2014年度 東大駒場大学院 授業「相関基礎科学特殊講義IV 」


   学部の授業科目名は、「科学技術史特論IV」 
 時間割と教室:金曜日5限、8号館113教室

 進行

初回:10月10日 打ち合わせ 20人の自己紹介

2回目:10月17日 「ハーヴィ研究の現状と展望」
  一般参考文献 月澤美代子「ハーヴィとデカルト―17世紀オランダにおける血液   循環論の受容とカルテジアニズム」村上陽一郎編『知の革命史4 生命思想の系譜』   (朝倉書店,1980): 65-96

3回目:10月24日 「デカルト解剖学」
  一般参考文献 山田弘明「デカルトと医学」『名古屋大学文学部研究論集. 哲学』50(2004): 1-39 

4回目:10月31日 「18世紀におけるデカルト派生理学の展開」
    ホール『生命と物質』第4部(ミクロ機械論):シュタール、ブールハーヴェ、ハラー

5回目:11月7日 「自然発生論」
            ジャック・ロジェの著作の最初(Part 1)
 Cf. 逸見龍生訳「ジャック・ロジェ「17世紀前半における医学と科学の精神(一)」『新潟大学言語文化研究』 6(2000): right 13-25

6回目:11月14日 「カンギレム『反射概念の形成』」

7回目:11月28日 「フーコー『臨床医学の誕生』」

8回目:12月5日  「生体の基礎ユニットとしての線維」
  ◎Hisao Ishizuka, "The Elasticity of the Animal Fibre: Movement and Life in Enlightenment Medicine," History of Science, xliv (2006): 1-34

9回目:12月12日 「細胞学説」
  ◎ホール『生命と物質(下)』第40章「シュヴァンにおける細胞」&第41章「シュヴァン以降の細胞(1840-1860)」
  参考文献:林真理「細胞概念の展開―科学史研究における比較の事例として―」出口顕・三尾稔編『人類学的比較再考』国立民族学博物館調査報告 90(2010): 57-75

10回目:12月19日 「パスツール」
  ◎田中祐理子『科学と表象:「病原菌」の歴史』(名古屋大学出版会、2013)第3章「パストゥールと胚種」

11回目:1月9日 「コッホ」
  ◎田中祐理子『科学と表象:「病原菌」の歴史』(名古屋大学出版会、2013)第4章「コッホと細菌学的方法」

12回目:1月23日 「ペストの衝撃」
  ◎飯島渉『感染症の中国史』(中公新書、2009)第1章

13回目:1月27日(振替で火曜日となっています) 「コレラ・マラリア・日本住血吸虫病」
 ◎飯島渉『感染症の中国史』(中公新書、2009)第3章
 +『感染症の中国史』第2章「近代中国と帝国日本モデル」

基礎文献(できれば全員に予習しておいてもらいたい文献です。)

医学史全般
 鈴木晃仁「医学史の過去・現在・未来」『科学史研究』No.269(2014): 27-35

  医学史通史
 川喜田愛郎『近代医学の史的基盤』(上)(下)、岩波書店、1977 (読み通すのは大変だが、日本語の通史としては今でもこれが一番だと思われる。どんなに短いものでもよいので、一度医学史の通史を読んでおいて下さい。)

ハーヴィー
   月澤美代子「ハーヴィとデカルト―17世紀オランダにおける血液循環論の受容とカルテジアニズム」村上陽一郎編『知の革命史4 生命思想の系譜』(朝倉書店,1980): 65-96  シャケルフォード『ウィリアム・ハーヴィ:血液はからだを循環する』梨本治男訳、大月書店、2008
 中村禎里『近代生物学史論集』みすず書房、2004  (中村さんは、戦後第1世代の生物学史家の代表人物の一人。科学史の研究状況の差に   注目しつつ読んでもらえると有益な示唆が得られる。)

ハーヴィー以前
 ガレノスの医学大系とアリストテレス主義(自然哲学)の関係は大変だが、基本を押さえておくことが望ましい。
 フナイン・イブン・イスハーク(矢口直英訳・注)「『医学の質問集』」『イスラーム世界研究』第3巻(2010): 416-477  

  デカルト
 山田弘明「デカルトと医学」『名古屋大学文学部研究論集. 哲学』50(2004): 1-39  (デカルト自身は医者ではないが、デカルトの機械論的人間観は、後代にとても大きな 影響を残した。デカルトの『人間論』に邦訳がある。即ち、『デカルト著作集4』(白水社、1973)。『宇宙論』とともに読んでもらえると、デカルトの自然観・人間観がわかるようになります。)

ジャック・ロジェ
 逸見龍生訳「ジャック・ロジェ「17世紀前半における医学と科学の精神(一)」『新潟大学言語文化研究』 6(2000): right 13-25

解剖学史
 坂井建雄『人体観の歴史』岩波書店、2008


2013年度 東大駒場大学院 授業「相関基礎科学特殊講義IV 」