下には、解説があります。
ファン・ヘルモント主著の目次
2003.4.3
ファン・ヘルモントの主著Ortus Medicinae 並びに、その英訳Oriatrikeの対照目次を作成しました。
ラテン語原著と英語訳には体裁において少し違う点があります。
Ortus Medicinaeは、4部からなります。
1)論考集
2)病気についての論集
3)補遺
4)知られざる医学の小論
原著は、4部毎に別々に章分けの数字を振っていますが、英訳は、1)から3)までは通しの章番号を振っています。しかも、3)補遺の最初の6つのパラドクスは、原著ではまとめて1つの数字が割り当てられていますが、英訳の方では1つのパラドクスに対して1つの章を立てています。ということで、英訳の方が、見た目上、章が5つ多いということになっています。
目次表は、見ていただければすぐにわかると思いますが、左のコラムが原著、右のコラムが英訳の目次です。数字は、カッコのない方が、原著のもの、( )付の数字が英訳のものです。
もう1点、Oriatrikeには変な点があります。目次に出ている章の数字と、本文中での章の数字がずれているということです。全体にわたるチェックはしていませんが、すくなくとも第30章前後では、本文中の章数は、目次のものより2つ少なくなっています。たとえば、「熱は直接的に消化を行うわけではなく、ただ消化を助け、強めるだけである」という章は、目次では第29章、本文中では第27章、となっています。
英訳としては、このJ.C.[John Chandler]によるOriatrikeの他に、ウォルター・チャールトンが第59番目の論考を訳した、
1)Deliramenta catarrhi: or, the incongruities, impossibilities, and absurdities couched under the vulgar opinions of defluxions.London,1650
『補遺』の第15論考「傷の磁気療法」、『本編』第34論考「ワインにおけるタルタル誌」、『補遺』の第4論考「イマゴ・デイ」の英訳を合わせた
2)A ternary of paradoxes. The magnetick cure of wounds.Nativity of tartar in wine. Image of God in Man.London,1650
を出しています。
Ortus Medicinae 全体の訳としては、オランダ語訳(ロッテルダム、1660)、フランス語訳(リヨン、1671)、ドイツ語訳(ズルツバッハ、1683)があります。
ファン・ヘルモント主著のラテン語&英訳対照目次
2003.4.4
昨日作成したファン・ヘルモントの主著のラテン語&英訳対照目次ですが、ページ数がついていた方がよいとの平井さんの意見を受けて、ページ数がついたものを作成しました。ファン・ヘルモントの主著Ortus Medicinae 並びに、その英訳Oriatrikeの対照目次、ページ数表示。
1ページのはじまる位置が違っていたりしますが、ほぼ同じくらいのページ数で対応していることがわかります。つまり、全体としてほとんど同じ厚さで、1頁あたりの内容量もほぼ同じということになります。両方を比べる場合、相当見やすいと思います。
英訳の場合、1ページは、表にあるとおり Promise から始まります。その前には、次のものがあります。
The Translators Promonition to the Candid Reader (John Chandler), 4pp
To the Friendly Reader, S.D. (Franciscus Mercurius Van Helmont), 21pp
A Prophsie, 5pp
(ノンブルは、ときたま、a1,b, というようにアルファベットでついていることもありますが、原則隠れノンブルです。)
ちなみに翻訳ですが、邦訳としては、『キリスト神秘主義著作集 第16巻近代の自然神秘死思想』(教文館、1993)に、ヘルモント『医術の日の出』として、「第2の論考 この本の著作の告白」「第3の論考 この本の著者はいかなる学術を学んだか」「第4の論考 学問をいかにして追求すべきか」という3論考のみが訳出されています。まとまった邦訳としては、私はこれが唯一かと思います。
なお、これは、ファン・ヘルモントの息子(フランシスクス・メルクリウス)が協力して、有名なキリスト教カバラ主義者のクロール・フォン・ローゼンロートがドイツ語訳したもの(ズルツバッハ、1683)からです。翻訳者は、中井章子氏。
中井章子氏には、『ノヴァーリスと自然神秘思想―自然学から詩学へ』(創文社、1998)という著作があります。ちょっと高い(1万円)のですが、興味深い著作です。
目次は、アマゾンによれば次の通り。
第1部 超越と自然(「ノヴァーリス」の誕生;ガイストの顕現としてのこの世界;世界の意味の喪失と回復)
第2部 自然学(マクロコスモスとミクロコスモス;魔術;万物の共感の学;しるしの学)
第3部 詩学(心情の表現としてのポエジー;高次の自然学としてのポエジー;文学の理論としての詩学)
ファン・ヘルモント主著のラテン語&英訳対照目次補足
2003.4.11
4月4日にアップしたファン・ヘルモントの主著Ortus Medicinae 並びに、その英訳Oriatrikeの対照目次、ページ数表示のタイプミス等を幾分か修正すると同時に、それぞれ別個の目次も作成しました。
ファン・ヘルモントの主著Ortus Medicinaeの目次。
ファン・ヘルモントの主著の英訳Oriatrikeの目次。
ファン・ヘルモントの主著『医学の曙』の英訳について
2003.4.24
ファン・ヘルモントの主著『医学の曙』の英訳について、基本的な情報をまとめました。
ファン・ヘルモント、ドイツ語訳
2003.5.18-21
ファン・ヘルモント全集のドイツ語訳の目次と格闘しています。慣れないひげ文字に苦労しています。
ファン・ヘルモント全集のドイツ語訳のフルタイトル
元のラテン語版(Ortus Medicinae)と比較すると、大幅に再編集されています。もとは、次の4分構成です。
1)論考集
2)病気についての論集 Tractatus de Morbis
3)補遺 Supplementum
4)知られざる医学の小論 Opuscula Medica Inaudita
ドイツ語訳は、次のような構成になっています。
1)論考集、第32論考まで, pp.1-298
2)「熱病について」(もとOpuscula Medica Inauditaの第2論考)pp.299-360
3)「4体液学説の不備」(もとOpuscula Medica Inauditaの第3論考)pp.361-404
4)「結石について」(もとOpuscula Medica Inauditaの第1論考)pp.405-525
5)「疫病の墓」(もとOpuscula Medica Inauditaの第4論考)pp.526-664
6)論考集、第32論考(タルタルについて)から第55論考まで,pp.665-126*
第47論考(目次は、間違って48のローマ数字)は、6章からなる「魂について」
第54論考は、もとの第2部( Tractatus de morbis)(24章からなる)
第55論考は、「長生についての論考」と称され、もとの第2部( Tractatus de morbis)の後ろ側(22-27) 並びにもとの第3部のほぼ全体からなっている。22章構成。
なお、もとの第3部の最初にあった「鉱泉について」は、第11論考「水」の下位の章に移されています。
ついでに、ラテン語元版、英語訳の目次の校正を進めました。
このドイツ語版の目次ですが、たとえば次のようになっています。
III. Tractat vom Stein im Menschen. De Lithiasi.
つまり、ドイツ語+ラテン語、という形になっています。現代人にはひげ文字(正確にはドイツ文字というようです)よりもラテン語の文字の方が読みやすいという点を考えて、まずは、ラテン語部分のみの目次を作成しました。ドイツ文字の方はおいおい解読して付加していきます。
ファン・ヘルモント、『医学の曙』後半の医学論考
2003.9.10
Ortus Medicinaeの最後にある「知られざる医学の小論」は、不思議なページの付け方がなされています。収録されている論考は4つありますが、第3論考は第2論考の補遺という位置づけになっています。つまり、全体が3つに分かれています。その各々が1頁から始まっています。つまり、
De Lithiasi, pp.1-110
De febribus, & Scholarium Humoristarum passiva Deceptio, pp.1-115
Tumulus Pestis, pp.1-88
というふうに、ページがついています。
したがって、目次の表では、そこの部分だけ例外的に次のように、終了頁も表示することにしました。
1 | De Lithiasi | 1-110 |
2 | De Febribus | 1-67 |
3 | Scholarum Humaristarum passiva deceptio ac igrorantia | 68-115 |
4 | Tumulus Pestis | 1-88 |
最初のページ=
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