - Microform Collection のどのぐらいを収録しているのか、まだよくわかりませんが、substantial な部分はリストアップされている感じです。
かぞくそろって6時45分。打ち合わせのため、午後、早稲田大学理工学部へ。戸山口から一番近い門が閉まっており、テニスをしている学生に聞いて、正門にまわりました。そのせいで、10分近く遅刻。とくに何かをしたわけではありませんが、ちょっとした睡眠不足で元気なし。残った5人で昔はよくあったタイプの茶店にはいりました。ちょうど7時に帰宅。
[MOME vi]
本年1月18日に、16世紀に出版された鉱山技術書&冶金術書について、中心的な3冊を紹介しています。
ビリングッチョ『ピロテクニカ』(1540)
アグリコラ『デ・レ・メタリカ』(1556)
エルカー『鉱石と試金について』(1574)
さて、ヨーロッパ中央部(昔の言葉では、東ヨーロッパ。ドイツ東南部、チェコスロバキア、ハンガリー)の鉱山地帯に関する、もっとも生の情報、鉱夫の世界を紹介したものとしては、次の3冊が中心的なものです。
アグリコラ『デ・レ・メタリカ』(1556)
マテジウス『ザレプタ:鉱山説教』(1562)
アルビヌス『マイセン・鉱山クロニカ』(1590)
この3冊ですが、後世に対する普及度では大いなる差異があります。まず最初に忘却されたのが、アルビヌス。マテジウスはもう少しもっています。17世紀後半にボイルが友人のつてを辿って入手しています。アグリコラは、鉱山技術に関する金字塔として今世紀に至るまで記憶され続けています。
ドイツ語圏では、それでもわりとながく3者ともに記憶されています。そのひとつの証左が18世紀終わりから19世紀にかけて構想・執筆されたベックマンの総合技術史です。
『発明の歴史についての論文集』(1780-1805)
25年かけて、5巻20冊(各巻4冊)が刊行されています。
これをジョンストンが英訳しています。『発明・発見・起源の歴史』(1814)。
この英訳からの重訳が邦訳として存在します。
ヨハン・ベックマン『西洋事物起源』3巻、特許庁内技術史研究会訳、ダイヤモンド社、1980-82。
(最近岩波文庫にはいったようです。)
「コバルト、呉須、花紺青」の項(619-631頁)に次の形で3人の名前が並んでいます。
「アグリコラもマテシウスも呉須について言及していないのである。アルビンは、自分の知識の大部分を実際にはこの二人の著作者から得たのであるが、呉須に関しては一言も述べていない。」
マテシウスは「亜鉛」の項でも言及されています。
なお、マテシウスに関して日本語で読めるもっとも充実した記述は、やはり記念碑的な次のものにあります。
ベック『鉄の歴史』(中沢護人訳、たたら書房、1978).
原著は19世紀末。Ludwig Beck, Die Geschichte des Eisens in Technisches und Kulturgeschichtlicher Beziehung,Braunschweig, 1897
もしかしたら、ペトルス・アルビヌスは、日本語のサイトでははじめての言及かもしれません。
Albinus, Petrus
Meissnische Bergk Chronica:
Darinnen fürnehmlich von den Bergkwercken des Landes zu Meissen gehandelt wirdt, wie dieselben nach einander auffkomen. Mit welcher Ursach und Gelegenheit auch anderer benachbarten, und zum teil abgelegenen Bergkwercken, fast in gantz Europa, etwas gedacht wird, damit man sehe, wie die Bergkwerge nach einander belegt worden. Und entlich von allen Metallen und Metallarien, das ist: Den jenigen Erdgegewechsen, so man zu den Metallis zu rechnen pfleget, welche im Lande zu Meyssen gefunden werden. Geschrieben durch Petrum Albinum
Dreszden : bey Gimel Bergen, 1590
似た書名に次のものがあります。
Meissnische Land und Berg-Chronica, in welcher ein vollnstendige description des Landes, so zwischen der Elbe, Sala und S&uum;döischen Behmischen gebirgen gelegen, So wol der dorinnen begriffenen auch anderer Bergwercken, sampt zugehörigen Metall un Metallar beschreibungen. Mit einuorleibten fürnehmen Sächsischen, Düringischen und Meissnischen Historien
Dreszden : [s.n.], 1589
この2冊は、1冊に綴じられていることが多かったようです。
なお、MOME にあったのは次のものです。
Commentarius nouus de Mysnia, oder Newe Meysnische Chronica
Wittenberg : Hans Lufft, 1580
この書物のランニング・タイトルは、ずっと「マイセンのクロニカ」です。さて、現時点では、この3冊の書物の関係はよくわかりません。
ちびどもはたぶん6時。私は7時半。早朝から雨。台風の接近によるものでしょうか。[MOME v]
鉱山技術書&冶金術書については、2004年9月6日、2005年1月18日に記しました。そのとき、あの有名な神秘主義者スウェデンボルグの著作Principia Rerum Naturalium,について、「この第2巻ならびに第3巻は、海を越えた全ての場所での金属業の方法と新しい進歩について最良の説明である」というクラメルの英訳者の評価を紹介しています。もちろん、(私の調べた範囲ですが)日本のどの大学にもこのスウェデンボルグの鉱物全書は所蔵されていませんでした。あまり期待していなかったのですが、それが、MOME にありました。下の2番目のものです。
Swedenborg, Emanuel.
Miscellanea observata circa res naturales & praesertim circa mineralia, ignem & montium strata.
Lipsiae, 1722
Swedenborg, Emanuel.
Opera philosophica et mineralia.
Dresdae, [1734]. (1541pp. 3 vols.)
(全部で1541頁ですから、このなかに3巻がすべて収められています。なかを調べてみてわかりました。→各巻500頁程度。第2巻は鉄。第3巻は銅。スウェデンボルグはとてもよく勉強したようです。)
ちびどもはたぶん6時半。私は7時。秋分の日。雲の多い晴れ。ちびどもは朝10時頃からお母さんといっしょに吉祥寺にでかけました。その間、私は、一昨日からの MOME に関する作業を落ち着いて行うことができました。2時過ぎに、駅についたので、自転車で迎えに来て欲しいの電話。ちびどもを前と後ろに乗せて、以前萬屋だったところに新しくできた99円ショップに向かいました。野菜や果物やお肉があるので、コンビニよりもある種の用途には役立つと思います。何より、安い。
途中で、幼稚園のお母さん3人に出会いました。やはり、99円ショップを見学に見えた方もいました。買い物が面倒な方には、最適のお店です。[MOME iv]
ふだん、ほとんどないことですが、存在も知らなかった著作を読んでみました。本日、MOME からダウンロードしたばかりの次の著作です。
Thomas Heton,
Some account of mines, and the advantages of them to this kingdom. With an appendix relating to the mine-adventure in Wales.
London, 1707.
新しい内容はほとんどありません。ヒートンが著述にあたって利用した資料が手に取るようにわかるという稀有な読書体験となりました。
彼は著作の冒頭に「この著作で利用した Metallick Writers」のリストをあげています。Monsieur Acarete's Voyage to Peru, and Description of the Mines of Potosi
Acosta's Natural History of the West-Indies.
Agricola de re Metallica & de Natura Fossilium.
Alstedius de Regno Minerali.
Albaro Alfonso Barba's Art of Metals
The Honourable Mr. Boyle's Physiological Essays<.
____Sceptical Chymist.<
____ Observations on the growth of Metals.<
____ Hydrostatical way of examing and estimating Ores
Bosman's Description of the Gold-Coast of Guinea.
Dr. Brown's Travels to the Mine-Towns in Hungary
Cesalpinus de rebus Metallicis.
Cesii Mineralogia.
Lazarus Erckern (who was chief Mine-Master to the Emperor Maximilian) of Ores and Mineral Bodies. Sir John Pettus translated it from the High-Dutch by order of the Society for Royal Mines.
Eucelius de re Metallica.
A Familiar Discource concerning the Mine-Adventure.
A second Familiar Discource by Mr. Shires concerning the Mine-Adventure.
Dr. Fritchius's Principles of Pyrotechnical Metallurgy.
Dr. Kunkell's Pyrotechnical Discourses.
Kentmanni Nomenclatura Fossilium.
Kercheri Mundus Subterraneus.
Dr. Leigh's Natural History of Lancashire.
Mathesii concio Sareptana.
Dr. Merin's Journey to the Mines of Hungary in Dr. Hayley's Collection of Voyages and Travels.Vol.2.
Ovalle's Description of Chili in the same Collection. Vol. 4.
Mr. Gabriel Plat's Discovery of Subterranean Treasure.
Sir John Pettus's Fodine Regales.
Plinii Historila Naturalis
Mr. Waller's Essay on the value of the Mines late of Sir Carbery Price.
____ his Mapps and Account of the Mines in Cardiganshire
Webster's Metallographia or History of Metals.
Dr. Woodward's Natural History of the Earth.
Wormii Musaeum
はじめて見る著作がいくつかあります。最初の旅行記は次の旅行記の2番目です。
Acarete, du Biscay, 17th cent,
Voyages and discoveries in South-America : the first up the river of Amazons to Quito in Peru, and back again to Brazil, perform'd at the command of the King of Spain by Christopher D'Acugna : the second up the river of Plata, and thence by land to the mines of Potosi by Mons Acarete : the third from Cayenne into Guiana, in search of the lake of Parima, reputed the richest place in the world by M. Grillet and Bechamel : done into English from the originals, being the only accounts of those parts hitherto extant : the whole illustrated with notes and maps
London, 1968
Alstedius de Regno Minerali. というのは、現時点ではわかりません。アルシュテットに鉱物論があったのでしょうか。
ボスマンのものは、次。
Bosman, Willem, fl. 1704
A new and accurate description of the coast of Guinea. Written originally in Dutch ... And now faithfully done into English. To which is prefixed an exact map of the whole coast
London, 1705
チェシの鉱物論は、次。
Cesi, Bernardo, 1581-1630
Mineralogia, siue Naturalis philosophiae thesauri
Lugduni : Prost, 1636
メリンのハンガリー旅行記は次のもの。
Merin, Joannes Baptista
A Journey to the Mines of Hungary
in Collection of voyages and travels
London, 1732
オヴァールのチリ旅行記は、最初にスペイン語で出版された次の書物の英訳。
Ovalle, Alonso de
Historica relacion del reyno de Chile, y de las missiones y ministerios que exercita en el la Compania de Jesus
1646
Ovalle, Alonso de, 1601-1651
An historical relation of the kingdom of Chil
London, 1703
この英訳が次のものに採録されます。
A collection of voyages and travels, some now first printed from original manuscripts, others now first published in English
London, 1704
ウォーラーの2作品は、次。
Waller, William, Gent
An essay on the Value of the Mines, late of Sir Carbery Price
London, 1698
____A Map of that part of Cardiganshire wherein are the mines belonging to ye Governor & Company of Mine Adventurers of England
かぞくそろって5時半。ちょうど日の出の頃です。さすがにもう秋。朝晩は肌寒い。近所で道路工事。2箇所。かなりうるさい。
[MOME iii]
途中、1時間ほどテレビを見た以外は、Goldsmiths'-Kress Library of Economic Literature Online につきっきりでした。マウスを使う作業が多かったので、手の平がすこし痛くなりました。これは、ほんとうに画期的です。
どういう著作があるのか、たった2日間ですが、接触した印象を記しておきましょう。
技術関係の辞書・百科辞典がかなり揃っています。チェンバースの辞書も、ハリスの辞書もありますし、もちろん、ディドロー・ダランベールの百科全書が利用できます。私自身詳しい知識はありませんが、商業・産業の辞典もあります。
ボイルやニュートンの著作はありませんが、フランシス・ベイコンのものはいくらかあります。当時の英語で civil と呼ばれる分野、今の日本語では政治や経済の分野のものをベイコンが執筆しているので、まあ、当然です。サミュエル・ハートリッブの著作はたいていあります。彼の中心テーマが、農業なので、大部分収録されているわけです。
ベッヒャーやグラウバーはかなりあります。とくにベッヒャーは今でいえば、経済の分野の著作があるわけですから、これも当然です。
そして、一番は、このデジタルライブラーの全ての著作を横断的に検索できることです。これがなによりすごい。(なお、ドイツ文字は、さすがにOCRソフトが対応していません。)あるタームがどういう著作でどの程度使われたかが、いっぺんに把握できます。 "History of Ideas" は、"History of Terms and Phrases" です。イデーは、言葉に宿る。
これは、以前、いつかできるようになるといいな、と夢想していたことです。
ちびどもはおそらく6時前。私は、7時半。涼しい朝。大学院会議の日。午後、おそらく二つの会議。
→3時半開始予定の大学院教授会は、4時半に始まり30分で終わりました。やれやれ。ちびどもといっしょに家をでて、まず大学図書館へ。本を1冊と論文を2冊受け取りました。
Heinrich Veith
Deutsches Bergwörterbuch, mit Belegen Vaduz, Liechtenstein : Sandig Reprints Verlag, 1986 (Reprint of 1871)
これはぼちぼちでした。C.J. Schneer,
"Origins of Mireralogy: The Age of Agricola",
European journal of mineralogy, 7(1995), pp.721-34.
受け取ってすぐに読み通しました。引退したおじいちゃんの講演(アグリコラ生誕500年を記念して1994年9月ピサで開かれた国際会議の講演)でした。新しい資料を探るのではなく、研究者にはよく知られている事実をどう料理して展望を得るのか、という種類のものです。見通しを失わないために、こういうものを読んでおくのも悪くはありません。Lieber, Werner and Hermann Leyerzapf,
"German Silver: An historical perspective on silver mining in Germany"
The Mineralogical Record, 17(1986), pp.3-18
サマリーは次の通り。「ドイツの鉱山は、おそらくローマ時代から、少なくとも千年に わたり、驚異的な量の銀を産出してきた。とりわけ、フライベルク、サンクト・アンドレアスベルク、シュネーベルク、アンナベルク、ヨハンゲオルゲンシュタットの鉱山は卓越した鉱物標本を産出してきた。それはいま世界中の博物館や個人コレクションとして保存されている。」
つまり、焦点は、鉱物標本にあわされていますが、ドイツの鉱山地帯(シュヴァルツヴァルト、オーデンヴァルト、ハルツ、マンスフェルト、エルツ山脈)の銀鉱について基本的な事実がまとめられているので、その部分が有用です。
さらに、かなりきれいな標本写真が数多く掲載されています。その部分は、所蔵図書館が気を利かして、カラーコピーをとってくれました。驚異的なのは、1477年4月23日シュネーベルクの鉱山(サンクト・ゲオルク鉱山)で発見された、4メートル×1メートル×2メートルのネイティブシルバーのテーブルです。その一部はいまでもドレスデンの鉱物学・地学博物館に収められているのだそうです。[MOME ii ]
うわ、これは、すごい。
何がすごいか? トライアル・パスワードをもらった MOME: Goldsmiths'-Kress Library of Economic Literature Online です。
かぞくそろって7時半。ちいさいちびが一度4時に目覚めましたが、なんとか再び寝付いてくれました。曇り。涼しい。彼岸入り。今週は月曜日と金曜日が祝日なので、実質3日。こどもがちいさいと、祝日よりも学校があった方がありがたい。
[ニュートンの所蔵本 vi ]
『化学の劇場』と『英国化学の劇場』の混同。
まさかと思いましたが、B.J.T.ドブズ『ニュートンの錬金術』(平凡社、1995)も『化学の劇場』と『英国化学の劇場』を混同しています。(173頁)。『ニュートンの錬金術』の原著は、B.J.T. Dobbs, The Foundation of Newton's Alchemy, or, 'Hunting of the Green Lyon', Cambridge, 1975です。当該箇所は、p.130。 『英国の化学の劇場』と訳されている原語は、ただ、Theatrum chemicum です。
邦訳の出版年度は、ウェストフォール『アイザック・ニュートン』が1993年で、ドブズ『ニュートンの錬金術』が1995年なので、『ニュートンの錬金術』の訳者が最後の時点で『アイザック・ニュートン』に倣ったのでしょう。そうでなければ、ただ、Theatrum chemicum とある言葉をわざわざ 『英国の化学の劇場』とする理由がわかりません。
私は、 『英国の化学の劇場』はリプリント版のコピーで、『化学の劇場』は大英図書館のマイクロフィルムの形でもっています。(『化学の劇場』は昔イタリアでリプリントされたが、さすがに入手することはできていません。オルムズでリプリントされた/されるということです。)この混同は、本を直接知っているものがチェックすれば、すぐに訂正できる種類のミスです。実物を知っている誰も、訳書の出版にあたって、チェックしなかったということです。
なお、B.J.T. ドッブズ『錬金術師ニュートン』(大谷 隆昶 訳、みすず書房、2000)では、この混同は修正されているようです。索引にアシュモールの『英国化学の劇場』が立項されており、『化学の劇場』と区別されています。ウェストフォール『アイザック・ニュートン』の共訳者である大谷さんがどこかでこの混同に気付かれたのでしょう。[MOME i ]
9月9日に記した、Goldsmiths'-Kress Library of Economic Literature - Microform Collection ですが、何と雄松堂にトライアルのできるデジタル・サイト(入口)がありました。ECCO= Eighteen Century Collection Online と同じ扱いです。ECCO= Eighteen Century Collection Online もとても有用でしたが、私には、Goldsmiths'-Kress Library of Economic Literature Online の方がもしかしたら役立つ資料が多く含まれているかもしれません。
Thomson Gale = 雄松堂は、なかなかいきなことをしてくれます。
雄松堂: Goldsmiths'-Kress Library of Economic Literature on Line
ちびどもはおそらく5時過ぎ。私は、7時半。今日も好天。敬老の日だということを忘れていました。昨日に続き、夏日。村上春樹『東京奇譚集』(新潮社、2005)を読了。何点かで針のふれがあいました。
[ニュートンの所蔵本 v ]
昨日、ニュートンと錬金術の出会いの箇所をウェストフォール『アイザック・ニュートン』から紹介しました。
今日は、ニュートンの錬金術研究のピーク。それは、『アイザック・ニュートン』の第11章「革命」に描かれています。(邦訳では、第2巻の冒頭部分。)時期としては、ボイルの没年(1691年)の前後、すなわち、1690年代はじめ。
この時代の作品としては、自分自身のために作成した「化学索引」があります。1680年代はじめに着手し、10年近い時間をかけています。(現存する最終形態は、1690年代初期のもの。)その最終形態では、この「化学索引」は、100ページを超え、879の項目を含んでいた。引用された錬金術書は、150書以上。参照箇所は、5000を超える。中心的に使われた錬金術集成は、『化学の劇場』(訳書は、ここでも『英国化学の劇場』となっています)、『錬金の術』(Ars auriferae, 3 vols., 1610) 『ヘルメス博物館』(Musaeum hermeticum, 1625. 並びにその増補版 Musaeum hermeticum reformata et amplificatum, 1678) 。なお、
『化学の劇場』の目次(143点+20点+38点)
『ヘルメス博物館』(1625)の目次(10点)
『ヘルメス博物館』(1678)の目次(22点)
『英国化学の劇場』(1652) の目次
『錬金の術』(1610)の目次
ちびどもはおそらく5時過ぎ。私は、7時。今日も好天。昼食後、家族揃って吉祥寺の本屋さんへ。私は、村上春樹『東京奇譚集』(新潮社、2005)、週刊誌アエラ、月刊誌『文芸春秋』2005年10月号(日本の選択:9.11総選挙と官僚支配)、『新潮45』の4冊を買いました。おおきいちびは、『小学1年生』、ちいさいちびは、『マイメロディ』のシールブック。おそらく久しぶりに夏日だったのではないでしょうか。暑かった。
帰ってきて、早速、『文芸春秋』を読みました。あれだけ圧勝すると、小泉総理の「郵政民営化」にも少し理があるのかな、と心配になってきていたのですが、そういう論調の論考はなく、ちょっと安心しました。[ニュートンの所蔵本 iv ]
ニュートンがどのように錬金術にのめり込んでいったのかについて、日本語で読める最良の案内は、ウェストフォールのニュートン伝です。
リチャード・S. ウェストフォール『アイザック・ニュートン』(1)(2)田中 一郎 , 大谷 隆昶 訳、平凡社、1993
英語でも、この本の原著のNever at Rest が一番手頃な本でしょう。
ニュートンが錬金術に出会い、のめりこんでいく様子は、第8章「反逆」に記されています。今回、読み直してみて、かなり深刻な誤訳を見つけました。それは、この部分の訳者が『化学の劇場』6巻本(ラザルス・ゼツネル編、1602-1661)、と『英国化学の劇場』(アシュモール編、1652)を混同しているということです。ニュートンが1669年ロンドンで1ポンド以上のお金を出して購入したのは、6巻本の『化学の劇場』です。しかし、この章の訳者は、この『化学の劇場』をずっと『英国化学の劇場』と訳しています。実物を知っていれば、間違いようのない混同です。(もちろん、訳者がすべて現物を知っていなければならないということはありません。)
手元に原著はあり、今見ているとかなり丁寧に読んでいます。(細かく書き込みをしている。)もちろん、原語は、ただ Theatrum chemicum です。
たぶん、訳者の方は、翻訳の工夫として原語にない、Britannicum を付加したのでしょうが、勇み足でした。せっかくですから、ニュートンの化学-錬金術について、簡単な見通しを記しておきましょう。
ケンブリッジに入学したニュートンは、まず、スコラ哲学の勉強からはじめる。ついで、デカルト哲学の洗礼を受け、デカルト哲学を吸収するが、すぐにデカルト哲学の乗り越えに向かう。化学に関しては、ボイルの著作から勉強を開始する。(1660年代半ば以降)。1666年頃、ボイルを下敷きに化学用語集を作成。
1669年ロンドンで『化学の劇場』を購入したあたりから、錬金術の世界にのめり込むようになる。『化学の劇場』の購入と同時に、2つの炉、ガラス器、化学薬品も購入し、徐々に実験にも着手するようになる。
このころから、ボイルよりも、スターキーの著作を愛読するようになる。錬金術の全伝統を広く探究するようになる。
亡くなったとき、175冊の錬金術書が蔵書に残されていた。それは、蔵書全体の約1割だった。他にたくさんの小冊子と草稿。→この冊数と割合はウェストフォールのものですが、私の印象では、もうすこし多いように思われます。もちろん、どれを錬金術書にカウントするかという基準にもよりますが、蔵書のなかの割合はもうすこし大きいと思います。
実験ノートの大半は、1678年以降。ただし、1660年代後期および1670年代初期に属するものもいくからある。(確証となるものはない。)ニュートンの初期の実験は、ボイルを基礎とし、マイヤーも参考にして、金属のスイギンの抽出を試みたものであった。なお、私が2003年に作成したニュートンの錬金術年表並びにニュートンの錬金術に関する邦語文献リストもご覧下さい。
ちびどもはおそらく5時過ぎ。私は、8時。夜は寒く感じます。昨夜ははじめて部屋を閉じきりにしました。
→ちいさいちびはどうも4時半に目覚めたようです。はやすぎます。昼食後、粘り強く説得して、昼寝させることとしました。昼寝から目覚めたあと、近所の神社でやっているお祭りに連れていってやりました。こどもは、ああいう露店がほんとうに好きなようです。ヨーヨーを1個ずつ(一個400円)と綿アメ(一本250円)と金魚釣り(300円)、最後にチョコレート煎餅(200円)。計1800円。ちびどもは、これで大満足。帰ってきて、今日はよい日だったと言っています。3歳児がこういう言葉を使うのはなかなかへんなものです。ちいさいちびのなかのよいお友達ひとり、おねえちゃんのなかのよいお友達ひとりとお祭りの場で出会いました。[戦後2番目の災害 ]
9月4日の洪水は、今日新聞に入っていた「広報すぎなみ」によれば、戦後2番目の規模の水害となったそうです。ちなみに、1番目は、1958年9月26日の台風22号によるもので、総雨量367ミリ、床上浸水4010件、床下浸水6158件です。今回のものは、総雨量250ミリ、床上浸水1107件、床下浸水646件です。床上浸水が千件を超えていたとは意外でした。地域別に見ると、西荻北108件、上荻179件、和田54件、堀之内93件、成田東79件、荻窪279件、南荻窪54件です。(50件以上のみとりあげた。)テレビには、近所の上荻の様子が出ていましたが、件数でいえば荻窪の279件がもっとも多い。どうしても報道でイメージが形成されますから、報道されなかったところは、知られないままになります。[財政破綻か]
中京大学経済学部の河宮信郎氏のブログに、「郵政改革」幻想完勝の衝撃波−不可避となった財政破綻 という記事があります。
今回の与党の圧勝で、郵政民営化は確実に実施されることとなりました。(とりあえず、その内実は問わない。)これまで、国債(国の借金)をもっとも多く支えてきた郵便貯金・簡易保険の資金(340兆円)を民営化して、国はいったいどこからお金を調達するつもりなのか単純な疑問がありました。この河宮さんの記事で、疑問が解けました。要するにどうしようもない、つまり財政破綻が迫っている。
選挙は終わった。話の筋道のわかっている官僚がいまこそしっかりと国民に向けて発言すべきです。とくに財務省の官僚には、大きな責任があります。(もちろん、政府の長=小泉総理に一番の責任があります。)[ニュートンの所蔵本 iii ]
17世紀前半の知の巨人、ベイコン、デカルト、ガッサンディを見てみましょう。
ベイコンに関して、リストにあるのは、『随想録』(ロンドン、1706)とボイルも使った『遺稿集』(ロンドン、1658)だけです。ニュートンは、ベイコンとは別の知的伝統にあることは間違いありません。
デカルトに関して、ベイコンよりずっと多い。まず、『幾何学』2冊(1649年ラテン語版、1659年ラテン語版)。ついで、『省察』(ロンドン、1664年)。そして、最後に『哲学原理』(アムステルダム、1656年)。ニュートンの仕事の柱のひとつは数学です。数学の文献は、しっかり集めています。しかし、このデカルトは最少のデカルトです。
ガッサンディに関してリストにあるのは、なんと『天文学綱要』(アムステルダム、1682年)だけです。チャールトンの『エピクロス-ガッサンディ-チャールトンの自然学』(ガッサンディの『ディオゲネス・ラエルティウス巻10注解』(1649)の抄訳英語版)を若いニュートンが愛用したことは知られており、その著作がリストにはありません。だから、もちろん、このリストにないからといって、ニュートンが利用していなかったということにはただちになるわけではありませんが、ニュートンをガッサンディ主義者と呼ぶわけにいかないことも確かです。
ニュートンに関しては、学生時代のノートがずっと前に出版されており、その知的キャリアの最初の頃、どういうものを読んだのかわりとよくわかっています。17世紀のアリストテレス主義の教科書、デカルト、ボイル、チャールトン、『化学の劇場』等々。
しかし、ニュートンは、全体としては独自の道を歩んだ、と言えるでしょう。あるいは、社会学的には、知的孤立、を指摘することができます。オルデンブルグが論文を書くように強く奨めなければ、王立協会『哲学紀要』に寄せた論文でさえも、いつ日の目を見たのかわかりません。『プリンキピア』(1687)も友人の強い勧めがあって、完成している。
ちいさいちびがおきて、6時前。どうもちいさいちびは5時から6時前に目覚めるリズムができたようです。私も、この時間に起きるのは久しぶり。
夜の涼しさが、冷気にかわりました。これまでは、誰も掛け布団なしだったのですが、昨夜は途中からそれぞれにタオルケットや夏布団をもぞもぞ身体に乗せていました。
最高気温は27度の予想。
[ニュートンの所蔵本 ii ]
集成本。例えば、次のようなもの。
Artis auriferae, quam chemiam vocant, volumina duo, quae continent Turbam philosophorum ... Accessit nouiter volumen tertium (quod continet Lullij, aliorumq; scripta quaedam maiori ex parte hactenus non edita), etc.
Basel,1610
ニュートンは、この標準的な錬金術師の集成本を2冊もっています。
目次は次の通りです。
第1巻
1. Propositiones, seu maximae artis Chymicae.
2. Turba Philosophorum
3. Turbae Pliilosophorum alterum Exemplar
4. Allegoriae super librum Turbae
5. Aenigmata ex Visione Arislei & Exercitationes in Turbam.
7. Aurora Consurgens
8. Rosinus ad Euthiciam
9. Idem ad Saratantam Episcopum
10. Liber Definitionum eiusdem,
11. Mariae Prophetissae Practica
12. Uber Secretorum Calidis filij Iazichi
13. Liber Trium Verborum Kallid
14. Aristoteles de lapide Philosophorum
15. Avicenna de Conglutinatione lapidis
16. Expositio Epistolae Alexandri Regis
17. Ignotus Autor de Secretis lapidis
18. Merlini allegoria de Arcano lapidis
19. Rachaidibi... de Materia lapidis
20. Avicennae Tractatulus de Alchimia
21. Semita Semitae
22. Clangor Buccinae
23. Correctio fatuorum
24. Incertus Autor de Arte Chymica
第2巻
1. Liber de compositione Alchemiae, quem edidit Morienus Romanus, Calid Regi Aegyptiorum: quem Robertus Castrensis de Arabico in Latinum transtulit
2. Bernardi Trevirensis responsio ad Thomam de Bononia de Mineralibus, & Elixiris compositione, Roberti VallensisTabulis illustrata
3. Liber de Arte Chimia incerti Authoris nunquam hactenus in Lucem editus.
4. Scala philosophorum
5. Ludus puerorum (et Opus mulierum)
6. Rosarium philosophorum (cum figuris)
7. Arnaldi Rosarium
Nouum lumen,
Flos florum ad Regem Aragonum
Epistola super Alchimia ad Regem Neapolitanum
8. Rogerius Bacho Anglus de mirabili Potestate artis et naturae
第3巻
1. Lullij ultimum Testamentum.
2. Elucidationem Testam. totius ad R. Odoardum.
3. Potestatem diuitiarurn, cum optima expositione Testamenti Hermetis.
4. Compendium Artis Magicae, quoad compositionem Lapidis,
5. De Lapide & oleo Philosophorum.
6. Modum accipiendi aurum potabile.
7. Compendia Alchimias & naturalis Philosophiae.
8. Lapidarium.
Item Alberti Magni secretorum Tractatus.
Abbreviationes quasdam de Secretis Secretorum loannis pauperum. Arnaldi Quaest. de Arte Transmut. Metall. eiusque; Testamentum. Omnia hactenus nunquam visa nec edita, Cum Indicibus rerum et verborum locupletiss.
ここに収録された論考のある割合は、すでに次のものにあったものです。
De alchimia opuscula complura veterum philosophorum, quorum catalogum sequens pagella indicabit
Frankfort : C. Jacobus, 1550
こちらは、第1部は9点の論考を含みます。第2部は、『哲学者の薔薇園』。ニュートンは、これも1冊もっています。1部の目次は次の通り。
1. Correctio Fatuorum.
2. Clangor Buccinae.
3. Semita Semitae.
4. Avicenna : De tinctura metallorum.
5. Raimundus (Lullius) : Compendium animae transmutationis.
6. Scala Philosophorum.
7. Opus mulierum, Tractatulus, sive ludus puerorum.
8. Raimundus Lullius : De Tincturis compendium, seu Vade Mecum.
9. Aristoteles : Tractatulus de Practica lapidis Philosophici.
ニュートンの同時代の集成本では、次のもの。
Aurifontina chymica ; or, A collection of fourteen small treatises concerning the first matter of philosophers, for the discovery of their (hitherto so much concealed) mercury which many have studiously endeavoured to hide, but these to make manifest, for the benefit of mankind in genera
London, 1680.
14のなかには、ベルナルド・トレヴィザン、フラメル、ルルス、リプリーの論考が含まれています。Collectanea chymica: a collection of ten several treatises in chymistry, concerning the liquor Alkahest, the mercury of philosophers, and other curiosities worthy of perusal
London, 1684
この10点は次のものです。
Eirenaeus Philalethes [pseud.], The secret of the immortal liquor called alkahest, or ignisaqua
Anon., The practice of lights: or, An excellent and ancient treatise of the philosophers stone.
J. B. Van-Helmont,Praecipiolum: or, The immature-mineral-electrum
Dr. Fr. Antonie, Aurum-potabile: or, The receit of Dr. Fr. Antonie
Bernard of Trevisan, A treatise of Bernard, earl of Trevisan, of the philosophers stone.
Sir George Ripley, The bosome-book
Roger Bacon, Speculum alchymiセ; the true glass of alchemy
G. Starkey, The admirable efficacy and almost incredible virtue of true oyl, which is made of sulphur-vive, set on fire and called commonly oyl of sulphur per campanam ...
Sir H. Platt, Sundry new, and artificial remedies against famine.
H.V.D., Tumba Semiramidis: The tomb of Semiramis hermetically sealed .
Ludwig Hermann Combach (ed.) Tractatus aliquot chemici singulares summum philosophorum arcanum continentes.
1. Liber de principiis naturae, & artis chemicae, incerti authoris.
2. J. Belye Angli tractatulus novus, & alius Bernhardi Comitis Trevirensis, ex gallico versus.
Cum fragmentis Eduardi Kellaei H. Aquilae Thuringi & Joh. Isaaci Hollandi.
3. Fratris Ferrarii tractatus integer, hactenus fere suppressus, & in principio & fine plus quam dimidia parte mutilatus.
4. Johannis Daustenii Angli Rosarium, etc.
Geismariae , 1647.Divers traitez de la philosophie naturelle.
Saçvoir, La turbe des philosophes, ou le code de veritéen l'art.
La parole delaissée, de Bernard Trevisan.
Les deux traitez de Corneille Drebel Flaman.
Avec Le tres-ancien duel de chevaliers.
Paris, 1672
ご覧の通り、ドレベルの論考を含むフランス語の錬金術論考集成です。
Bibliothèque des philosophes (chimiques)
2 vols., Paris, 1672-78.
編者は、タイトルに Le Sieur S. D. E. M. と記されており、William Salmon と一般に同定されている。しかし、ファーガソンはこの解釈に反対している。
第1巻は、次のものを含む。
Hermes, LaTable d'Emeraude.
La Tourbe des Philosophes
Flamel
Bernard le Trévisan
Zachaire,L'Opuscule
Wenceslas Lavinius, Traité du Ciel terrestre
Philalèthe, l'Entrée ouverte
第2巻は、次のものを含む。
Hermes, Les Sept Chapitres
Le Dialogue de Marie et d'Aros
l'Entretien de Calid et du Philosophe Morien
Artephius
Geber, La Somme de la Perfection
an Epistle to Claude Germain about his work Icon Philosophiae Occultae.
なお、18世紀に同じタイトルで4巻に増補されたものが出版されている。(Jean Maugin de Richebourg ed., Paris. 1740-54.)
Five treatises of the philosophers stone : two of Alphonso, king of Portugall, as it was written with his own hand, and taken out of his closset, translated out of the Portuguez into English : one of John Sawtre, a monke, translated into English : another written by Florianus Raudorff, a German philosopher, and translated out of the same language into English : also a treatise of the names of the philosophers stone, by William Gratacolle, translated into English : To which is added the Smaragdine table
London, 1652
集成本とはいえ、4つ折り版で、[8], 72 p の小さな本です。John, of Garland, ca. 1195-ca. 1272 (Hortulanus)
Compendium alchimiae
Basel, 1560
次のものを含みます。
Tabula Smaragdina,
Commentarij.
. Arnoldus de Villanova, in commentarios Hortulani expositio,
Joannes Garlandius, Synonymorum in arte alchimistica expositio,
Joannes Garlandius, De praeparatione Elixir libellus,
Joannes Garlandius, De Mineralibus liber,
Joannis Garlandij vita,
なお、ニュートンの持っていたものは、Ars Chemica, Gerald Dorn, Lapis Metaphysicum (Frankfurt, 1570), といっしょに製本(バインド)されています。
Geber
Gebri Arabis Chimia
Lugduni Batavorum, 1668
これは次のものを含む。
Summa perfectionis
Liber investigationis
Testamentum
Liber Trium Verborum Kallid acutissimi
Avicenna, De Congelatione et Conglutinatione Lapidum
Faustus Sabaeus ad Lectorum
et al.
Geber
The works of Geber
London, 1678
これは次のものを含む。
Of the investigation or search of perfection.
Of the sum of perfection, or of the perfect magistery.
Of the invention of verity, or perfection.
Of furnaces, &c. with a recapitulation of the author's experiments
Opuscula quaedam chemica
Frankfurt, 1614
Full title is
Opuscula quaedam chemica.
Georgii Riplei Angli Medulla philosophiae chemicae.
Incerti autoris Canones decem [de lapide philosophico] mysterium artis mira brevitate & perspicuitate comprehendentes.
Heliae monarchi Franciscani Speculum alchymiae.
Ioan. Aurelli Augurelli Chrysopoeiae compendium paraphrasticum.
Artefii Clavis maioris sapientiae.
Ioan. Pontani Epistola de lapide philosophorum.
Galli Etschenrevteri medici Epistola ad Guilielmum Gratarolum.
Omnia partim ex veteribus manuscriptis eruta, partim restituta
Philosophiae chymicae IV.
Frankfurt,1605
Full title is
Philosophiae chymicae IV. vetustissima scripta,
I. Senioris Zadith F. Hamuelis tabula chymica.
II. Innominati philosophi expositio tabulae chymicae.
III. Hermetis trismegisti liber de compositione.
IV. Anonymi veteris philosophi consilium coniugii, seu de massa solis & lunae lbri tres
ニュートンはこのコレクションを熱心に読んでいます。そして、'Authore a Seniore citati' のリストを作成しています。
ちびどもは、(たぶん)6時前。私は、7時半。午前中、妻が小学校の説明会に行ってきました。おかあさんなかまに誘われたということもあります。おおきいちびの通う小学校は、とてものんびりした雰囲気だったということです。妻が一番知りたかったのは、授業時間割です。正確には、登校時間と下校時間。登校時間は、8時10分から20分となっていました。幼稚園は9時ですが、9時10分ぐらいでもよいので、約1時間はやいということになります。
小学校の選択で迷っているおあかさんがたは、真剣に話を聞いていたということです。ですが、どうも学校ののんびりさは、そうした真剣さを脱臼させるようなものだったらしい。[ニュートンの所蔵本 i ]
昨日の夜、ふと、本棚の上に、次の本が載っているのが目に付きました。
John Harrison,
The Library of Isaac Newton,
Cambridge: Cambridge Univerity Press, 1978
昔いちど目を通したことがあります。(その証拠に書き込みがあります。)しかし、もちろん、ほとんど記憶にはない。思うところがあって、取り出してきて、埃を払い、すぐに、全巻目を通しました。関心は、ニュートンの使った錬金術-化学文献です。若きニュートンがロンドンに出た折り、『化学の劇場』6巻本を入手して、熱心に読んだことは有名です。今回リストを読み直してみて、17世紀後半から18世紀初頭にかけて出版されたもうすこし小さな集成本をよく集めていることに気付きました。かなり珍しい書物も含まれますが、それほど網羅的でもありませんでした。(いくつかの特定の流派、スクールに焦点を絞っている感じです。)
フランス語のものが多かったのも意外でした。
蔵書リストから判断する限り、ニュートンもボイルと同じく、ドイツ語はできなかったようです。蔵書リストにドイツ語のものはほとんどありません。
ちびどもは、(たぶん)5時半。私は、7時45分。今日は、会議の日。夕刻、朝一番に開催される会議に説明役としての出席依頼があって合計4つ。(予想していたことなので、困ることはありません。)
午前11時〜?:学部運営会議(委員ではなく説明役)
午後1時〜2時:入試委員会
午後1時半〜2時:講座会議
午後2時半〜?:学部教授会
2番目の会議と3番目の会議は完全に重なっています。2番目の会議に出席して、その場で、どちらを優先すべきか、会議の主催者に問い合わせます。
→ちびどもといっしょにでて、大学に向かいました。最初の会議では、私の説明した案件は、半分差し戻しになってしましました。やれやれ。
私の関わる議事が終了したら、退席するつもりだったのですが、次の議事が内容的に関連します。その議事の審議の終了を待って、食堂へ。12時半。そう言えば、今日12時半から面接(面接を受けるのではなく、面接員)がありました。食堂でその面接の責任者の先生と偶然あい、私も同席することとなりました。ということで、お昼ご飯を食べる時間がなく、2番目の会議へ。難しい審議事項はなかったのですが、おひとりの方が、偏見と思いこみによる発言を繰り返されて、たぶん本来の時間の倍かかりました。
講座会議の定足数が心配だったのですが、2番目の会議の後、駆けつけると、定足数は大丈夫ということでした。
講座会議と教授会の間に、わずかに時間があったので、研究室にインストールしてあったカップ麺をかろうじて食べることができました。
教授会もひとつの事案を除き順調に進行しました。ほぼ予想通り、5時半終了。6時過ぎに帰宅することができました。[65人に1人]
読売新聞に次の記事がありました。 2003年の体外受精児の割合は、65人に1人。全出生数は112万3610人で、体外受精によって誕生したこどもの数は1万7400人とのこと。
学生には古い数字で100人に1人と説明してきました。平均すると2クラスにひとりの割合になります。[科研費]
本日事務より、来年度の科研費の応募についてのお知らせがまわりました。書類の締切(学内提出締切)は10月末日とのこと。もうそんな時期か、という感じです。
ちびどもは、5時半。はやすぎ。私は、7時半。今日は夏が帰ってきます。34度まで気温が上がるということです。
昨夜、買ってきたばかりの『中央公論』10月号を読んでいました。きちんと書かれた論文は、情報を知り、しっかり考えるために有用です。今月は、ここまでで100枚を突破。一度最長不倒記録をだしておくのもおもしろいかもしれません。
ちびどもといっしょにでて、整骨医へ。聞こえてくるのは、やはりこの前の洪水のことでした。自宅が洪水被害にあったおじいちゃんが話していました。駐車場にあった車が10台近くあっというまに水をかぶってダメになったということでした。
かぞくそろって、7時。雨上がりの好天。選挙は自民党の地滑り的勝利。公明党とあわせて、3分の2を超えました。これは、確かに与党の歴史的圧勝です。ちびどもといっしょに出て、大学へ。まず図書館。先週は図書館は夏休み休館。今日から開館です。台風の前に通知をもらっていた、次の文献複写物をまず受け取りました。
Peter Mack,
"Rhetoric, ethics and reading in the Renaissance",
Renaissance Studies, Vol. 19. No.1, 2005, pp. 1-21
言うまでもなく、憂鬱なピサ大生桑木野氏の推薦によるものです。電車のなかで読みました。ちょっと予想とは違う内容でしたが、有益な情報を含んでいます。ルネサンス期の文法学校におけるラテン語の習得法が、すなわち、当時の勉強の基本です。
とくにエラスムスの『アダージョ』の分析が私には有益でした。他にモンテーニュの『エッセイ』の分析もなかなか面白いものでした。私の関心は、こうしたルネサンスの人文主義の読書法と、科学の研究の方法・手続きの関連にあります。科学のことは触れられていませんでしたが、その前の段階の様子が具体的にわかったのは収穫です。
他に、文献複写依頼を2点、図書の相互貸借申込を2点、図書館の窓口に提出して、研究室へ。前に行ったときにやりかけたままにしてあった仕事、「千のキミア」プロジェクトのファイルをすべて新しいマシーンに移す作業の後半部分を行いました。外付けHDから、新しいマシーンにデータをコピー。古いマシーンから外付けHDへのコピーは、9時間の表示が出ました(実際にかかった時間は不明)。しかし、外付けHDから新しいマシーンへのコピーは30分ですみました。どうしてこれほど大きな差が出るのかわかりませんが、新しいマシーンの力を見せつけてくれました。
その後、一番で食堂に行って昼食。ひやしたぬきそば。それから、出張校正のために飯田橋へ。三鷹で総武線に乗り換え、座って読書をしようと思っていたのですが、総武線が人身事故のため遅れているという駅内放送により、中央線にそのまま乗っていました。しかし、途中でうまく座ることができ、上の論文を読み進めました。
印刷所にはやく着きすぎるかなと思っていたのですが、乗換のために降りた四谷駅で、総武線をかなりまつことになったので、ほぼぴったりの時間に。待っている時間でほぼ最後まで読むことができました。
飯田橋の印刷所では、1時から2時まで、校正。この前の台風では、飯田橋もあやうく洪水だったそうです。神田川があふれそうになったとのこと。その一帯は昔から神田川があふれることが多く、入口を地面から50センチ程度高くしてあるのだそうです。印刷所の機械が浸水してしまうと大変ですから。
久しぶりなので、帰りは一度新宿で降りて、ビックカメラに。行こうと思っていた店舗が二つともに、カラオケ店に変身していました。しかし、紀伊国屋書店の隣に、パソコン関連の周辺機器・消耗品のそろうビックカメラがあり、用はそこでたすことができました。FireWire のケーブル、リストパッド、CD-R 。
駅前の本屋さんで雑誌を2冊買って帰宅しました。帰ってすぐ、シャワー。蒸し暑い日。
ちびどもはおそらく6時前後。私はひとりずいぶん遅れて8時。
9月11日です。「マイメロディ」の新しい回を録画したあと、みんなで選挙にでかけました。ちびどもが将来通うことになる小学校です。(そう言えば、先週、大きいちびの通う小学校に関して区から案内が来ていました。幼稚園のとなりの小学校であれば、何も必要ないが、学区内でその他の小学校に通いたい場合は、希望を出せ、とありました。我が家は、近所の小学校で問題なし。)ちびどもは校庭で遊んでいる間、我々がかわりばんこで投票。投票所はもうすっかり老人社会でした。近所にこんなにお年寄りの方が大勢いらっしゃるとは知らなかった。
投票後は、100円ショップへ。ちいさいちびは、「マイメロディ」の影響で、魔法バトン。おおきいちびは、おおきな袋セット。おおきいちびは、カバン、袋、箱が大好きです。自分の持ち物を、カバン、袋、箱に喜んでしまっています。そして、どこにしまったのかわからなくなり、いつも捜し物をしています。大人の目からすればばかみたいですが、それがこどもなのでしょう。
昼食後、ふたりで、ちいさいちびの荷物を取り出して、片づけをはじめました。袋に分納しています。せっかくおおきな箱にどっさり入っていて見えたいたものが、見えなくなると、あれない、これないと言って、我々が捜し物に借り出されます。ちょうどよいので、昨日行った「スーパーバリュー高井戸店」に行って、なかの見える片づけ箱(クリアチェスト)を買ってやることにしました。私の部屋もそれで片づけたいのですが、まあ、そっちは後回し。通りたがっていなかった環八の様子にも妻は少し慣れてきたようです。今日は、たぶん最短であろう経路を辿ってみました。10分程度で着きます。
おおきいのをひとつと、ちいさいのをふたつ買ってすぐに帰ってきました。ちょうど雨の降り始め。帰り着いてから本格的に降り出しました。
片づけには関心のないちいさいちびは、塗り絵。片づけが好きなくせにいつも捜し物をしているおおきいちびは、早速、小さいクリアチェストに手帳、書類、の順にしまいはじめました。
ちいさいちびといっしょに6時40分。まあこのぐらいならいいでしょう。昨日に続き曇り。ちいさいちびは寒いと言っています。ほんのわずかにひんやりします。
と思ったら、日が昇るにつれ、蒸し暑くなってきました。この時期に、かようにむしむしするのは、いやなものです。月曜日に、第3号の校正出張があります。そのための準備。校正出張なんて、行けばいいとお思いの方もいらっしゃるでしょうが、たとえば今回だと2時間程度準備に時間がかかりました。なかなかに面倒くさいのですが、仕方ありません。
高井戸に安いお店があるということで、昼食後家族揃ってでかけました。今年4月にオープンしたばかりの、「スーパーバリュー高井戸店」というお店でした。1階はホームセンター、2階はスーパーでした。とても東京都区内だと思えない広い敷地。駐車場スペースも十分な余裕がありました。そう、まるで地方都市のショッピングセンターのようでした。ホームセンターには多様・多彩な商品が揃っており、使えます。私はずっと探していて見つからなかった、懐中電灯の切れた電球をここで見つけることができました。こどもたちは、水槽で飼っている金魚やグッピーや亀やちびえびが気に入ったようです。
都心に郊外店。まあ、そんな感じのお店でした。帰ってくると、8月29日にアマゾンのマーケットプレイスで注文した次の本がアメリカから届いていていました。本体7ドル、送料9.8ドル、計16.8ドルです。
Markku Peltonen (ed.),
The Cambridge Companion to Bacon,
Cambridge University Press, 1996
→はじめに私の関心の所在を明示しておきましょう。それは、ボイルが自身の研究をどのようにオーガナイズしたか、ということです。"How Boyle organized his research?"
さて、ベイコン主義は、経験主義のほとんど互換語と言っていいほど、経験的研究を言い表す常套句となっています。しかし、一度でもベイコン自身の著作、とくにそのマスターピース『ノヴム・オルガヌム』を読んでみたことがある者は、一般的にベイコン主義的という言葉で理解されているものとずいぶん違うことに気付いている(はずです)。つまり、ベイコン主義はベイコンのテキストの内容・思想とかなり違う。
別の観点から表現すれば、ベイコン主義の成立・展開の過程とベイコン思想の関係はそれ自体かなり入り組んだテーマです。
『ベイコン必携』(意訳ですが、Companion to Bacon をこう訳しておきます)に私が期待したのは、ベイコン自身の完全な文献表と、ベイコン主義の見通しです。ベイコンの文献表に関しては、冒頭に年表があります。しかし、それはベイコンの死去の年(1626)までです。つまり、1626年に死後出版された『森の森、ニューアトランティスを付す』は掲載されていますが、それ以降の出版物はこの年表にはありません。(ですから、8月9月にこのサイトで私が作成した年表にもある価値があることになります。)
ベイコン主義の見通しに関しては、大きな期待はしていませんでした。『ベイコン必携』はコンセプト上、ベイコン思想のいろんな側面をそれぞれの分野に詳しい方に分担執筆してもらうものであるからです。しかし、最後の章は、かゆいところに手が届くものではありませんが、この長さできれいに整理してくれており、有用です。
Antonio Pérez-Ramos, "12 Bacon's legacy", pp.311-334.
1.フランスにおけるベイコン受容
デカルト自身は、「ヴェルラムの方法」を最新の注意深い事実収集過程として評価している。(つまり、「ヴェルラムの方法」を自然実験誌と同等視している。)
マラン・メルセンヌは、デカルトよりはベイコン哲学のテクニカルな側面に注目している。そして、自然実験誌、すなわち専門的項目毎の秩序だったデータ集積に称賛の声を惜しまない。
しかし、デカルトもメルセンヌも、そもそもベイコンの方法の鍵概念「帰納」については一言も触れない。沈黙を守っている。そして、ベイコンの帰納法を取り上げ検討したガッサンディでさえも、ベイコンの部分的読解(偏った読み)をただしたわけではない。「帰納によっては、真知=Scientia には辿りつけない。」
2.イギリス経験論におけるベイコン
そして、いわゆるイギリス経験論の系譜、ロック、バークリー、ヒュームも、デカルト、メルセンヌ、ガッサンディ、マールブランシュの系譜に連なるのであって、ベイコンの方法を発展させたり、精緻化するものではなかった。
では、では、ベイコン主義はいったいどこに?
ちびどもは6時前。私は、7時30分。曇り。やっと秋の空気。昨夜夜が深くなるにつれ、気温が下がっていきました。窓から入ってくる風がひんやりと感じるまでになりました。[マイクロフィルム・コレクション]
昨日大学の研究室で、焦点を絞らずいろいろ検索をかけていました。私の学生時代には存在の知られていなかったマイクロフィルム・コレクションがかなり日本の図書館に所蔵されている(あるいは、この20年間の間に購入された)ことがわかりました。
Early English Books については、マイクロ版もエレクトリック版(オンライン版)もすでに多くの大学・研究機関で利用できることはすでに報じています。[マイクロフィルム; Goldsmiths'-Kress Library of Economic Literature]
今回、早稲田大学現代政経研図書室に所蔵されている Goldsmiths'-Kress Library of Economic Literature - Microform Collection がとても有用なコレクションであることがわかりました。発売元は、ECCO のThomson Gale.
Segment I の説明を簡単に紹介しましょう。Segment I には、15世紀から18世紀(18世紀を含む)までのおよそ3万点の書籍、パンフレット、政府刊行物、ブロードサイドが収録されています。「経済的文献」というのは、その最も広い意味で解釈される。分類項目「農業」には、"fishing, mining, surveying and landed property" が含まれる、「商工業」には、"practical manuals and technology in general."が含まれる、とあります。つまり、技術史文献が相当割合である、ということです。
具体的な例を挙げた方がわかりやすいでしょう。
アグリコラの『デ・レ・メタリカ』については、1556年版、1621年版、1657年版、 1580年ドイツ語訳、1563年イタリア語訳があります。
Georg Agricola, De re metallica libri XII,Basel, 1621
This edition contains De animantibus subterraneis libro usus
Georg Agricola, Vom Bergwerck xii Bücher, Basel, 1557
Georg Agricola, De re metallica libri XII,Basel, [1657]
This edition contains
De animantibus subterraneis libro usus
DE ORTU ET CAUSIS SUBTERRANEORUM
DE NATURA EORUM QUAE EFFLUUNT EX TERRA
DE NATURA FOSSILIUM
DE VETERIBUS ET NOVIS METALLIS
BERMANNUS, SIVE DE RE METALLICA.
他に次のものもあります。
Georg Agricola, De ortu & causis subterraneorum, lib. V, et al. Basileae : [Froben], 1546.
Georg Agricola, De mensuris & ponderibus Romanorum atque Graecorum lib. V. Basileae : Froben, 1550.
同じジャンルのものには、他に次のようなものがあります。
Petrus Albinus, Commentarius novus de Mysnia, oder, Newe Meysnische chronica. Wittenberg, [1580]
Lazarus Ercker, Aula subterranea, domina dominantium, subdita, subditorum : das ist, Untererdische hofhaltung. Franckfurt, [1672].
Lazarus Ercker, Beschreibung aller furnemisten mineralischen Ertzt- und Berckwercksarten Aula subterranea domina dominantium subdita subditorum, das ist, Untererdische Hofhaltung, Franckfurt 1684
Lazarus Ercker, Beschreibung aller furnemisten mineralischen Ertzt- und Berckwercksarten, Englished as Fleta minor, or, The laws of art and nature in knowing, judging, assaying, fining, refining, and inlarging the bodies of confin'd metals, London,1683.
Georg Engelhard von Lohneyss, Grundlicher und aussfuhrlicher Bericht von Bergwercken, Stockholm und Hamburg , 1690.
Georg Engelhard von Lohneyss, Bericht vom Bergwerck : wie man dieselben Bawen und in guten Wolstande bringen soll, sampt allen darzu gehorigen Arbeiten, Ordnung, und rechtslichen Processen,[S.l. : s.n., 1690?]
Sven Rinman,Bergwerks lexicon,Stockholm , 1788-1789.
A collection of scarce and valuable treatises upon metals, mines, and minerals [microform] : containing curious observations on mines and several minerals produced ... being, a translation from the learned Albaro Alonso Barba ... and the observations of several ingenuous persons of our own country founded on many years of experience. London, 1740.
Vanuccio Biringucci, De la pirotechnia libri x : dove ampiamente si tratta non solo di ogni sorte & diuersita di miniere ma anchora quanto si ricerca intorno a la prattica di quelle cose di quel che si appartiene a l'arte de la fusione ouer gitto de metalli come d'ogni altra cosa simile a questa,Venetia, 1540.
Johann Rudolf Glauber, Furni novi philosophici, Englshed as A description of new philosophical furnaces, or, A new art of distilling ,London, 1651-[1652]
Johann Rudolf Glauber, Dess Teutschlandts-Wohlfahrt. Latin. Parts 1 and 2 Prosperitatis Germaniae ..., Amstelodami : Apud Joannem Janssonium, 1656-1657.
Johann Rudolf Glauber, Operis mineralis(in french) ,Paris, 1659
Johann Rudolf Glauber, Operis mineralis, Amsterdam, 1651-52.
Johann Rudolf Glauber, Pharmacopoea spagyrica, sive, Exacta descriptio,Amsterdam, 1654-57.
Minerophilo, Neues und curieuses Bergwercks-Lexicon, Chemnitz : Bey J. Christoph und J.D. Stosseln, 1730
Minerophilo, Neues und wohleingerichtetes Mineral- und Bergwercks-Lexicon, Chemnitz : Bey J. Christoph und J.D. Stosseln, 1743.
Modestinus Fachs, Probier-Buchlei, Leipzig : In Verlegung Johann Grossen und Consorten, druckts Christian Scholvien, 1678.
Johann Mathesius (1504-1565), Sarepta : darinn von allerley Bergwerck vnnd Metallen was jr Eygenschafft vnd Natur vnd wie sie zu Nutz vnd Gut gemacht, guter Bericht gegeben ... : auff ein newes mit Fleiss durchsehen, corrigirt, vnd gebessert mit einem Register ... ; sampt der Jochimsthalischen kurtzen Chroniken, Nurnberg, 1571
Johann Mathesius (1504-1565), Sarepta : darin von allerley Bergwerck vnd Metallen was jhr Eigenschafft vnd Natur vnd wie sie [zu] Nutz vnd gut Gemacht guter Bericht gegeben : mit trostlicher vnd lehrhaffter Erklarung aller Spruch so in heiliger Schrifft von Metall reden vnd wie der H. Geist in Metallen vnd Bergarbeit die Artickel unsers Christlichen Glaubens furgebildet : sampt der Jochimsthalischen kurtzen Chroniken, Leipzig, 1620
Alonso Carrillo y Laso (1582-1628) , De las antigvas minas de Espana,En Cordoua : Por Saluador de Cea, 1624
John Rovenzon, A treatise of metallica : but not that which was published by Mr. Simon Sturteuant vpon his patent ... whereupon priuilege by patent is granted ... to Iohn Rouenzon, Esquire, for the making of iron and other mettals, London, 1613
Albertus Magnus De mineralibus et rebus metallicis libri quinque, Coloniae : Apud I. Birckmannum & T. Baumium, 1569.
Thomas Heton, Some account of mines, and the advantages of them to this kingdom. With an appendix relating to the mine-adventure in Wales. London, 1707.
Johann Christian Lehmann,Dennoch kan Sachssen alle arme saltz-quellen zu gute sieden, Leipzig, 1724
Johann Gottlob Lehmann,Kurtze Einleitung ein einige Theile der Berkwercks-Wissenschaft, Berlin, 1751
Johann Gottlob Lehmann,L'art des mines ou introduction aux connoissances nécessaires pour l'exploitation des mines méalliques , [Paris], [1759]
Johann Gottlob Lehmann,De la formation des metaux et de leurs matrices ou minieres., [Paris], [1759]
Johann Gottlob Lehmann,Traité de physique, d'histoire naturelle, de mineralogie et de métallurgie., [Paris], [1759].
Gerard Boate, Irelands natvrall history, London, 1652
Peter Shaw,Che[mical] lectures, publickly read at London, in the years 1731, and 1732; and since at Scarborough, in 1733,London, [1734].
→ウェブキャットで検索すると、日本国内で37の図書館が所蔵していることがわかります。経済史ということで、経済学部系がもっていることが多いようですが、37館あればどこか近くの大学で利用できるということになります。
→以上の通り、かなり数多くの大学に所蔵されていることがわかったわけです。あることはないことよりもずっとよい。しかし、このマイクロフィルムコレクションに収録された個別の著作のリストが見ることができる(あるいは検索がかけられる)ようになっていないと結局あまり使えません。この点、早稲田大学が重宝するのは、個別の著作が、図書の検索システム(opac) から検索できるようになっている点です。EEBO でもそうでしたが、この点は、大きな差です。
もちろん、カタログ(Catalogue of the Goldsmiths' Library of Economic Literatur, 5 vols. London : Athlone Press for the University of London Library, 1981-1995)は発売されており(CD-ROM 版も発売されている:$2195.00 とかなり高い)、同じくらいの数の大学に所蔵されていますが、やはり早稲田のサイトで検索をかけてから、マイクロフィルムコレクションを持っている大学に行って利用するのが一番便利です。
研究者のために、基本的便宜を提供してくれているのが、早稲田大学図書館ということになります。
せっかくのコレクションを死蔵させないために、他大学の図書館も早稲田に倣いもう一歩サービスを進めて欲しい。[マイクロフィルム: Landmarks of Science]
次のマイクロフィルムコレクションは、下のものです。
Harold Hartley and Duane H.D. Roller, eds.,
Landmarks of Science,
Readex Micropoint, Library of the University of Oklahoma, 1973
この存在は、9月5日に記した、David E. Connolly, "A Research Bibliography of Early Modern German Mining and Metallurgy"から知りました。
次のものがこのコレクションには含まれています。
G. Agricola, Bermanns sive De re metallica dialogus. Basel, 1530.
G. Agricola, De ortu & causis subterraneorum, lib. V, et al. Basileae : [Froben], 1546.
Albertus Magnus, De mineralibus, Padua, 1476.
Andreas Caesalpin, De metallicis libri tres, Rome,1596
Christoph Entzelt, De re metallica... libri III, Frankfurt, 1551
Johann Mathesius, Sarepta, Nurenberg, 1562
実は、このコレクションに関しては、日本国内のどこかの機関が所蔵していないか、調査中です。(ウェブキャットでは見つからない。)ご存じの方がいらしたら、是非、ご一報下さい。最大の謝辞をお返しします。
ちびどもは6時前。私は、7時30分。やっと台風一過の青空。今日はまた暑くなりそうです。
ちいさいちびは、今日は一言も「幼稚園行かない」と言わずに、出ていきました。やれやれ、一安心。運動会の練習がはじまったら、喜んで行くようになるだろうと予想はしていましたが、昨日、旗揚げ運動の練習をしたのがきいたようです。[マイメロディ、マイラブ]
朝の便と夕刻の便に分けて、次のものがアマゾンより届きました。
山本おさむ『天上の弦』5- 6、小学館、2005
原作:大場つぐみ、漫画:小畑健『DEATH NOTE』 8、集英社、2005
DVD『おねがいマイメロディ』2
漫画3冊は、ずっと読んでいる連載もの。DVDは、最近のちびどもの大、大、マイブームです。日曜日の朝、12チャンネルで「おねがいマイメロディ」のアニメを放映していることを知ったのが、2週間前。それをビデオに録画してから、とくにちいさいちびは、「マイメロディ、マイラブ」となってしまいました。少し大げさに表現すれば、同じものを1日に10回見る勢いで、「おねがいマイメロディ」を見ています。
とくにお気に入りは主題歌。おおきいちびとちいさいちびが競い合ってうたいます。競い合うので、テレビから流れる声より、すこしずつはやい、という変な歌の合唱になっています。
というんで、2日前に、DVDの1(4話収録)を買ってやりました。やはり気に入って、朝起きたら「マイメロディ」、幼稚園から帰ってきたら「マイメロディ」となっています。
私もつきあいで、6話分を見ましたが、女の子向きのアニメとしてよくできています。下は幼稚園児から、上は小学校上級生ぐらいまででしょうか。こどもたちのあいだで、流行間違いなしです。
「マイメロディ」のキャラクターは、すでにサンリオが販売しています。目の黒いウサギちゃんです。それが、アニメになっているとは2週間前まで知りませんでした。ちょっとした用事があり、大学に行って来ました。科研費で発注した外付けHDを受け取り、セットアップ。もちろん、コードを繋ぎ、電源を入れるだけ。FireWire 400 (800 の方は添付されていました)のケーブルがなかったので、USB で接続し、まずは、「千のキミア」プロジェクトで集めたファイルをバックアップしようとしました。ずっと計算していましたが、「9時間」という時間が表示されました。「9時間」はもちろんとても待てないので、放置することにしました。全体をやはり科研費で購入した最新のマシーンの方に移し、そちらで処理させます。OCR にかけられれば最強ですが、ともかくタイガーの検索能力と300Gの容量は武器になります。
そうこうしているうちにT君が見えて、アカデミー版のL全集の一部をくれました。こいつはすごい。
行きの電車のなかで、今週号のニューズウィーク日本語版(2005年9月14日版9を読んでいました。ハリケーンと9.11衆議院選挙を特集していました。9.11衆議院選挙に関する在日外国人記者の声(11人)は有用でした。
ひとつ意外に面白かったのは、巻頭エッセイ、Tokyo Eye:「東京は安い」を広めれば日本はもっと近くなる、でした。東京は物価が世界一高いというイメージが欧米にはまだまだ根強いようです。そうしたなかで、著者のコリン・ジョイスさんは、一種のホテルとしてのマンガ喫茶(チェアホテル!なるほどね)とダイソーを紹介していました。[権力者コイズミ]
ニュースを見ていると、小泉首相の顔と演説にであいます。20年前から(?)同じ言葉を同じように繰り返すことができるというのは、一種の才能です。しかし、それでは対話がまったく成り立たない。自分に引きつけて考えれば、信じがたい、想像に絶するところがあります。不思議なので、ずっと何だろうと思っていたのですが、一応自分なりに納得できる言葉が見つかりました。それが、「権力者」です。
日本の首相では、最近、「権力者」がいなかった。森元総理にしても、宮沢元総理にしても「権力者」の感じはまったくなかった。たぶん、中曽根元総理がもっとも「権力者」的であったのでしょうが、現総理と比べると、かわいいものでした。
ついでにブッシュ現大統領について。ハリケーン被害について、ブッシュさんは「人命救助が最優先だ」という言葉を繰り返しています。「人命救助が最優先」であることに異を唱えるものはいない。しかし、こういう絶対的に正しい言葉だけを繰り返すのは、災害救助の具体的内容が理解できていないことをあらわしています。初動で「人命救助が最優先」なのは間違いありませんが、同時に、死者に対する礼節・敬意も大切ですし、無事生き残った人に対する生活支援(食料・水・排泄物の処理)も同時に動かす必要があります。政権内にわかっている人はいるはずです。その人がブッシュさんに説明し、100%の理解は得られないまでも、自分が先頭に立つことを任せてもらう必要があったと思います。(外交に関してライスさんはそのことに成功したようです。)
これはほんとうにただの夢ですが、ブッシュさんと仲のよい、コイズミさんが堤防決壊の直後に電話して、阪神・淡路大地震の体験を活かした救助隊の派遣を申し出(もちろん十分な活動資金をつける)、実際に救助の指揮にあたる人と話会うことができる人物を送る、こういうことができたら、ほんとうによかったと思います。
ほんとうはいまからできることもある(もちろんたくさんある)ので、いまからでも遅くないと思います。コイズミさんが話を聞くだれかが進言してくれないのでしょうか。そのために選挙活動を一日休んだとして、日本国民の誰も文句はいわないでしょう。
ちびどもはおそらく6時前後。私は、7時20分。今回の台風は不思議です。今朝になって風が強まりました。→雨は降らないのに、お昼にかけて、風が強まっています。
ちいさいちびが今日も幼稚園行かないと言うかと思ったら、一度口にしましたが、一度ですみました。幼稚園に着くと、自分で入口に駆けていったので、まず安心。
私はその足で散髪屋さんに。散髪屋さんでも、一昨日の洪水が話題になっていました。それで様子がかなりわかってきました。それにしても、暑い!
→驚いたことに、8チャンネルの夕方のニュースで、近所の洪水が取り上げられていました。地図が出たので、位置は確定です。善福寺川がS字状にカーブしている箇所で、昔から住んでいる人の証言というので、30年前にも同じ位置であふれたということです。被災したクラスメートの支援を幼稚園でも決めてきたとのことでした。6月締切で仕上げた原稿が活字になって出来上がってきました。
「弱視の貴族科学者ロバート・ボイル」『サイエンスネット』(数研出版)第24号(2005年9月), pp,6-9 です。掲載誌から言って論文誌ではありませんが、内容的にはオリジナルな内容です。ボイルの研究の現場について、新しい光を当てています。
出版者のサイトに pdf ファイルがありますから、関心のある方は、そちらをお読み下さい。(上にリンクを張っています。)
&この原稿作成については、数研出版の編集者の方に大変お世話になりました。今西さん、ありがとうございます。[日本対ホンジュラス戦]
来年のワールドカップ本戦にむけての始動試合、日本対ホンジュラス戦を見ました。一時は3点差あった試合をひっくり返して、5対4で日本の勝ち。勝ったのはよし。
ただし、日本の守備の弱点がはっきりしました。2点はサントスが破られたもの。1点は加治が競り負け。1点は中田のミスです。
たぶん、みんな思っていることでしょうが、左サイドバックは、たとえば今日の中田(浩)の方がずっと安心して見ていられます。
ちびどもはおそらく6時前後(実際には5時半とのこと)。私は、7時半。台風がまるで歩いているかのようにゆっくり動いているので、まだまだ雨。ちいさちびがまたまた幼稚園行かない、と言い始めました。長い夏休み明けはこうなりやすい。私も一緒にでて、入口でもやはりいやがるちびを幼稚園の先生に預けてきました。その足で、整骨医。なんと停電中でした。ビルそのものが停電ということです。
患者さんに、昨日の善福寺川の局所的洪水で床上浸水になった人がおり、ひとしきり台風談義になっていました。サイレン(警戒警報)が故障しており、知らない間に、水が上がってきたとのことでした。はじめてだから、どういうふうに片づけたよいのか、どこから掃除をはじめたらよいのかわからないと言っていました。
→幼稚園の連絡網で、年少組(ちいさいちびのクラス)のお友達が、ちょうど床上浸水したマンションに住んでいたことがわかりました。ちびは帰ってきてひとしきり大暴れしたあと、ねつきました。睡眠不足と疲れと頑張って幼稚園に行っていた反動です。
かぞくそろって8時。昨夜は3回停電しました。テレビによれば、1時間に100ミリを超える雨。台所の出窓の部分でわずかに雨漏り。それだけ強く降ったということでしょう。
→最初停電になったときは、カップ麺の沖縄ソバを食べつつ、テレビを見ていました。J-COM でディスカベリーチャンネルと見ようと思っていたのですが、たぶん、落雷の影響でしょう、地上波以外のチャンネルはうつらず、1チャンネルを見ていました。
さすがに懐中電灯は手近な場所にインストールしています。とくに困ることもなかったのですが、電気がなければ仕事も勉強もできないので、しばらくしてから寝ることとしました。
今朝の新聞のトップに近所の浸水のようすが写真で出ていました。善福寺川沿いの低い場所で水があふれたようです。
→夕刊にも近所の大雨の数字が出ています。24時間雨量で、杉並区下井草:264ミリとありました。ちびどもの幼稚園の再開。今日は、始業式のみで1時間半。明日から本格的にはじまります。
ちょうどよいので、私もいっしょにでて、まずは一橋大学に向かいました。一橋もまだ夏休み中で閑散としていました。目的の本はすぐに見つかったので、さっさとコピーをとり、今度は外語に向かいました。事務に2点書類を渡してから、郵便ボックスを見に行きました。本が1冊とゲラが入っていました。本は次のものです。
川北稔編、綾部恒雄監修『結社のイギリス史:クラブから帝国まで』山川出版、2005、3200円。
共著者のひとりの大野誠氏からの寄贈です。大野さん、どうもありがとうございます。
ゲラが気になるので、そのまま食堂に向かいました。11時過ぎ。客は私ひとり。テーブルの上に、ゲラを広げチェックしました。7月末締切で提出した書評のゲラです。9月5日までに返してほしいということでしたので、食事の前後で一通りチェックし、研究室に行って再度チェックして、封筒につめました。封筒は、帰途、武蔵境駅前のポストに投函。
西荻駅からの帰り道、いつもの本屋さんによって、『論座』最新号(2005年10月号)と学研のふろくつき実験マガジン『科学のタマゴ』(レンズ式・ピンホール式実験カメラ)を購入。[ちびやもり]
おやつの時間帯、自分の部屋でパソコンに向かっていると、妻が呼んでいます。何かと思ったら、台所のシンクに、ちいさなやもりがいました。今年生まれた赤ちゃんやもりです。ちびどもが、こわいくせに見たがるので、急遽、海苔の入れ物を空にして、手にとったヤモリをいれてやりました。たぶん、大人のヤモリはほんとうにこわいのでしょうが、あかちゃんやもりはかわいいようで、しばらく遊びたいといいます。明日までという約束でそのまま、海苔の入れ物に飼う(?)こととしました。→夕食前に逃がしてやることになりました。その後、日本のアマゾンより次の本が届きました。
Robert Bork (ed.),
De Re Metallica: The Use Of Metal In The Middle Ages,
(Avista Studies in the History of Medieval Technology, Science and Art)
Aldershot: Ashgate, 2005
これはずっと待っていた本です。私には、最後の章(David E. Connolly, "A Research Bibliography of Early Modern German Mining and Metallurgy" )がとくに有用です。(目次は、上のリンク先=出版者のサイトにあります。)大きな区分だけ下に示しておきます。
I. Indices of Identity: Metal for Secular Display
II. Handling the Holy: Metal Reliquaries and Liturgical Objects
III. Mundane Metals: Metals for Everyday Use in War and Peace
IV. Strengthening Structures: Metal in Medieval Architecture
V. Technical Texts: Writings on Metal Production from the Late Middle Ages
ちいさいちびがおきて、6時。6時なら、まあしかたありません。[ルイジアナiii]
最近はあまりきちんと読んでいない、JMM [Japan Mail Media] ですが、昨日付けの冷泉彰彦氏のレポートはしっかり読みました。アメリカのハリケーン報道の概略と問題点がよくわかりました。救援活動に関しては、一昨日、私がここに記したのと基本的に同じ見解が展開されており、おなじように考える人がいるんだと気を強くしました。
冷泉氏のレポートで一番驚いたのは、ブッシュ大統領の最初の一言です。夏休みを切り上げての第1声で「外国の支援は受けない」と言ったのだそうです。同時に、この災害を克服した後「強いアメリカが必ず復活する」と宣言したのでそうです。NYタイムズが「最悪のスピーチ」と非難するのも当然です。
と記しているうちに、東京にも台風の影響があらわれました。つい10数分まえから、強い雨が断続的に降り始めています。[郵便局ネットワーク]
「2030年のゴーストタウン」と「すでに小さい政府 ii」を記して、考えたことがあります。それは、今回の解散の前に議論になっていた「郵便局のネットワーク」のことです。すべての政党が民営化のいかんに関わらず「郵便局のネットワーク」は保持すると言っているので、まあ、基本的には保持されるでしょう。そして、人口減・超高齢化・少子化が顕著にあらわれる地域(過疎地等)では、郵便局の窓口が存在することは、地域にとっての死活問題になるでしょう。現実にそういう事例がすでに存在するようですが、セイフティ・ネットワークの拠点としても、郵便局は活躍することができる。
「郵便局のネットワーク」を人口減社会においてどう構築するか、もちろん、上からの統一的な計算・計画も必要です。しかし、私には、下からの声を集約する作業も必要なのではないかと思われます。純粋に経営的観点からは成立しない地域の郵便局の当事者とその地域に人に、その郵便局がたとえば2030年にどういう機能・役目を担ってほしいのか、その際の収支表の予想といっしょに日本全国から集めればよいのでは、と思ったのです。(もちろん、同時に、役場の規模・機能・役割についても検討するのが望ましいでしょう。)
個人的な話になりますが、私の生まれ育った和歌山の田舎(昔は村、今は平成の市町村大合併によって町、しかし、内実は村そのものです)のことを思い出してみます。こどもの頃、近所(歩いて数分の距離)に、小売店が3軒ありました。食料品、日常品を中心とするちっちゃな雑貨屋さんです。今は1軒のみです。それもいつまで続くかわからない。田舎に住む両親は、車で町のスーパーに買い物に行くのが日課になっており、そうした近所の小売店を利用することはまったくと言っていいほどありません。たぶん、日本の田舎はみんなそうなっていると思います。(ですから、田舎では車がないとそもそも生活ができない。)
たしかに、そうした状況では、郵便局に(縮小版であれ)コンビニがくっついていると便利ということはあります。もちろん、経営的に成り立てばコンビニは出店しているでしょうから、通常版のコンビニでは経営的に成り立たない。しかし、そこに置く商品・サービスを工夫すれば、自前でやっていけるだけの売上げはあるかもしれない。
まずは、こうした検討を官ではなく民でやってみて、それを積み上げる。そこから郵便局ネットワークの端末の未来形を探る作業です。税金を使うのは最後の最後にして、ともかく自前でやっていける形をそれぞれの地域で考える、そうした工夫の集大成として、郵便局ネットワークの未来を構想する、そうした作業こそが必要ではないでしょうか。
たぶん、私が思いつくぐらいですから、よく探せばもうこうした検討・計画はあるのだと思います。そうした情報を光を当てることこそ、メディアの仕事だと思います。
ちいさいちびは5時前。私は、6時過ぎ。はやすぎます。[2030年のゴーストタウン]
昨夜、ちびどもが寝付いてから、ノートと雑誌を買うために夜の町へ。ノートは、1カ月毎の家計簿用です。雑誌は、出たばかりの『月刊現代』10月号。巻頭特集「小泉「エセ信長」政治に終焉を」をはじめ、半分近くを読みました。
巻頭の堺屋太一「日本のラストチャンス」には考えさせられました。書いていることが全部正しいというわけではないと思います。見落とされている重要な観点があるように思います。しかし、真剣に考えるべきひとつのポイントはついていると思います。それは、破壊者コイズミの位置づけです。たしかにコイズミさんは、自民党の支持基盤であった職縁社会をこわした。そのことはたぶんそうでしょう。
NHKの新日本紀行を見ながら思いついたことです。コイズミさんは破壊者の象徴でしょうが、すでに日本社会そのものがその点では壊れつつあったと言えるのではないでしょうか。壊れるという表現がふさわしくないのであれば、地滑り的な変動・変化、ということになるでしょうか。
同じ『月刊現代』に、2030年にゴーストタウンになる全国市町村名という記事があります。ひとつの社会にとってのもっとも基礎的な数は、人口です。はやければ今年から、遅くても2007年から、日本は人口が減少します。人口減社会がはじまっている、あるいははじまりつつあります。もちろん、減少すると言っても、大きく減少する場所と、首都圏のようにたぶん当分はほとんど減少しない地域に別れます。経済産業省が、全国269都市圏の2030年の域内総生産を試算した資料がこの記事です。
東京都市圏は、2000年との比較で、10.7% の増です。
しかし、30%以上減少する都市があります。北からいけば、深川市(41.4%)、美唄市、芦別市、熱海市、尾鷲市、因島市、中村市、津久見市、名瀬市です。津久見市は、39.0%減という予想数字が出ています。
東京の近くでも、銚子市27.7%減、館山市28.8%減、とほぼ3割に近く落ち込む都市があります。
早急に(老人主体の衰退地域であったも何とか安心して生活できる)セイフティ・ネットワークの構築にかからないと、こわいことになる、この数字はそのことをあからさまに示してくれています。昼食後、夏休みの宿題をこなしました。8月末締切、9月末締切の書類が数点たまっていました。それぞれ手をつけてしまえばなんてことはないのですが、8月の間は、やる気になりませんでした。今日も最高気温は気象庁によれば33度ですが、もっとも暑い時期よりはましです。
[すでに小さい政府 ii ]
8月27日に紹介したものの続き(第2回)。醍醐聰氏による、小さな政府論検証シリーズ(2):「郵政民営化で資金の流れは変わるのか?」
非常にすっきりとした整理。「郵政民営化」については、現在の郵政事業のあり方を具体的にフォローしたことがあるものには、ほとんど数学的に明確な結論が出ています。
2001年まで郵便貯金・簡易保険という郵便局が集めた膨大な資金が(旧)大蔵省資金運用部に吸い上げられ、財政投融資という仕組みによって、特殊法人などの非効率な財投機関に融資されてきた。最大のポイントは、この膨大な資金の流れをどうするか、ということです。
実は、この仕組みは、2001年の財投改革によって廃止されている。
しかし、現実には、郵便貯金・簡易保険は7年間財投債を買うことが(旧)大蔵省により義務づけられてしまった。
実際、数字としても、郵便貯金事業における国債保有額は2001年末の17.8%から2004年末の42.5%に増えている。簡易保険事業においても、国債保有額は2001年末の29.0%から2004年末の47.4%に増えている。
(民間においても、国債保有額は資産総額に占める割合で増えている。全国銀行では8.4%から13.3%へ、生保各社合計では17.8%から21.9%へ増えている。)
つまり、問題の所在は、郵便局が集めた膨大な資金を、誰が運用したのか・するのか、その運用に対して誰が責任をもつのか・とるのか、ということです。責任の所在は、はっきりしています。資金を運用したのは、(旧)大蔵省、すなわち政府。つまり、責任は、(旧)大蔵省、すなわち政府にあります。
政府が、(旧)大蔵省を通して、どういう事業にどれだけお金を投資したのか、運用実績・効果はどれだけであったか、わかりやすい表・グラフにして洗いざらい国民に開示することです。
そして、意味のある運用・投資と、非効率な運用・投資を区別・評価し、国民にとって必要な運用・投資を長期的ビジョンにたって絞り込むことです。
また、無意味な運用・投資、非効率な運用・投資に政治家が口出し(利益誘導)をしていたのであれば、これも情報を開示して、政府共々責任をとってもらえばよい。
すでにもう小さい日本の政府において、何が大きすぎるのかと言えば、要するにこの部分です。この部分に関するこれまでの実績・責任の明示をした上で、国民的合意のもとに残す部分(場合によっては発展させる部分)とすっぱりやめる部分(あるいは縮小する部分)を議論すればよいと思います。
そうでない以上、「小さな政府」論は、無意味ですし、「官から民へ」という言葉も、無意味というだけではなく、有害です。
財政投融資を知っている人は、このことをよく知っているはずです。つまり、大多数の官僚も政治家もこのことをよく知っているはずです。知っていて言わない官僚も政治家も、国民に対する背信行為を行っていると言わざるをえません。[昼寝]
夏休み最後だからと思い、昨日は、お昼過ぎ急遽ちびどもをジブリに連れていってやることにしました。(ジブリは、予約チケット制です。ローソン系で日時の指定されたチケットをあらかじめ購入しておかないと、入場できない。ただし、空いていれば、当日でもチケットは買える。)楽しみにしていたちびどもですが、ネコバスのところについて、何とちいさいちびがやらないと言います。階段を上り下りしたり、映画を見たりしたあと、おなかがすいたのかと考えて、おやつを食べさせることにしましたが、注文したアイスクリームも一口なめただけでいらないと言います。こういうときは、はやく帰るに限ります。車の後部座席のそれぞれのチャイルドシートに座らせ、帰宅の途に。なんと、そういうふうにして寝たことのないちいさいちびがすぐに寝ています。(おおきいちびは、2歳のとき、昼食後、車に乗るとすぐに寝ていました。ちびどものいとこたちもそうだったと田舎のおじいちゃん、おばあちゃんは証言してくれています。)
ちいさいちびが爆発すると、かなり大変です。1時間ほどうまく時間を費やしてから、帰宅。ちょうど家に着く頃に目覚めました。今日も起きるのがはやすぎて、ちびどもは明らかに睡眠不足。いつもならば外に行きたがりますが、今日は、行きたがりません。ということで、妻がおおきいちびもちいさいちびもいっしょに昼寝させることにしました。おやつのころから4時過ぎまでたぶん1時間強昼寝しました。
月曜日からは幼稚園が再開です。朝は7時ぐらいに目覚めるリズムになるとよいのですが。最近は夜起きて仕事をしているので、朝5時は、親にも負担です。
ちびどもはおそらく6時前。私は、7時前。日中は30度近くになるようですが、朝方はもう涼しい。[ルイジアナii]
日本のテレビもかなり報道するようになりました。略奪の姿もひどい。世界の最強国アメリカの弱点が露わになっています。
救助・支援が遅いように思いますが、どうなんでしょうか。災害復興では、よかれあしかれ、日本が慣れていると思います。こうした自然災害では初動が大切です。日本の慣れている人々を現地に送るということは、日本政府は考えないのでしょうか?どこで起きた災害であれ、日本のチームが救助・人道支援に一番乗りする気概を持っていてもよいように思いますが、首相官邸はどう考えているのでしょうか。[フランシス・ベーコン(ベイコン)v ]
ベイコン全集の第1巻から5巻に関して、もう少し詳しい目次があった方がよいだろうと考えて、それも準備します。
第1巻
Contents of Vol. 1 page LIFE OF THE RIGHT HONOURABLE FRANCIS BACON, BARON OF VERULAM, BY WILLIAM RAWLEY, D.D. 1 GENERAL PREFACE to the PHILOSOPHICAL WORKS, by ROBERT LESLIE ELLIS 21 PREFACE TO THE NOVUM ORGANUM, by ROBERT LESLIE ELLIS 71 INSTAURATIO MAGNA 119 Praefatio 125 Distributio Operis 134 PARS SECUNDA OPERIS, QUAE DICITUR NOVUM ORGANUM 149 Praefatio 151 Aphorismi de Interpretatione Naturセ et Regno Hominis 157 Liber Secundus Aphorismorum de Interpretatione Naturセ sive de Regno Hominis 227 PARASCEVE AD HISTORIAM NATURALEM ET EXPERIMENTALEM, PREFACE 369 DESCRIPTIO HISTORIAW NATURALIS ET EXPERIMENTALIS QUALIS SUFFICIAT ET SIT IN ORDINE AD BASIN ET FUNDAMENTA PHILOSOPHIAE VERAE 393 APHORISMI DE CONFICIENDA HISTORIA PRIMA 395 CATALOGUS HISTORIARUM PARTICULARIUM, SECUNDUM CAPITA 485 DE AUGMENTIS SCIENTIARUM. PREFACE 415 PARTITIONES SCIENTIARUM, ET ARGUMENTA SINGULORUM CAPITUM 425 DE DIGNITATE ET AUGMENTIS SCIENTIARUM .Liber primus 431 Liber secundus 485 Liber tertius 539 Liber quartus 579 Liber quintus 614 Liber sextus 651 Liber septimus 713 Liber octavus 745 Liber nonus 829 NOVUS ORBIS SCIENTIARUM, SIVE DESIDERATA 838 APPENDIX ON THE ART OF WRITING IN CIPHER 841 第2巻
Contents of Vol. 2 page PREFACE to the HISTORIA VENTORUM, by ROBERT LESLIE ELLIS. 3 DE HISTORIA NATURALI ET EXPERIMENTALI MONITUM. 13 NORMA HISTORIAE PRAESENTIS. 17 HISTORIA VENTORUM. 19 ADITUS AD TITULOS IN PROXIMOS QUINQUE MENSES DESTINATOS. 79 FRAGMENTUM LIBRI VERULAMIANI, cui Titulus ABECEDARIUM NATURAE 85 PREFACE to the HISTORIA VITAE ET MORTIS, by ROBERT LESLIE ELLIS. 91 HISTORIA VITAE ET MORTIS. 101 PREFACE to the HISTORIA DENSI ET RARI, by ROBERT LESLIE ELLIS. 229 HISTORIA DENSI ET RARI. 241 INQUISITIO DE MAGNETE. 307 TOPICA INQUISITIONIS DE LUCE ET LUMINE 313 PREFACE to the SYLVA SYLVARUM, by ROBERT LESLIE ELLIS 325 SYLVA SYLVARUM. 339 TABLE OF THE EXPERIMENTS. 673 SCALA INTELLECTUS sive FILUM LABYRINTHI. 687 PRODROMI sive ANTICIPATIONES PHILOSOPHIAE SECUNDAE 690 第3巻
Contents of Vol. 3 page PREFACE to PART II: WORKS ON SUBJECTS CONNECTED WITH THE INSTAURATIO, BUT NOT MEANT TO BE INCLUDED IN IT 3 COGITATIONES DE NATURA RERUM 11 PREFACE to DE FLUXU ET REFLUXU MARIS, by ROBERT LESLIE ELLIS 39 DE FLUXU ET REFLUXU MARIS 47 PREFACE to DE PRINCIPUS ATQUE ORIGINIBUS SECUNDUM FABULAS CUPIDINIS ET COELI, by ROBERT LESLIE ELLIS 65 DE PRINCIPUS ATQUE ORIGINIBUS, ETC. 79 NEW ATLANTIS 119 MAGNALIA NATURE 167 PREFACE to PART III: WORKS ORIGINALLY DESIGNED FOR PARTS OF THE INSTAURATIO MAGNA, BUT SUPERSEDED OR ABANDONED 171 COGITATIONES DE SCIENTIA HUMANA 177 PREFACE to VALERIUS TERMINUS, by ROBERT LESLIE ELLIS 199 VALERIUS TERMINUS 215 ADVANCEMENT OF LEARNING, BOOK I. 253 ADVANCEMENT OF LEARNING, BOOK II. 321 FILUM LABYRINTHI 493 DE INTERPRETATIONE NATURE PROOEMIUM 505 TEMPORIS PARTUS MASCULUS 521 PARTIS INSTAURATIONIS SECUNDAE DELINEATIO ET ARGUMENTUM 541 REDARGUTIO PHILOSOPHIARUM 557 COGITATA ET VISA DE INTERPRETATIONE NATURE 587 INQUISITIO LEGITIMA DE MOTU 621 CALOR ET FRIGUS 641 HISTORIA SONI ET AUDITUS 653 PHENOMENA UNIVERSI 681 PREFACE to DESCRIPTIO GLOBI INTELLECTUALIS, by ROBERT LESLIE ELLIS 715 DESCRIPTIO GLOBI INTELLECTUALIS 727 THEMA COELI 769 DE INTERPRETATIONE NATURE SENTENTIAE XII. 780 APHORISMI ET CONSILIA 789 PHYSIOLOGICAL AND MEDICAL REMAINS 795 第4巻
Contents of Vol. 4: Translations of the Philosophical Works page THE GREAT INSTAURATION 5 THE NEW ORGANON 39 PREPARATIVE TOWARD A NATURAL AND EXPERIMENTAL HISTORY 249 OF THE DIGNITY AND ADVANCEMENT OF LEARNING. BOOKS II.-VI. 275 第5巻
Contents of Vol. 5: Translations of the Philosophical Works page OF THE DIGNITY AND ADVANCEMENT OF LEARNING. BOOKS VII.-IX. 3 NATURAL AND EXPERIMENTAL HISTORY 137 History of the Wind 137 Preface to History of Heavy and Light 202 Preface to History of Sympathy and Antipathy 203 Preface to History of Sulphur, Mercury, and Salt 205 Fragment of Abeordarium Naturae 208 History of Life and Death 213 History of Dense and Rare 337 Inquiry Respecting the Magnet 401 Topics of Inquiry Respcting Light and Luminous Matter 407 THOUGHTS ON THE NATURE OR THINGS 417 ON THE EBB AND FLOW OF THE SEA 441 ON PRINCIPLES AND ORIGINS, ACCORDING TO THE FABLES OF CUPID AND COELUM 459 DESCRIPTION OF THE INTELLECTUAL GLOBE 501 THEORY OF THE HEAVEN 545
ちびどもはおそらく6時前。私は、7時20分。今朝も涼しい。
おお、9月になりました。8月は、130枚。[ルイジアナ]
一昨日の夜、CNN のニュースを見ていました。今回アメリカ合衆国の南の海岸を襲った台風(ハリケーン:カトリーナ)の被害を詳しく報道していました。ひどい。ツナミのようだと現地では言っているようですが、まったくその通りです。やっと昨夜あたりから日本のテレビもいくらか報道するようになりましたが、どうも扱いが対岸の火事です。
アメリカ合衆国の地理は、東海岸(ニューヨークやボストン)、西海岸(カリフォルニア)、シカゴ、フロリダ等、一部の点しか頭に入っていません。しかし、今回は、ルイジアナ、ルイジアナという固有名詞が連呼されたので、私の頭のなかでも、大学時代の友人がルイジアナ州立大学に勤めていたという事実に記憶が繋がりました。それで安否のメールを出そうと思ったら、ご本人から無事だというメールが来ました。停電しているけれども、K氏一家は無事だということです。無事で何よりでした。
今回の台風で、やっとルイジアナというのが有名なミシシッピ川の河口の町だということがわかりました。CNN の解説で、ミシシッピ川の河口の町は、海より低いゾーンが相当の面積をしめていることもよくわかりました。堤防が何十メートルかにわたり決壊したということで、今後の復興は大変だと思われます。[ルネサンスにさようなら ]
昨日の「ヘンリー・オルデンブルグの蔵書目録」ですが、私の研究している内容と重なる(要するにボイルと共通する点が多い)ので、もうすこし紹介します。
Noel Malcolmは、オルデンブルグの蔵書目録にない(欠如の表)ものを列挙しています。
1.同時代の文学
2.法律関係
3.古典
4.ルネサンスの人文主義
5.教父
6.聖書研究
7.教会史と聖書年代記
今回注目したいのは、3.と4.です。3.古典に関しては、ユエ(Huet) に送ってもらった2点のみです。4.ルネサンスの人文主義者の著作に関しては、ベックマヌス、ユニウス、ノーデ、オッコ、デ・ヴァロワ&ヴァゲンザイル、ヴォシウスだけを持っています。当時学者/知識人(learned men)と呼ばれる人であれば、もちろん相当数の著作をもっていました。
パトロンでもある、友人でもあるボイルの場合よりずっとはっきりしています。ボイルは、途中から、アリストテレス、ガレノス等のギリシャ古典に遡って直接自分で読むようになっています。(どこまで広く読んだのかはわかりませんが、それほど得意ではないギリシャ語のテキストも見ていることは間違いありません。)中世の大思想家とルネサンスの人文主義者については、読んだ振りをしていますが、実際に読んだものはごくわずかです。
近代科学の推進機関のひとつは、専門雑誌です。歴史上はじめての科学雑誌のひとつ、『哲学紀要』(Philosophical Transactions) の編集兼発行人であったオルデンブルグは、まるで現在の科学者のように、古いものには目もくれず、新しい科学の流れに没頭/埋没/集中しています。新しい理論、新しい仮説、新しい事実情報、新刊科学書情報、こうしたものの収集・編集にオルデンブルグは、精力を費やしています。
所蔵していた本のなかで、興味深いものについても一部紹介しましょう。
現在は神秘思想という形で括られることの多い、ある種の宗教思想書があります。ベーメ(スパローによる英訳)、タウラー、フィオレのヨアキム、セラリウス。
錬金術-化学については、具体的なリストをあげましょう。
S. Wehe, Tripus chimicus sendivogianus, dreyfaches chimisches Kleinod ,Strasbourg, 1628.
A. von Mynsicht, Thesaurus et armamentarium medico-chymicum,Lübeck, 1646.
J. N. Furichius, Chryseidos libri IIII, sive poema de lapide philosophorum , Strasbourg,1631.
Basil Valentinus, Of Natural & Supernatural Things. Also, of the First Tincture, Root, and Spirit of Metals and Minerals,London, 1670.
J. S. Elsholtz , Clysmatica nova: sive ratio qua in venam sectam medicamenta immitti possint, Cölln an der Spree, 1667.
J. B. du Hamel, De meteoris et fossilibus libri duo ,Paris, 1660.
H. de Heer, Spadacrene, hoc est fons spadanus, accuratissime descriptus, Leiden, 1645.
N. Lefèvre, A Compleat Body of Chymistry, London, 1670
G. E. von Loehneyss, Bericht vom Bergwerk. (c. 1660).
これは、なかなかお目にかかることのないリストです。
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